社会

東海大学野球部部員の大麻使用に伴う大学の対応と世間の反応

アイキャッチ画像:朝日新聞

今年のプロ野球はコロナ禍のせいでイマイチ盛り上がりに欠けたまま終盤に向かっています。

プロ野球にはもう興味のない私にとってはどうでもいいことなのですが、そのプロ野球選手出身者も多く輩出している大学の野球部に不祥事が起こったのです。

大学のスポーツクラブの不祥事なんてよくあることですが、今回は東海大学野球部での出来事。

東海大学野球部部員の大麻使用

硬式野球部部員数名が大学付設の寮内で大麻を使用したことが発覚。

それに伴って大学側では下記の通り「お詫び」を発表しました。

本学湘南キャンパス硬式野球部部員による不祥事に関するお詫び

この度、東海大学硬式野球部において、寮内での大麻らしき薬物使用の疑いがあり、調査の結果、部員複数名の使用が確認されました。

この複数名の寮内での行為を大学としては重く受け止め、同部を無期限活動停止の処分とすることといたしました。

また、昨日首都大学野球連盟に今季リーグ戦残り試合の出場辞退を申し入れ、同日受理されました。

本件は、大麻取締法違反による逮捕には至っておりませんが、継続している警察による捜査に引き続き協力をするとともに、大学としても調査を実施し全容の把握に努めてまいります。

広く東海大学を支えてくださっているすべての皆様の信頼を裏切ることになりましたこと、心からお詫び申し上げます。

本学では、学生に対し薬物の危険性を訴え、指導してまいりましたが、このような事態を起こしたことは誠に遺憾であり、責任を痛感しております。

今後このようなことが決して起らぬよう、全学生を対象に薬物の危険性に関する啓発活動を実施し、再発の防止に全力を注ぐ所存です。

東海大学学長

山田 清志  

上記から特出すべきは下記でしょう。

・「リーグ戦の辞退」

・「無期限活動停止」

この対処に対する各方面からの様々な反応が見られます。

<賛成派>

・大学の監督責任として当然の措置

・連帯責任は教育の一環

・大学の一種のけじめ

・団体行動としての責任の取り方だ

<反対派>

・個人の責任ではなく連帯責任というのは時代錯誤だ

・関係のない選手の将来の道を閉ざす結果になりかねない

・中高生でもあるまいし大学生に連帯責任が教育の一環となるのか

・生徒に対する大学側の24時間の監督は初めから無理なこと

私は東海大学の決定に懐疑的で反対します。

おそらく学校側とすると無難な対応となると考えたのでしょう。これも日本にはびこる「同調圧力」を予期してそれを未然に防ぐために取った措置と言えます。

日本の大学のスポーツクラブは幼稚

私は大学時代はどこのクラブにも所属していませんでしたが、特に体育系のクラブには入りたくはありませんでした。

その理由は大学の体育系クラブが高校の延長だろうと思ったからです。

程度の差こそあれ日本の学校の体育系クラブは軍隊そのものです。

監督やコーチ(指揮官)の命令は絶対です。さらに部活を離れても上官(先輩)の意見は絶対です。時には教育的指導として「鉄拳」制裁もあるのです。

こんなものは教育でもなんでもなく単なる虐待です。もはや犯罪です。

こういった環境の中でいて社会人になっていくと縦社会の日本ではいい塩梅に出来上がります。

それは上司の言うことは何でも良く聞くということです。これは日本組織の中では非常に有効です。いわゆる「イエスマン」の誕生です。

しかしこの手のイエスマンが上司になると「俺の言うことを聞け」だけ言う上司になるのです。なぜこれをしなければいけないのか理論だった説明はできません。

したがって一般の部下は首をひねるしかないのですがそれでも上司なので従わなければと思うのですが話す内容が理解できないことなのでストレスを溜めるばかりとなります。

高度成長時代ならこんな連中でもよかったのですがグローバルビジネスの世界にどっぷり入り込んだ現在ではこの人たちは単に会社の「お荷物」となってしまったのです。

このように徐々にこのようなイエスマンは時代に合わず隅においやられていくのです。

日本の体育系出身者は言葉で上手く説明できない

日本の体育系出身者の全てではありませんが、多くは当然のことながら一般の学生よりもスポーツをみっちりと体で覚えたわけです。

そこにはコーチ、監督の言うことが絶対という日本の軍隊、もっと古くいえば明治時代、特に昭和初期からの学校教育(軍国主義)の習慣が色濃く残っているのです。

したがって相手に上手く言葉で伝えるトレーニングができていないのです。

語彙(ごい)も少なく幼稚になります。

私が通っているジムのスタッフも体育系専門学校か大学の出身者が多いはずです。いろいろなフィットネス関係の資格を持っていますから。

ジムのスタッフでさえ言葉が足りないと思うことをよく感じます。

私はジムには30年近く通っています。筋トレ歴は今年で5年目ですが腰痛対策でプールで水中ウォーキングを毎週末していました。

そのジム歴から見てもジムのスタッフの会話能力のなさを痛切に感じていました。

きちんとユーザーに説明できないスタッフがなんと多かったことか。

未だにうんざりするときがあります。

変わりゆく小・中学生の好きなスポーツ

少年の野球人口が徐々に減少しています。これは以前よりわかっていたことです。野球が減少した分サッカーに流れていったと言われた時期もありました。

しかし今ではまた変化がみられます。

下記は小・中学生の習っているスポーツの順位です。(2018年調べ)

男女総合男子女子
1水泳サッカー水泳
2サッカー水泳ダンス
3テニス野球テニス
4バスケットボールテニスバスケットボール
5野球バスケットボールバレーボール

注)女子のバスケットボールとバレーボールは同順位で4位となります。

やはり男子はサッカーが一番ですが、総合になると水泳が1位になっています。

野球はサッカー、水泳についで第3位です。

ただし、1、2位と比べると3位の野球はその順位の差以上にかなりその人口は減っています。

今後甲子園野球で丸坊主の頭を見て自分もああなりたいと夢見る小・中学生が増えていくとは思えません。

大学に体育の授業は不要

私が大学生の頃には1年のときに体育の時間がありました。非常に驚きましたね。大学になっても体育があるなんて。

かつて日本を代表する建築家の清家清が大学で教鞭をとったとき、大学にグランドがあったのに驚いたそうです。

確か東京芸術大学での話だったと思いますが、「なんで芸術系の大学にグランドがあるのだ。芸術系の学生に体育の授業が必要なのか。」と言ったそうな。

私も同感です。なんで大学に体育の授業があるのか全く理解できません。

今の大学はどうなってるのでしょうか。やはり体育があるのでしょうか。あるとすれば40年前から何も進歩していないのですね。

大学に体育の授業は全く不要です。

まとめ

・大学のクラブでの部員の不祥事に対して連帯責任を押し付けるのは不当です。

・時代錯誤もいいところです。

・大学生であるならば部員の不祥事はその個人に完結させるべきです。

・日本の体育系クラブは未だに日本の軍国主義を色濃く残しています。

・いい加減に体育系クラブ生徒への丸坊主の義務付けはやめるべきです。

・日本ではもう野球少年は減少の一途です。

・日本の体育系クラブ出身の社会人はイエスマンが多く語彙が不足しています。

・大学に体育の授業は不要です。

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