社会

2021年ノーベル物理学賞の真鍋淑郎さんが日本に帰りたくないわけ

アイキャッチ画像:共同通信

2021年のノーベル物理学賞に米国プリンストン大学上席研究員で気象学者の真鍋淑郎さんが受賞しました。

おん年90歳。ご本人も自分が受賞するとは思っても見なかったらしい。

気象学でノーベル物理学賞とは非常に珍しいようですが、気象変動の先駆的な研究は気象研究者の間では有名でコンピューターを駆使し地球の大気全体の流れをシュミレートする機構数値モデルを開発した学者なのです。

東京大学の大学院を出てまもない1958年に当時のアメリカ国立気象局(現アメリカ海洋大気庁)に請われてアメリカに渡って研究を始めます。

そしてアメリカの国籍を取ったのは1975年。

つまり彼は元日本人で現アメリカ人なので日本人がノーベル物理学賞を受賞したわけではありません。日本としてはカウントされていないのです。

それでも日本のメディアや政治家は日本人が受賞したと大騒ぎです。

過去に米国籍でノーベル賞を受賞した元日本人に南部陽一郎さんや中村修二さんらがいます。

この真鍋淑郎さんの記者団との会話に非常に興味深いものがありました。

「日本人はいつもお互いのことを気にしている」

「日本人はyesかnoかの答えでyesと言っても本当にyesかどうかはわからない」

「日本は調和を重んじる関係性を築く」

「私は周りと協調して生きることができない。それが日本に帰りたくない理由の一つ。」

これって要約すると

「日本には同調圧力があって言いたいことも言えない雰囲気がある」

「空気を読むようなことは自分にはできない」

と言っているのに等しいのです。

多くの日本人は彼の意見に同意しても同調圧力は無くならないのです。

なぜなら変化を好まない国民性ですから。

人の顔色ばかる伺っている日本人。

私が以前からブログでも何度か投稿しているようなことを真鍋さんも感じているのです。

私も真鍋さんほどではないでしょうが「空気を読めない」人間です。もしろ「空気を読みたくない」と言っていいかも。

かねてより日本人ノーベル賞受賞者のみならず多くの研究者が指摘しているように現在大学を含む日本の高等研究機関では短期に成果を求める実利主義がはびこっており基礎研究をおろそかにしています。

研究費も削減されとても研究しずらくなりつい最近日本を出て豊富な研究費を約束する中国の大学に渡ってしまった日本人ノーベル賞受賞者もいるくらいです。

研究費削減と同調圧力と官僚主義の三重苦の日本人研究者は今後日本で研究開発を続けていけるのでしょうか。

甚だ疑問です。

やはり日本も多額の寄付金を当てにするしか手立てはないのかもしれません。

今現在それを実行しているのか京都大学の山中教授ですね。盛んに寄付金の運動をしておりユニクロ会長の柳井さんから100億円の寄付金をゲットしました。

どんどん民間企業から寄付金がもらえるように研究者ももっとアピールする必要があるでしょう。プレゼンが苦手な研究者もいるでしょうかそういう時は専門家に任せれば済むことです。

アメリカがなぜダントツにノーベル賞受賞者が多いのかと言えば、それは豊富な研究費につきます。

間も無く日本の首相になる岸総裁は年間3000億円を大学の研究機関に分配するような発言をしているようですが桁が間違っています。

アメリカでは一つの大学で数千億円もしくは兆がつく年間研究費があるのですから。

筋トレで例えれば言えばダンベルとバーベルしかないジムを日本とすれば、アメリカはダンベル、バーベルはのみならず豊富なマシンを揃えさらにプロティンやビタミン剤などのサプリも無償で提供するジムがたくさんあるということです。

いくら日本人が真面目に筋トレに取り組んでもこれではアメリカ人の方が遥かに筋肉肥大の効果で優ってしまうのです。

もっともGNPから見ても日本とアメリカを比べる方が間違いというものでしょうか。

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