筋トレ

 

更新: 2020.10.27

筋肉量と筋力の違いと歩行速度による高齢者の生存率

いつもながらジムに行くとおかしな人、見掛け倒しな人に出会います。

最近見かけるようになったその男性もその一人。

身長190cm、体重90kg超の巨漢です。年齢は50歳前後でしょうか。

何度かトレッドミルをやっている姿は見かけましたが、私と目線があった時何かガンを飛ばしてきたような気がしてあまり近づかない方がいい人だなと思っていました。

ある日私が筋トレをしているとこの男性近くのベンチに座ったので何かするのかなと思っていたらダンベルカール。

驚いたのがその重量です。6kgか7kgの軽量ダンベルでやっていました。

さらにその後14kgのダンベルでプルオーバーです。10回程やって「ふぅ〜ふぅ〜」言っていたので驚いた次第。

このガタイで7kgでダンベルカール、14kgのプルオーバーではないだろうと。

しかもたったこれだけで息が切れているんですから。

もう完全な見掛け倒しな人でした。

いつも不思議に思うのが私よりはるかにガタイが大きいのに全然挙上出来ない人が結構多いということ。外国人でもいます。

体重があれば相対的に筋肉量が多いはずなのですが、単純に筋肉量が多ければ高重量を挙上出来るものでもないようです。

筋肉量と筋力の違い

筋力は「どれだけ力を発揮するかを示すもの」であり、

筋肉肥大は「どれだけ筋肉が大きいかを示すもの」です。

筋肉量は「どれだけ一本一本の筋線維が太いかを示すもの」です。

そして筋肉は筋線維+水+脂肪+結合組織の集合体です。

より筋肉量が多ければより高重量を挙上出来ると一般的に言われています。

筋線維の数はわずかしか増えないと言われていますので筋肉量を増やすには筋線維をより太くする方法、つまり筋肉肥大向け筋トレが一般的です。

原則として筋力は筋肉の断面積に比例する」と言われています。

筋肉が大きい→体が大きい→体重が重い となります。

しかし実際はボディビルダーのより体重の軽いパワーリフターの方が高重量を挙上出来ます。

これはもちろん挙上するための技術もありますが筋力の違いが大きいのです。

筋力アップと筋肉肥大の違い

この違いは多分に脳と筋肉をつなぐ運動神経によるのです。

筋肉は脳が筋肉に動けと指令を出して運動神経経由で筋肉はその指令を受けとります。

それで命令を受けた筋肉は筋線維を収縮させて骨格を動かすのです。

しかし普段運動不足の人はこの運動神経の働きが悪いのでうまく脳と筋肉に命令を伝えることができないのです。

したがってたとえ巨漢であろうとも運動不足の人は軽量の重量しか挙上出来ないということが起こり得るのです。

そのため筋トレのビギナーはまず運動神経系のトレーニングが必要になります。

運動神経系のトレーニングというのは繰り返し運動です。筋肉を反復練習(特異性の原則)にて刺激を与えるとその筋肉への運動神経がより早く脳から命令を伝えることができるようになります。

さらにその鍛えたい筋肉だけではなく他の筋肉も動員してその筋肉の負荷を軽くしようとします。そのため他の運動神経も発達するのです。

それによってより多くの神経系と連携して複数の筋肉を使え高重量を挙上出来るのようになるのでボディビルダーのような筋肉は必要なくなるのです。

逆にボディビルダーは神経系の連携ができてくると各筋肉を個別にトレーニングすることによってその筋肉(筋線維)を大きくする(太くする)方が筋肉肥大にとって効率的なので他の筋肉との連動を好みません。

そのためボディビルダーの筋肉はパワーリフターより筋肉が肥大しガタイがよくなり体重が重くなるのです。

筋肉の中身の違い

さらに筋肉そのものの質、つまり「筋質」の違いがあります。

先述の通り筋肉は「筋線維+水+脂肪+結合組織」の集合体ですが、運動不足や加齢により筋肉が劣化してくるのです。

筋線維が細くなりそれ以外の成分が増加するのです。

したがってガタイが良く相対的に筋肉が多いはずの人でも筋肉そのものが劣化している場合があり挙上能力が衰えている人がいるのです。

健康のためには筋力をつけよう

よく高齢者に見られるサルコペニア(加齢による筋肉の減少)が問題になります。

ある国内の研究では、75〜84歳の高齢者の歩く速度とその10年後の生存率を調べた結果、歩く速度は普通(1.4m/sec)以上の高齢者は歩く速度の遅い(0.4m/sec)の高齢者より生存率が3倍高かったそうです。

これは筋力があると歩行速度が速くなるという証明です。

先述の通り筋肉肥大と筋力には違いがありますが、筋肉量を増やすトレーニングをしている過程で筋力もアップすることは間違いありません。

単に筋力アップを望むのであればパワーリフターのような高重量トレーニングが必要になります。

しかしそれは高齢者にはリスキーなので筋肉肥大トレーニングをしながら筋力アップをさせた方が安全と言えるでしょう。

またある程度筋肉がついたら瞬発力を養うプライオメトリックトレーニングも並行してやってみましょう。

このトレーニングには「ジャンピングランジ」「ジャンピングスクワット」などがありますが「縄跳び」もこの部類に入るでしょう。

通常の筋トレ以外にこれらのトレーニングを加えることでより膝が楽に上がることができるようになります。

まとめ

筋肉肥大しなくとも筋力がアップすることはよく耳にします。

初めは筋肉肥大目的の筋トレをしても筋肉肥大しないのに筋力がアップすることが不思議に思っていましたが今ではあり得る話として受け取っています。

・ガタイがよくても筋力があるとは限らない

・「原則として」筋力は筋肉の断面積に比例する

・筋トレ初心者はまず神経系と筋肉の連携をうまくなってから筋線維が太くなっていく

・筋肉肥大がなくとも多くの筋肉を動員することができればより挙上出来るようになる

・高齢者の歩行速度の速い人は遅い人より生存率が3倍になる

・筋肉は加齢や運動不足によって筋肉の中身が劣化する

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