筋トレ

筋トレと有酸素運動で筋肉のタンパク質が分解されるのは本当か

私は週3回ジムで筋トレとトレッドミルで傾斜ウォーキングをしています。

その日の体調によって多少異なりますが基本的に筋トレ90分、トレッドミル60分程度です。

筋トレの世界では筋肉肥大のためにしてはいけないことの一つに有酸素運動があります。せっかく筋トレで筋肉肥大させようとしても有酸素運動で筋肉を分解して減少させてしまうからというものです。

しかし筋トレ後の有酸素運動は非常に効率の良い脂肪燃焼運動であることは事実です。

有酸素運動が筋肉を減少させてしまうという根拠

それでは有酸素運動で筋肉が分解してしまうという根拠はどこにあるのでしょうか。

それは運動によるエネルギー消費バランスから来ています。

筋トレのようなハードな運動は無酸素運動でエネルギー消費に酸素を必要としない運動となり、エネルギー源は糖質です。

一方有酸素運動はエネルギー消費に酸素を必要としエネルギー源は糖質と脂質になります。

しかしこれらのエネルギー源が不足すると筋肉のタンパク質を分解して糖質を作る、いわゆる「糖新生」(*)が起こることがあります。

(*)エネルギー産生の主要物質である糖質(ブドウ糖)が不足するとアミノ酸、乳酸、グルセロール(脂質)などをブドウ糖に変えること。

筋トレで筋肉肥大を狙っている人たちはこの糖新生を危惧しているのです。筋グリコーゲンが枯渇するような運動はしたくないのです。

特に1gでも筋肉が欲しいと思っている筋トレ上級者にとっては有酸素運動は邪道な運動と思っている節があります。

それではいつ筋肉が分解されるのでしょうか。

筋肉はいつ分解されるのか

人体のあらゆる組織が日々分解と合成を繰り返しています。

筋肉も同様で安静にしていても毎日分解と合成を繰り返しているのです。

それではそれ以外で筋肉の分解速度が上がるのがどういうときなのでしょうか。

・ダイエット中でカロリー制限をしているとき

・長時間ジョギングやランニングなどの呼吸がハァハァとなる有酸素運動をしているとき

・睡眠中

・空腹中

上記のような状態が続くと筋肉が分解されて糖新生が起こりやすくなるというのは事実です。

また運動後に十分な栄養素を補給しなければさらに分解程度が高くなります。

運動エネルギー源の燃焼優先順位

筋トレでは糖質、有酸素運動では糖質と脂質がエネルギー源になると言いましたがそのエネルギーの利用優先順位はどうなっているのでしょうか。

筋トレのエネルギー源である糖質は筋グリコーゲン(筋肉の中に蓄積されたグリコーゲン)と血中のブドウ糖です。

これらが消費されると血中アミノ酸が糖新生で消費され血中アミノ酸濃度が下りこれを一定に保とうと筋肉中のタンパク質が分解し始めます。

有酸素運動では運動始めは糖質が優位に燃焼しその後20分くらいで糖質と脂質の燃焼が半々になります。

燃焼する脂質とは中性脂肪から分解された血中の遊離脂肪酸です。

脂肪燃焼システムの詳細は『中高年太りのお腹は腹筋では引っ込まない』を参照願います。

これが不足すると血中アミノ酸もエネルギー源として使用され始めます。

ここで疑問に思うのが体内には膨大なエネルギー源として利用できると思われる中性脂肪の存在です。

有酸素運動は脂質をエネルギー源としているのになぜ中性脂肪を分解しエネルギー源として利用せず筋肉を分解してしまうのか、という疑問です。

これは運動強度の程度で説明できます。

ウォーキングなどの軽い運動では基本的に遊離脂肪酸が糖質よりも優位に働き燃焼されます。

しかしハァハァ、ゼイゼイいうハードなジョギングなどの有酸素運動や筋トレでは糖質が圧倒的に優先的に利用されるのです。

その理由は脂質の燃焼には酸素が必要ですがウォーキングなどの軽い運動では呼吸が楽で酸素を取り入れやすいので遊離脂肪酸という脂質が燃焼しやすいのです。

