筋トレ

筋肉肥大にはパーシャルよりもフルレンジの方が効果が大きい理由

私は筋トレ歴7年目ですがジムでは必ずと言っていいほど無理な重量で挙上している光景を目にします。

多くはベンチプレスとバーベルスクワットで見かけます。

100%男性です。

これは初心者だけでなく中級者にさえ見受けられる行為です。

それは何故でしょうか。

パーシャルリフティングは男の見栄

いわゆる男の見栄なのでしょう。

特に周囲に同じように筋トレをしている人がいると見栄を張りたくなるのです。

私はシニアになってから筋トレを始めたのでそれほど見栄をはる必要はありませんでした。

つまりオスのホルモンがムンムンしている年代ではなくなっているからです。

やはり見栄をはる男性は若い人の方がより自分がオスとして周囲の男性(オス)を十分に意識してしまっているのです。

いわゆる自意識過剰です。

例えば3台あるパワーラックで両サイドのパワーラックで筋トレをしている男性の間に途中から空いている中央のパワーラックでベンチプレスをしようとする若い男性がいます。

両サイドの男性はマッチョではないけどもどうも筋トレ歴がそれなりにありそう。

ここで80kgにバーベルをセット。トップポジションから胸元まで下ろすことができずパーシャルでやっと数回挙上。それも左右の腕が震えバーが揺れながらやっと。下手をするとギロチンです。

調子が悪いなという感じで首をポキポキ左右に傾け何気なくプレートを一気に20kg外し 60kgで再開。ゆっくりフルレンジ。そして静かに去って行きました。羞恥心を隠して。

もう完璧にあるあるです。もちろん彼にはドロップセットをやっているつもりはありません。

スクワットでも80kgバーベルを最初から膝をほとんど曲げないクォータースクワットをする人がいます。最初から最後までクォータースクワット。もちろん追い込みではありません。

大腿四頭筋や大臀筋を鍛えるのであればパラレル(太もも前面と床が平行)かフルでなければ効果が薄いのにです。

そしてチラチラと前面の壁にある大きな鏡を通して周囲を見ます。

自意識過剰の何者でもありません。周囲の目を気にしすぎです。

一体何をしたいのか、本当に筋肥大を狙っているのか本人にもわかっていないのです。

こういう人は一歩間違えばケガをしてしまうので非常に危険です。

パーシャルリフティングに何を期待する?

中級者以上のトレーニーでも高重量でパーシャルリフティングをする人が結構います。

パーシャルレップ法という言葉さえあります。

おそらくこれは高重量を挙上できるので感覚的に自分の筋肉に効くと考えているのです。

また実際に可動域を限定するとフルレンジよりも高重量を扱えることは事実です。

その理由は筋繊維を分解するとアクチンとミオシンという筋タンパク質になります。

この2つの筋タンパク質が最も重なり合う筋肉の長さを「生体長」といい、筋肉がこの生体長にあるときが最も力を発揮できるのです。

例えばダンベルカール(アームカール)のフルレンジは0〜140°(肘を伸ばし切る〜肘を曲げ切る)ですが70°あたりが上腕二頭筋が一番力を発揮できるところと言われています。

つまり70°あたりで小さくパーシャルリフィティングをすると高重量が扱えるというわけです。

物理的には仕事量から言えば重量と移動距離の積が大きければ大きいほど(筋肉の)仕事量は大きくなります。

したがって移動距離が小さい(可動域が狭い)分、高重量で補えばそれなりの仕事量になるはずです。

そのため中級者以上のトレーニーの間でパーシャルリフティングが行われるのです。

しかしいかに高重量を扱えてもパーシャルリフティングで本当に筋肉肥大に効果はあるのでしょうか。

筋肉肥大にはパーシャルレンジよりフルレンジが効果大

筋肉には収縮と伸張(ストレッチ)があってその両方が十分にできて筋肉肥大が起こります。

さらに関節の可動域も筋肉肥大に関与するので複雑です。

パーシャルにすると関節の動きが限定されフルレンジに比べて本来筋肉肥大には貢献できないのです。

つまり筋肉肥大=強度(重量)x 回数 x セット数 x 関節の可動域 となるのです。

これは海外の実証データから明らかになっています。

それにも関わらず最初からパーシャルリフティングをする人が後を立たないということはそこになんらかのメリットがあると錯覚しているとしか言いようがありません。

つまり「高重量信仰」です。

また追い込みのときパーシャルをする人がいますがこれも本当に筋肥大に効果があるのか私は懐疑的です。

あるいは関節を痛めている、もしくは痛めたくないからパーシャルでやっている可能性もあります。

筋肉よりも肩、肘、膝などの関節の方が壊れやすいからです。

フルレンジでの筋トレはパーシャルよりも関節を痛めやすいのですから。

ただパーシャルは筋肉肥大というよりも高重量を扱うため筋出力を大きくし神経系を発達させることには貢献するかもしれません。

脳と筋肉をつなぐ運動神経が発達しないと筋力アップはしません。したがって筋力アップのためにパーシャルをするというのであれば少しは理解できますが。

終わりに

ジムでときどき見かける70歳前後の高齢者が高重量でダンベルプレスをよくやっています。その全てがパーシャルリフティングで挙上範囲はボトムからではなく中間から20cm程度の挙上です。インクラインでは10cm程の挙上。

これで本当に効果があるのかはなはだ疑問なのですが24〜40kgまでのダンベルを使い分けて丁寧にやっています。

体形はマッチョとは全然言えないのですがかなりベテランの感じを受けました。

たまたまその高齢者がロッカー室で私に背を向けて着替えていたところに出くわしたことがありますが裸の上半身を前屈みにしたとき広背筋が逆三角形に広がったので大変驚いた記憶があります。

少なくとも筋トレ歴15年以上でしょう。

筋力の現状維持のためにやっているのか関節の負担軽減のためなのかわかりません。

しかし少なくとも初級者、中級者はパーシャルよりもフルレンジで筋トレをするのが筋肉肥大への近道だと心得ておいた方がいいでしょう。

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