健康

運動嫌いな高齢者は間違いなくサルコペニア予備軍である!

昨日喫茶店でブログを書いている時、通りを歩く腰の曲がった70代中頃と思われる男性高齢者がリュックを背負いストックを使っておぼつかない足取りでゆっくりと歩いて行く姿を見かけました。数歩先を行く女性は連れ合いだったのでしょうか。

ストックは登山で使われるタイプで先端にラバーキャップが付いています。街中ではタウンリュッックやタウンウエアに登山メーカーの製品が使われるのがもう一般的になってきましたが、この登山用ストックも高齢者用杖として使用されています。

さて上記の男性高齢者はなぜストックを使わないと歩行できないのでしょうか。同年代でもストック、杖など全く必要としないで歩行できる人はいます。

「運動嫌い」「散歩が一番の運動」の高齢者はサルコペニア予備軍

60歳以降、特に65歳以上の高齢者で「運動が嫌い」「散歩が一番の運動」と言っている人はサルコペニアの予備軍になって歩行困難などのリスクが高くなります。

高齢者の10%前後はサルコペニアであり特に75歳以上はその数は急増します。さらにもうすぐ3人に1人が65歳以上の高齢者となる老人国日本ではさらにその割合は増えるでしょう。

サルコペニアというのは「加齢に伴う筋肉量の減少」と言います。

サルコペニアになると下記の危険が高くなります。

・歩行困難と骨折

・着替えなど日常生活の動作が困難

・糖尿病、感染症

サルコペニア肥満(筋肉量減少+体脂肪増加→隠れ肥満

・死亡率が高くなる

加齢による男女の体形の変化

男女共20歳前が筋肉量のピークでそれ以降筋肉量が減少していくのです。特に70歳以降は急激に減少していきます。運動を全くしてこなかった、運動嫌いな高齢者は自分では気がつかないうちに驚くほど筋肉量が落ちています。

上記で「男女共20歳前」と言いましたが一般的に男性は18歳程度、女性は15歳程度が筋肉量のピークだと言われています。

そしてこの筋肉の減少は体形にも現れます。

<男性>

腕と脚の筋肉量の減少が目立ちます。特に下半身の筋肉量は全身の約70%を占めるのでそれが顕著に現れます。またお腹周りの脂肪の増加も目立ってきます。

<女性>

筋肉量の減少もさることながら男性よりも脂肪の増加が顕著になります。部位としてはやはりお腹周りが一番ですが女性は全身に脂肪がつき全体的に丸みを帯びた体形になります。

サルコペニアの原因と対策

サルコペニアは加齢による筋肉量の減少のことですからその原因は体を動かさない、筋肉運動をしなかったということに尽きます。

サルコペニアを防ぐには筋トレ(これが一番)、ジョギングを含むなんらかのスポーツを継続的にする必要があります。

一番簡単なのは自宅でもできるスクワットですが低山の登山(東京では高尾山周辺や奥多摩周辺)が下半身の筋肉のみならず心肺機能も適度に鍛えてくれ、さらに自然に触れることでリフレッシュできるでしょう。

ジョギングでもある程度の筋力はつきます。また自転車や水泳もオススメです。水泳では積極的に脚を動かしましょう。

高齢者が好きな野生植物や野鳥などが山ではたくさん繁殖しています。これを観察するために行くだけでも下半身は鍛えられるのです。

「無理せず」「継続的に」運動することが非常に大切になります。ジムや公共のスポーツセンターを覗くと高齢者がたくさんいます。

また食事面でも筋肉の材料となるタンパク質の摂取が不可欠ですが、タンパク質だけを摂取しても筋肉が増加するわけではありません。ビタミン、ミネラルといった筋肉合成に必要な物質も合わせて摂取する必要があるのです。

そのためにはタンパク質を多く含む食品を意識して多めに摂取し脂質、糖質を少し抑えめにして摂取することが大切です。

タンパク質は何も豚や牛の肉とは限りません。卵、納豆、油揚げ、豆腐、大豆類、鶏肉(ささみ、胸肉)、青魚類(フィッシュオイルがたくさん含まれています)を意識して摂取しましょう。

調理方法としては食べ物が酸化してしまう「焼く」よりも「蒸す」「煮る」がいいでしょう。

またソーセージ、ハム、果物・野菜ジュース類などの加工食品はいろいろな添加物が入っていますので摂取は控えましょう。

ご飯(白米)、パン(食パンなど)の白物は血糖値を急にあげるので太りやすくなります。白米よりも玄米を、(白い)食パンより全粒粉、ライ麦パンを摂取しましょう。砂糖は間違っても摂取しないように。血糖値を急激に上げてしまいます。

ヨーグルトにも注意が必要です。腸内環境を良くするためと毎日摂取していてもその中には砂糖が含まれている場合がほとんどです。ヨーグルトを摂取するのであれば無糖のプレーンヨーグルトを取りましょう。

高タンパクで無糖、低脂質のオイコスのギリシャヨーグルト(プレーンタイプ)は筋トレをする人も摂取しています。ヨーグルトならこれです。(記事下参照願います。)

また炭水化物(糖質+食物繊維)では腸内環境を良くするために食物繊維の多いキノコ類、海藻類(わかめなど)、野菜(キャベツ、ブロッコリーなど)を積極的に摂取しましょう。

炭水化物はこれらを十分に摂ればご飯、パン類、麺類の摂取を抑制できるはずです。

高齢者が2週間全く運動しないとどうなるか

海外の大学の研究実験で平均年齢23歳の若者17名と平均年齢68歳の高齢者15名が脚にパットをして2週間全く脚を動かせない状態にしたところ下記のような結果になりました。

若者→全体の筋肉の1/3が減少した

高齢者→全体の筋肉の1/4が減少した

2週間でそれぞれ全身の筋肉の1/3、1/4が減少するということはすごいことです。

若者は高齢者よりも減少率が高いのですが元々の筋肉量は若者の方が多くまた回復力も早いのです。

その後これらの若者と高齢者に6週間にわたって週3〜4回自転車トレーニングを課し筋肉量をチェックしたところ高齢者は「筋力」が戻らなかったそうです。

したがって「高齢者は筋肉の回復には無運動期間の3倍以上の時間を要する」ことがわかったのです。

まとめ

・加齢に伴う筋肉量の低下を「サルコペニア」という

・高齢者の10%前後がサルコペニアであり今後さらにその数は増える

・サルコペニアになると「歩行困難」「糖尿病」「高死亡率」「感染症」「日常生活動作の困難」を引き起こす

・筋肉量の減少+体脂肪の増加→サルコペニア肥満(隠れ肥満)が増加している

・加齢による体形の変化では男性は「腕・脚の筋肉量の低下」、女性は「上半身の体脂肪の増加」に伴い全身が丸みを帯びる

・全身の筋肉量のうち約70%は下半身に集中している

・下半身の大腿四頭筋(太もも前部)、ハムストリング(太もも後部)、大臀筋(お尻の一番大きな筋肉)だけで全身の50%の筋肉量となる

・高齢者は失った筋肉を取り戻すためには失った時間の3倍以上の時間を要する

・自分は大丈夫と思っている高齢者程いつの間にか歩行困難になっている

合わせて読みたい:

筋トレと山を走ればより大腿四頭筋肥大と脂肪燃焼効果がある前のページ

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