アイキャッチ画像:食品産業新聞社ニュース
本当に困っている人たちに30万円支給しようとした自民党は公明党の横槍(?)で特別定額給付金という形で一律10万円の支給となりました。
これは私のような単身者であれば10万円、5人家族であれば50万円支給されるということです。
以前私はブログの中で特別支給は公務員、年金受給者、生活保護者など安定して公金が支給されている人は除いた方がいいと言いましたが見事にバラマキになってしまいました。
それにしても世界第3位の経済大国日本は本当は非常に脆い経済基盤で成り立っているということが露見したのではないでしょうか。
目次
本当に支援金が必要な人たち
政府が外出自粛、休業要請するのであれば日銭を稼ぐことで生活している小規模事業者を含む中小企業に手厚い保護をすべきなのは周知の事実です。
家賃さえ払えないお店も多数あるのです。
これらのお店、企業を保護することで非正規社員、パート・アルバイトの人たちばかりか正社員まで解雇されることなくなんとか生き残ることができるのです。
さらにアルバイトでようやく学校に行くことができる高・大学生もいるでしょう。彼らに対しても支援金支給などの援助が必要です。
またリーマンショック以降大手企業は社員の給料を上げず利益の多くをを会社にプールしているのですからこの時のために社員に長期在宅勤務・有給休暇を与えそれらで生じる損失をプールした金で補てんすればいいのです。
どういう人が支給されるのか
それではバラマキになってしまった10万円は具体的にどういう人の支給されるのでしょうか。
住民基本台帳(住民票)を持ってる日本人
さらに現在海外在住の140万人超の日本人も住民票があれば支給の対象になります。
外国人
住民票があり国内滞在期間が3ヶ月を越えれば問題なく支給されます。
ホームレス・ネットカフェ難民
東京にはホームレスがおよそ10,000人、ネットカフェ難民が4,000人いると言われています。
こういった人たちも住民登録してる市区町村で給付が可能です。また登録が抹消されている場合がいずれの自治体で再発行が可能。
しかし、この人たちは住民票があるところまで行く交通費がないのではないでしょうか。ネットカフェ難民の人たちはあるかもしれませんがホームレスはないでしょうね。
どうしたら受給できるか
各市区町村が郵送で各世帯に申請書を送りそれに返信すればok。
もしくはオンライン申請(マイナンバー必要)でもok。
支給開始日
5月から。
新型コロナで露見した危うい日本の経済基盤
それにしても日本経済は新型コロナに弱すぎるという声があります。
安部首相提唱の3本の矢はとうに折れているのですが、過去の華々しい外交術から見ると安部首相は何をモタモタ・オタオタしているのかと感じます。
日本の脆弱な経済力がわかっているので焦りまくっているのかもしれません。
そうだとすればなぜ日本の経済力はかように脆弱なのでしょうか。
日本の企業の99.7%が中小企業
日本の中小企業数と従業員数は総数のそれぞれ99.7%と70.1%を占めます。
その中でも小規模事業数が圧倒的に多いですね。
やはりこの事実が一番大きいと思います。中小企業が多いということは日銭企業が多く1ヶ月程度の休業でも倒産につながる深刻なダメージを与えてしまうのです。
政府も中小企業(小規模事業者を含む)に支援をしている(しようとしている)ようですが如何せん支援金額が小さいのと対応スピードが遅いのが問題となっています。
大手の下請・孫請(2次、3次、4次など)会社も多く体力のある大手がちょっと休業すれば体力のない下請以下の中小の会社は直ぐ大きな経済的影響を受けてしまうのです。
さらにこういった中小企業には労働力が集中しますが、労働者はその対価として「低報酬」「長時間労働」「非正規社員」といった不安定な雇用条件のもとで働いているのが実態です。
これでは新型コロナウイルス対策に対してダイレクトに影響を受けるのは当然です。
以前から中小企業同士でお互いの技術的長所短所を補完するようなビジネスをするコンサルタント会社はありますがどこまでそれがうまくいっているかは疑問です。
大手企業の強い影響を受けずより安定した経営をするためには中小企業同士の結束・統合が必要なのではないかと思います。
GDPの70%を占める日本のサービス業は生産性が悪い
サービス業にはコンビニ、ホテルなどの宿泊業、理美容業、レンタカー業、通信業などが入りますが、その割合はGDPの約70%を占めさらに国内の総従業員数の70%強をカバーしていると言われています。
しかも上記の職種から見てもサービス業は中小企業の割合が多いのです。
加えてこのサービス業が日本の製造業と比べても他の先進国と比べてみても生産性が非常に悪いのです。
考えられる主な理由は下記の通りです。
・製造業に比べてもの作りの基準があいまいである
・非正社員が多くスキルアップする機会もないのですぐ転職してしまう
・単純作業が多くやる気をなくす
・IT化が他業種に比べて遅れている
・他国に比べて「サービス」の報酬が低すぎる
などが考えられます。
サービス業のこれらのデメリットをなくさない限り日本経済はいつまで経っても生産性の低い脆弱なままでしょう。
幸福感のない日本人
こういった日本の産業構造を変えない限り今回ほどでなくとも何か災害(自然災害・経済危機)が起こるたびに真っ先に多くの中小企業が倒産の危機に見舞われるのです。
先進国の日本では「今幸せと感じる」「夢がある」「自国の未来はもっと良くなる」と感じる日本人が非常に少なく、むしろ貧富の差が激しい発展途上国の国民の方が「今幸せと感じる」「人生は楽しい」と感じているのです。
日本企業の99.7%が中小企業でありそこで働いている人たちから見れば日本に「明るい未来」は感じないのです。
働けど働けどお金が貯まる訳でもなく無理して買った住宅のローンの返済も子供に託す始末。より良い生活など考える暇もなく年をとっていくわけです。
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