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新型コロナによる外出自粛以来自宅にこもる習慣がついてつい長時間パソコンやスマホの見過ぎるということはないでしょうか。
あるいは私のように毎日喫茶店に行ってパソコンをいじっている人も多いのです。
また会社員がテレワークで自宅で仕事しようにも狭いし、子供がいてうるさいので喫茶店やシェアルーム(co-work office)などで仕事をするパターンも以前より多くなって今後さらにその傾向が強くなるでしょう。
そんな時喫茶店ではテーブル席が会社のデスクより低い高さであったりノートパソコンがデスクトップの大型画面より小さいので前のめりにになって画面を覗いたりするようになるケースが増えているのです。
猫背と前肩(巻き肩)
このように前のめり、前かがみになって長時間画面を見ていると肩甲骨が外転し肩が前に出てきます。これがいわゆる「前肩」(巻き肩」)と呼ばれる「猫背」の一種です。
猫背は背中が丸くなる姿勢の総称です。
一般に猫背は老化によって起こりやすくなります。つまり加齢により筋肉が低下し体の前面と後面の筋肉のバランスが崩れてくることによって起こるのです。
しかし若い世代でも先述の長時間の前かがみの姿勢によって猫背になりやすくなります。
また猫背、前肩の姿勢は非常に実年齢以上に老けて見られるだけでなく様々な障害を起こしやすくなります。
ちなみに前肩(巻き肩)である目安のひとつとして両手を合わせて両腕を真っ直ぐ頭の上に伸ばした時に両腕が両耳の後ろまで来るかどうかで判断します。
もし耳の前までしか両腕が上がらないのであれば前肩と判断します。
猫背による障害
・腰痛
・背中の痛み
・首の痛み
・頭痛
・胃腸障害
・四十・五十肩
・肩こり
・呼吸障害
猫背の原因
ここで整理します。猫背は姿勢の問題でもありますが実際にはそのような姿勢になるには筋肉のバランスの悪さから来ています。
具体的に言えば、
・肩甲骨の外転
・肩関節の内旋
の状態が猫背の姿勢と言えます。
つまり猫背になるということは肩甲骨の内転、肩関節の外旋に関与する筋力がそれぞれの外転、内旋する筋力より弱いことが原因となります。
ちなみに肩甲骨の外転、肩関節の内旋の動きはそれぞれ下記の通りです。
肩甲骨の外転
肩関節の内旋・外旋
猫背には背筋(広背筋)を鍛えるべきという勘違い
さてここから本題です。
前回ブログで拮抗筋について書きましたように拮抗筋は筋肉運動で互いに反対の動きをする筋肉を言います。
肩甲骨の外転・内転と肩関節の内旋・外旋に関与する筋肉はそれぞれ下記の通りです。
つまり下記は互いに拮抗筋となっています。
<肩甲骨の外転に関与する筋肉>
前鋸筋、小胸筋
<肩甲骨の内転に関与する筋肉>(→外転の拮抗筋:弱いと猫背になりやすい)
僧帽筋(中部)、菱形筋
<肩関節の内旋に関与する筋肉>
大胸筋、広背筋、大円筋、三角筋前部、肩甲下筋
<肩関節の外旋に関与する筋肉>(→内旋の拮抗筋:弱いと猫背になりやすい)
三角筋後部、棘下筋、小円筋
注)赤文字は背中の筋肉です。
一般に猫背は体の前面にある大胸筋が広背筋などの背筋に比べて筋力が強いので肩が前側に引っ張られて起こる現象と言われてきました。
したがってもし大胸筋の筋力が広背筋のそれより強ければ猫背になりやすいというわけです。
そうすると一般的に猫背を防止するためには広背筋を含む背筋を鍛えると良いということになります。
しかしそうではないのです。
先述の通り猫背の原因は、肩甲骨の内転と肩関節の外旋に関与する筋肉の力がそれぞれの外転、内旋に関与する筋肉の力より弱いからだと書きました。
とすれば、鍛えるべき筋肉はそれぞれの拮抗筋である肩甲骨の内転、肩関節の外旋に関与する筋肉です。
確かに肩甲骨の外転に関与する筋肉は前鋸筋と小胸筋で体の前面にある筋肉でその鍛えるべき筋肉はその拮抗筋である僧帽筋中部と菱形筋でどちらも背中の筋肉です。
しかしより強いはずの肩関節の内旋に関与する筋肉には広背筋と大円筋という背中の筋肉が入っています。
つまり背筋を鍛える筋トレで広背筋や大円筋を鍛えてしまうと猫背の矯正に制限をかけてしまうということになります。
猫背を矯正する筋トレ
整理すると猫背を矯正するために鍛えるべき筋肉は下記の通りになります。
・僧帽筋中部(背中)
・菱形筋(背中)
・三角筋後部
・棘下筋(背中)
・小円筋(背中)
ほとんど背中の筋肉ですが間違っても広背筋を鍛えないことが大切です。
エクスターナルローテーション
鍛えられる筋肉: 棘下筋、小円筋
- チューブを使って
30回x2〜3セットでいいでしょう。
2.ダンベルを使って
ダンベルは軽量で20回x3セット程度でいいでしょう。
注意事項
ベントオーバーロウでは僧帽筋中部・下部と菱形筋を鍛えることができますがよほど筋トレのベテランでない限り広背筋も同時に効いてしまいますので猫背の方には推奨できません。
懸垂でも僧帽筋中部を鍛えることができますが慣れないとやはり広背筋や大円筋に効いてしまいます。
もし懸垂をやるとするならばナローグパラレルグリップかVバーグリップが僧帽筋中央部を鍛えることができるでしょう。
懸垂で肩甲骨を寄せる(内転させる)と僧帽筋に効き、肩甲骨を寄せないと広背筋や大円筋に効くと覚えておくといいでしょう。
まとめ
肩こりから始まってナローパラレルグリップの加重懸垂のやりすぎ、僧帽筋上部の筋肉痛、ストレッチ、拮抗筋と来て今回猫背、前肩(巻き肩)ときました。
この一連のワードはいずれも最初から念頭にあったのですがとても一回のブログで書ききれるものではなかったので分割して書かせていただきまいた。
残りの人生のライフワークである筋トレですが色々問題が出てきてその対処に四苦八苦しています。
自分の身体に異変が起きるとその問題が老化によるものかどうかも判断材料にしなければならない年齢というのは悲しい気持ちもします。
しかし老化は誰もが通る道でありシニアのボディビルダーの中には膝の手術をしてもすぐまた下半身の筋トレをする猛者もいらっしゃるようです。
とても私のような軟弱な人間には無理な話ですができる限り筋トレが出来る人生でありたいと思っています。
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