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加齢にしたがって(あるいはそうでなくても)登山、トレランやマラソンで膝を痛める人は多いのですが、その膝痛が膝関節そのものによるものとは限りません。むしろ膝周囲の筋肉、腱、靭帯の痛みという場合が多いのです。
しかし、ここで下記の条件を列記するとその痛みは圧倒的に膝関節そのもの、それも「変形性膝関節症」である場合が多いのです。
目次
変形性膝関節症になりやすい人
・女性
・高齢者
・O脚
・長年膝を酷使する仕事・作業をしてきた(登山、マラソンなど)
・肥満
・ねんざ、骨折をしたことがある
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は簡単に言うと膝関節内の大腿骨と脛骨の間にある半月板が損傷することで大腿骨と脛骨が直接接触しその軟骨がすり減ってその破片が周囲の膜を刺激して炎症を起こす病気です。多くは膝関節の内側がすり減りO脚の脚になります。
一説には全国に変形性膝関節症の人は推定2500万人おり毎年200万人近く増えていると言われています。特に65歳以上でその数が急増しているのです。
私は上記でO脚であることと膝を酷使というほどではないのですが、筋トレと登山が趣味なので膝は一般の人より使っています。50代後半になって登山を始めたて間も無く左膝外側の腸脛靭帯を痛めたのでその靭帯をカバーすべく筋トレを始めました。
しかし、最近になって山へ行く頻度が多くなると今までになかった膝裏の外側と内側に痛みが残るようになりました。
変形性膝関節症は筋力の弱った高齢者に多いとは知っていましたが、ひょっとして私も将来変形性膝関節症になるのではないかと不安を覚えてきたので色々調べる気になったのです。
そもそもO脚とは何か
一般にO脚を簡単に言うと「両足のくるぶし(かかと)をつけて直立すると両膝間に隙間ができる状態」です。
もっと専門的に言うと「大腿脛骨角*が180°以上ある状態」で、正常値は170~175°となります。
*大腿腓骨角=大腿骨軸と脛骨軸のなす角度
下記イラストでは内反膝=O脚であり、外反膝=X脚となります。ちなみにX脚は大腿腓骨角が165°以下の状態をいいます。
内反膝(O脚)は脛骨(下肢)が内側に反っている(内反)ためそう言われます。
O脚が変形性膝関節症になりやすい理由
日本人の骨格の長さ・付き方、靭帯の位置や筋肉の走っている方向にはどれも特徴があるのでO脚になりやすいと言われています。
特に日本女性にはO脚が多いのです。
登山でO脚は膝を痛めやすいことは知っていましたが登りで山道や木の階段を先行して歩いている登山者を見るとつま先が外側を向いている、つまりガニ股の人が結構いるのに気づきます。この逆ハの字で歩き方は確かに急な登りでの歩き方の一つではあるようですが、階段の昇降でもつま先が外を向いた歩き方というのはやはりその人の骨格・関節・筋力のバランスの問題です。
下山時にO脚の人は膝の外側の靭帯・筋肉を損傷しやすいのです。その中で多いのがいわゆる「腸脛靭帯炎」ですが詳細は別記事に明記していますのでそちらをお読み願います。
今回は膝関節内部の損傷の話です。
上記のイラストのようにO脚の場合膝の内側に体重がかかるので膝関節内部のパーツ、特に大腿骨と脛骨のクッションの役目をする半月板の内側を損傷しやすくなるのです。
半月板の内側を損傷すると今度は直接大腿骨と脛骨が接触するので軟骨でできているその接触部分は磨耗しすり減っていきます。半月板この部分の軟骨には自然治癒力はありませんので一度損傷すると治癒することはありません。
登山の下山時にドタドタ歩いたりテント泊などで重いザックを背負ったりすると膝に負荷がかかります。それらを長年継続するとO脚の人の場合は膝関節内部の内側が損傷してしまう可能性が高いのです。そのため登山中の突然膝痛を起こしたりする場合も出てきます。
そしてそれをそのままほっておくと加齢により体のパーツは経年劣化しますので変形性膝関節症を引き起こしてしまう可能性が高くなってしまうのです。
変形性膝関節症はO脚、高齢者、女性とは限らず若くても長くマラソン、トレラン、登山などをしている人もなりやすい病気となっています。
これは単に膝の酷使だけにとどまらず、姿勢や歩行・走行の仕方によって引き起こされる場合もあります。
O脚の人が変形性膝関節症になった場合さらにその両膝の開きが大きくなります。
変形性膝関節症を発症した登山者の対処法
それではすでに整形外科などで変形性膝関節症と言われて登山者はどういった対処をしているのでしょうか。
・ヒアルロン酸の関節内注射(高齢者に多い)
・伸縮性スポーツタイツの着用
・膝サポーターの着用
・キネシオロジーテープを貼る(登山時以外でも貼る)
・筋トレ(特に大腿四頭筋)
・ステロイド剤の服用・注射
・急性期は冷湿布、アイシング
・整形外科などの医療期間への定期検診
・ストレッチ
・グルコミンサン・コンドロイチンの服用
こういったことが変形性膝関節症を発症した登山愛好家によって対処されています。効果のほどは人によって個人差があります。
変形性膝関節症にならないために
私は薬物注射をしてまで登山をしたいとは思わないのでそうなる前に対処すべき方法としては下記をあげておきます。
筋トレ
大腿四頭筋はもちろん、大臀筋、中臀筋、ハムストリングなど下半身だけでなく上半身の筋肉もバランス良く鍛えることが必要です。週3回のジムで全身を鍛えています。
ストレッチ
加齢になればなるほど運動後のストレッチは体のメンテは必要と実感します。特に下半身のストレッチは入念にしましょう。私はハムストリング(太ももの後ろ側)が硬いので特にここを意識するようになりました。以前筋トレ後10分程度の静的ストレッチでしたが今は最低20分かけています。
特に筋膜リリースは効果的と実感しています。
休息日を設ける
休息日をきちんと設けて無理をしない。高尾周辺の山であれば天候によりますが毎週行っても問題ないのですが2か月近く毎週行っているとやはり膝周辺の筋肉疲労が残ってしまいます。週3回のジムと週1の山では筋肉疲労が回復しないのでしょう。体が疲れている時は心が動いても休むようにすべきです。
キネシオロジーテープを貼る
登山前にキネシオロジーテープを貼ると筋肉痛が緩和します。伸縮性タイツは持っていますが、どういうわけか一度も使用したことはありません。たぶんこれに頼りたくないということととビッタリタイトなのが苦手なのかもしれません。
今やこのテープは保険のようなものです。
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