アイキャッチ画像:映画.com
新宿伊勢丹裏のテアトル新宿で「ケイコ 目を澄ませば」を観てきました。テアトル新宿は超久しぶりす。結構マイナーなクセのある映画を扱っています。昔はよくお世話になりました。
午後の時間帯でしたが客の入りは90%ほどでかなり入っている印象でした。
「ケイコ 目を澄ませば」のザクッとしたあらずじ
生まれつきの難聴な女性ケイコがホテルの客室係の仕事を得ながら老舗だが老朽化したボクシングジムに通ってトレーニングする姿を追います。
ジムの会長に三浦智和、その妻に仙道敦子が出演して脇を締めています。
しかし物語はあくまでも淡々とした感じで特に盛り上がるシーンはなくあるとすればプロの試合で1回目は辛くも勝ち2回目はノックアウトで負けるシーンでしょう。
トレーニングをしても次第に戦意がなくなっていくケイコ。一度ボクシングから離れようとしますが、ボクシングジムの閉鎖、ジムの会長の緊急入院、会長をはじめジムトレーナーたちの熱意ある姿によって2回目の試合に挑みますが残念ながら敗退。
しかし川の土手でぼ〜っとしていると作業服を着た試合の勝者らしき女性が近づいてきて「ありがとうございました」と挨拶して去っていく姿を観て何か感じるものがあったようです。
ざっとこんな感じなのですが振り返って考えても淡々とした物語で拍子抜けするほど感動的なものはありませんでした。
ひょっとしたらもともとそんな映画作りだったのかもしれません。
どれだけボクシングの練習を積んだのか見せたかったのか
主人公を演じる岸井ゆきのはこの映画を撮影にあたって数ヶ月ボクシングのトレーニングをしていたようです。その甲斐あってかリングでのコンビネーショントレーニング、縄跳び、ステップの取り方などはかなり練習をしたんだなと感じさせるものがありました。
ひょっとして監督はこれを見せたかったのかもしれません。
三浦友和も彼女と一緒にトレーニングしたようですが映画ではその影すら見えませんでした。あるいは脳梗塞一歩手前の老化で緊急入院する羽目になるほどの老人ですのでわざと下手に演じたのかも。
いずれにしても「はぁ〜」といった感じの映画で特に可もなく不可もない映画でした。
この映画は元ボクサーの小笠原恵子の自伝「負けないで!」をもとにした映画です。
古いボクシングジム自体に漂う刹那的な雰囲気は感じました。
映画レビューでは結構感動ものとして書かれたものが多いのですが私自身はイマイチ乗ることができませんでした。もちろん駄作とは思っていませんが役の中の誰にも感情移入ができなかったのです。
それにしても都内の川がよくシーンに出てきますが彼女の心情を浄化させるのでしょうか。音が聞こえないので川の音、風の音は全く聞こえないはずなのですが「目を澄ませば」聞こえてくるのでしょうか。
なんだかお寺を思い出させました。そう、お坊さんの修行のようです。
明鏡止水の心境です。
終わりに
主人公はたくさんボクシングの練習をしたんだろうなと思わせる映画でした。でもそれだけ。
きっとボクシングをやってサンドバックを叩いていればスカッとして何もかも忘れることができるのに違いありません。
難聴による生活の不自由さ、対人関係の面倒臭さなどボクシングをやっている時間だけはそれを忘れさせてくれるのでしょう。
私もジムで筋トレをしていなければかなりストレスが溜まっていたに違いありませんから。
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