社会

アフリカだけでなくハイチも食いものにしていたフランス共和国

アイキャッチ画像:Photograph by Shaul Schwarz, Getty Images

先月のニューヨークタイムズでハイチの記事(Roots of Haitian Misery: Paying for Freedom)がありました。「ハイチ人の苦難のルーツ:自由への支払い」です。

フランスがかつての植民地であったハイチから莫大な金額を摂取していた事実を暴露した記事で、それ以前フランス経済学者のトマ・ピケティから「借金によるネオ植民地主義」と皮肉られるほどの行為です。

私は以前フランス共和国がアフリカで行っているカツアゲ行為に関してブログ(最後列参照)に書きましたが、今回はハイチでのカツアゲ行為についてザクッと書いてみます。

フランスのハイチ植民地略史

1697年 現在のハイチがフランス領となり「サン=ドマング」と呼ばれる

フランスが黒人奴隷を連れてきて砂糖きびのプランテーションを行う

1804年 フランスから独立を勝ち取り中南米最初の独立国となる

「サン=ドマング」から「ハイチ」となる

1825年 フランス王シャルル10世から独立戦争時にフランス植民地から摂取した農園や奴隷などに対する

賠償金1億5000万フラン(当時のハイチのGDPの3倍相当)を支払わなければ宣戦布告すると脅

され支払いを承認する

1826年 当時のハイチ大統領は支払いを拒否する

1830年 残額1億2000万ドルを6000万ドルに減額が決定

1880年 フランスは仏商工銀行(CIC)にハイチ国立銀行を設立させハイチの国庫を支配させる

CICはハイチ政府に借金させその手数料と利子を吸い上げフランス投資家に何千万フランも儲け

させる

1910年 アメリカナショナル・シティ・バンクがハイチ国立銀行に40%投資する

1915年 米軍がハイチを占領(〜 1935)

ハイチのGDPの25%はナショナル・シティ・バンクの債務返済に当てられる

1947年 対仏賠償完済

支払い総額が現在の価値に換算して5億2500万ユーロとなる

1957年 ハイチの欧米銀行への債務終了

債務の一部はハイチの政府高官の手に渡る

2003年 ハイチ大統領がフランスに対し約217億ドルの返金を求める

2004年 クーデターによりハイチ大統領失脚(裏にフランス・アメリカの存在ありと言われる)

2010年 フランスのサルコジ大統領(当時)が初めてハイチを訪問し3.26億ユーロの支援を約束

2015年 フランスのオランド大統領(当時)が借金を返済すると約束する

2021年 ハイチ大統領が暗殺される

抽象的で胡散臭い国フランス

ニューヨークタイムズによればハイチが支払った総額は現在のドルに換算すると5億6000万ドルに相当し、単純にその総額がハイチ経済にとどまってハイチ国家の成長に使われたのであれば210億ドルに相当すると見積もっています。

そしてこの金額は「控え目な数字でさえある」と経済学者たちは言っています。

今から200年前とはいえよく植民地にしていた国から賠償金を取ろうしたものです。普通は植民地に対して謝罪と賠償金を支払うでしょう。

フランスを始め欧米はこの植民地政策で世界中に植民地を持っていましたが独立後もそれらの国に対して賠償金を支払った国は一つもありません。ドイツが辛うじて「人道的配慮」から一定額を某国に支払ったことがある程度です。

ましてやフランスなどアルジェリアから請求された賠償金を拒否しています。おそらく一国に支払いと次々にかつての植民地に支払わなければならないからでしょう。

あるいは全く罪悪感を感じていないのかもしれません。

かつてフランスは在日フランス大使館の家賃を長年踏み倒してきました。厚顔はフランス人の専売特許と言ったところでしょう。

またフランスは哲学が盛んですがフランス映画やマクロン大統領を見てもわかるように非常に抽象的でセリフや話が長く結局何を言いたいのかわからないところが多々あります。

フランス人は簡潔、単純、質素な話し方が嫌いで言葉さえも装飾してしまうのが好きなのようです。

マクロン大統領などは話が長いだけで内容は何もないと言う話さえ聞きます。

もっとも歴代のフランス大統領も長々と一人で喋っている印象があります。

フランス共和国は未だに世界各地に植民地を持っています。

国土は本土だけで日本の1.5倍ありますが人口は6700万と日本のほぼ半分で、GDPもフランスは世界8位です。

誰もが公務員になりたがり働きたくない国民性を持ち、なぜかやたらと未だに大国意識を持ちプライドが高いのです。

ヨーロッパ諸国などはこのフランス人のプライドの高さにうんざりしています。

他国を食いものにして生活しているフランス国民はこのような実態をどこまで知っているのでしょうか。

終わりに

以前下記のブログを書きました。アフリカの14カ国は自国の通貨を持っていないのでアフリカフラン(CFA=セーファーフラン)を使用しこのシステムによってフランスはアフリカ諸国からカツアゲしているのです。

これだけでも驚いたのに今度はハイチでも同様なことをやっていたとは。

第二次世界大戦までは植民地政策が世界的に認められていましたのでこのようなことがあっても不思議ではありませんが、戦後70年経ってもなお植民地政策をやっている国があることには驚くばかりです。

フランスは本土だけの経済では先進国として国家を維持できないのです。

おそらくアメリカやヨーロッパでも未だ同じようなことが行われているのでしょう。

ロシアのような貧乏国でも未だ大国意識を持ってあのようなおバカな行為をしているのですから欧米でも(太平洋)戦後も植民地政策は当然と思う国があってもおかしくはないのかもしれません。

日本は先進国ですがG7のようになんでも欧米に同調するような国にはなって欲しくはありません。

自分がどこにいるのか立ち位置をしっかり再確認する必要があります。

参考記事:「貧困アフリカ諸国から未だカツアゲしているフランス共和国

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