仕事

理容室vsカット専門店から見る日本の労働生産性が低い理由!

先日、作家である橘玲のデジタル記事をザクッと読みました。

日本の生産性が先進国で一番低いのは、「日本人が合理性を憎んでいるからだ」と指摘。

また、「日本人は世界で一番会社を憎んでいる」とも。

それも製造業というよりはサービス業で顕著ということ。これは以前から言われていることで目新しいことではありません。

理容室とカット専門店の比較

例えば、以前から私が労働生産性が低いと指摘しているサービス業の床屋。

現在の大人の価格の相場は、4,300円。

シャンプー&シェービングなしの場合は、3,200円。

そして、店によって違いますが、50分程度の作業時間で、コーヒーを出したり、マッサージをしたりのサービスもあります。

それに対して、私が行くカット専門店は、大人が1,300円(もうすぐ1,500円になる)。

上記のようなサービスは一切なし。15分で終了。カットテクニックも問題なし。それどころか、昔行っていた床屋よりカット技術は上。

それより、シャンプー&シェービングなしで3,200円?

カット専門店の作業内容とどう違うのでしょうか。さっぱりわかりません。

ここで労働生産性を簡単に定義すると、

労働生産性=(付加価値額 )÷ (労働者数 or 労働者数×労働時間)

付加価値額=売り上げ−(売上総原価+販売費+一般管理費)+人件費+租税公課)

例えば、従業員1人、実働6時間とすると、各接客人数、売り上げは下記の通りになります。

ここでは、単純に付加価値額=(売上−売上原価)=粗利とします。

床屋:

接客人数=360分÷50分=7人、売り上げ=4,300円×7人=30,100円/日

売上原価=売上額 x 0.1とすると、

付加価値額=30,100円−(30,100円x0.1)=27,090円

労働生産性=27,090円÷1人=27,090円/人

カット専門店:

接客人数=360分÷15分=24人、売り上げ=1,300円×24人=31,200円/日

売上原価=0とすると、

付加価値額=31,200円−0円=31,200円

労働生産性=31,200円÷1人=31,200円/人

注)床屋はシャンプーやシェービングクリームなどの原価がカット専門店より余計にかかりますので、売り上げ原価を売り上げの10%としました。


上記の単純計算からも通常の床屋とカット専門店では「労働生産性」は明らかにカット専門店の方が上となります。

これがもっと座席数が増えるとその差はもっと開くでしょう。

主要先進国7カ国の中で一番労働生産性が低く、OECD加盟国35か国中でも20位程度。アメリカの6割程度です。

もちろん全ての業界が低いのではありません。

労働生産性の高い業界:金融や不動産関係

労働生産性の低い業界:飲食サービス業・医療・福祉・宿泊業

労働生産性の低い原因

色々言われていますが、労働生産性の定義から見ると、

  • 労働時間が長い
  • 非正社員が多くなり、仕事に対するモチベーションが低下している

労働時間は統計上短くなっているのですが、それはパート・アルバイトの労働時間が短く、その分正社員の労働時間が長くなり、実質的に1980年代の労働時間と変わらないのです。

  • 市場が縮小している

日本の市場が縮小しているのに会社は効率化を求めています。しかし、実際は無駄に長い会議、長く残業すると評価する上司、サービス残業など全然効率化になっていないのが現状です。

非正社員も正社員も雇用待遇で会社に非常に不満を持っているのです。

不満を持っているけども「右へならえ」の習慣がある日本人は会社からなかなか離脱できないのです。

しかし、その我慢が度を越すと「出社拒否」「引きこもり」「うつ病」「過労死」「自殺」などに結びついていくのです。

ここで冒頭に戻ると、「日本人は会社を憎んでいる」「日本人は合理性を憎んでいる」につながります。

ひょっとして日本人は、本当に合理的なことが嫌いなのかもしれません。

嫌いというより合理的思考が苦手な民族なのかもしれません。

しかし、数学や読解力などは世界的に見ても日本はトップクラスです。

無駄のアラカルト

それではどうして無駄な行為が多いのでしょう。

例えば、

  • お店のラッピング
  • スーパーのレジ袋
  • 床屋のマッサージ
  • 駅構内・車内のアナウンス
  • 長い会議
  • 食べ物屋での長い行列
  • 長時間の通勤
  • 1円でも安売りしているスーパーを探し行く(作業時間とその対価が合わない)
  • 社員旅行
  • プレゼン資料の作成
  • 客を店を出るとき、ずっと客に向かって頭を下げている店員
  • 喫煙(喫煙室までエレベータに乗って行き、また部屋に戻って仕事をする)
  • 病院の長い待ち時間(東京慈恵医大の皮膚科に行っていたとき外来は平気で2時間近く待たされた)
  • 会社の総務部(外注で対応可能)
  • 店前で通行人に向かって叫んでいる呼び込み店員

探せばいくらでもありそうです。別の機会に更新ということで。

上記のように無駄がいっぱいあります。

合理的な仕事ができない本当の理由

私は、いろいろ考えられる中で、やっぱり日本人は、

  • 過度に人目を気にする
  • 同調圧力に弱い
  • 協調性が強い反面、自己主張がうまくできない

これらが他人への過度の配慮につながって無駄な仕事やサービスが多くなってしまうのではないかと思います。

言いたいことがあっても言えず流れに逆らえず、悪しきものとわかっていても修正できず、になっているのではないでしょうか。

長時間の無駄な会議などはその典型でしょう。

これは国民性なので祝日のように法律で祝日を多くして休みを多くしているように、ドイツのように勤務時間の上限をきちんと法律で決め、違反すると会社に罰則が来るようにしないと無理でしょう。

サービス残業も当然違法でしょう。仕事してもその対価としての賃金を払わないのですから。



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