一方ハードな筋トレや有酸素運動では呼吸が苦しく酸素を酸素の取り入れが少なくなります。そのため燃焼に酸素を必要としない糖質が燃焼しやすくなるのです。

したがって息が苦しくなるような運動では糖質が利用され、その糖質が不足するとアミノ酸などのような物が糖新生される現象が起きるのです。

これで有酸素運動と言ってもウォーキングとハァハァいうジョギング、マラソンでは利用されるエネルギー源の割合が違うということがわかりました。

したがってエネルギー燃焼優先順位は下記の通りになります。

1. 筋グリコーゲン

2. 脂質(血中の遊離脂肪酸)

3. 血中糖質(ブドウ糖)

4. 血中アミノ酸

5. 筋肉中のタンパク質を分解してアミノ酸→糖新生

筋トレ後の有酸素運動は不可か

それでは筋トレ後に有酸素運動すると筋肉の分解が始まるのでしょうか。

先述の通りまずエネルギーとして利用されるのが筋グリコーゲンですからこれが枯渇するかどうかがまず第一の問題になります。

筋グリコーゲンの貯蔵量は個人差があり400gとも600gとも言われていますがアスリートの中には1000g以上の貯蔵が可能な人もいるようです。

仮に400gの筋グリコーゲンがあるとすると糖質ですからそのカロリーは4kcal/gで400×4=1600kcal。

筋トレで1600kcalを消費するとなると大変です。あちこち筋肉痛で下手をすると動けなくなるのではないでしょうか。

私は90分筋トレをしていますがそれはインターバルやダンベル交換を含めた時間なので実質はその半分の45分程度でしょう。そうするとその消費カロリーは350〜400kcal。

その後トレッドミルで60分間傾斜ウォーキングをしていますがカロリーの計測器が付いているのでそれを読むと500kcalです。

そうすると筋トレと有酸素運動を加えても消費カロリーは900kcalで筋グリコーゲンが枯渇するまで1600-900=700kcal残っていることになります。

さらに低負荷な有酸素運動ですので糖質よりも脂質(遊離脂肪酸)の消費が圧倒的に優先されます。

またジムを出るとすぐ定食屋で少し遅い昼食をとってタンパク質、糖質の栄養素をきちんと補給しています。

このようにやり方次第で優先的に筋肉が分解されるような運動を避け、脂質を分解させることができるのです。

もちろん運動自体で筋肉は分解の方にベクトルは向いていることが間違いありませんが筋トレ、有酸素運動でなくとも新陳代謝で筋肉は日々分解と合成を繰り返しています。

余談ですが肝臓にも肝グリコーゲンが100g前後(個人差あり)貯蔵されています。肝臓のグリコーゲンは脳のエネルギー源となり、さらにブドウ糖の血中濃度が低下すると血中濃度を一定に保つためにこの肝グリコーゲンが利用されます。

脳のエネルギー消費は意外に多く120g/日必要になりますが一回の食事で肝臓に蓄えられるグリコーゲンの限度が60g程度で5、6時間しか持ちません。

頭をたくさん使うと甘いものが欲しくなるのはここからきています。

終わりに

筋トレや有酸素運動で筋肉が分解されてタンパク質→アミノ酸→ブドウ糖になるというのはハードな運動を長時間しなければなりません。

先述の筋グリコーゲンが400gあるとするとそれを消費するためには時速6km程度のゆっくりしたジョギングを4時間続けなければなりません。

1gでも筋肉が欲しいボディメーキングをしている人や毎日長時間ハァハァいうジョギングをしている人は気を付けるべきでしょうがそれ以外の人は筋肉の分解(異化)をあまり気にする必要はありません。

運動後にきちんと必要な栄養素を補給すればいいのです。

そのためには普段から自分の新陳代謝量、必要摂取カロリーを知っておく必要があります。

また筋トレ後の低負荷の有酸素運動は脂質の分解に本当に有効です。

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