以前から日本は世界でも自殺者数の多い国として有名でしたが、2003年をピークとし2008年以降は明らかに減少の一途をたどっていました。ところが2020年の自殺者数は21,080人でしたが前年比で+915人、4.5%程増加になってしました。
間違いなくこの増加の原因は新型コロナ禍の影響が関与しています。
新型コロナ禍は女性を自殺に追い込む
一般に日本の自殺者は圧倒的に男性が多いのですが、このコロナ時期である2020年10月の男女の自殺者は前年同月比で男性が22%増に対し女性はなんと83%増だったのです。
コロナ禍は男性よりも女性に直撃したといっていいでしょう。
コロナ禍で営業を限定された職種はサービス業ですので飲食業、宿泊業、小売業などで働く女性を経済的、精神的に追い込んだのです。
さらにコロナ禍における子育てやリモートワークで自宅で仕事をせざるを得なくなったときの家族間のメンタルな問題もあったはずです。特に東京のように住宅の狭さから落ち着いてリモートワークはできないものです。さらに夫婦でリモートワークなんて最悪です。
ひょっとしてストレス発散に普段飲み慣れないアルコールに手をつけて正常な思考を麻痺させ自殺してしまったケースもあるかもしれません。
自殺者の全体数では3人に2人が男性
しかし2020年の自殺者数では男性が全体の67%を占め、3人に2人が男性となります。
その理由は男性は男女共「健康」が一番でその後「経済」「家庭」「仕事」「その他」「異性間」「学校」と続きます。
その中で特徴的なのは2番目に多い「経済的理由」です。これは男性が圧倒的に多いのです。
経済的理由の筆頭は「生活苦」で世代は40〜60代が中心で50代が一番多くなっています。この年齢の傾向は女性も同じです。
40代、50代はまだ会社員であればまだ定年前ですし、自営業であればまだまだ現役といったところのはず。
失業者(無職)、非正規社員(契約社員、パート、アルバイト)が多く含まれるのではないでしょうか。
また経済的理由の1番が「生活苦」ですが2番目は「多重債務」でした。多額の借金で返済ができなくなって自殺する傾向があるということです。
海外の自殺者
また海外の自殺では圧倒的に旧ソ連の国々が多いのです。
ロシア、リトアニア、ラトビア、ウクライナ(2017年)は日本より自殺者が多い旧ソ連の国々です。
2016年の調査では同じく旧ソ連の「ベラルーシ」「カザフスタン」が日本より上位に入っていました。
これらの国の自殺の原因は経済格差とアルコール摂取と言われています。気候的に寒い地方なのでアルコールを多く摂取しそれに伴って自殺あるいは暴力事件へ向かってしまうようです。
もっとも寒いからだけでなく経済格差により失業者が多くなりアルコールを摂取するしかない人が増加したこともあるでしょう。
ちなみにその他日本より自殺者が多いのは韓国、ベルギー、ハンガリー、レソト(南アメリカ)、スリナム(南アメリカ)程度です。(2016年、WHO調査)
日本は減少しているとはいえ、相変わらずG7の中では一番自殺者が多い国です。
おそらく真面目すぎるのと世間体問いう他人の目を気にしすぎることが多いからでしょう。この日本人の性格が変わらない限り自殺数が世界の上位に入ることは変わらないでしょう。
まとめ
新型コロナ禍は日本の産業界の弱点を見せつけました。
サービス業という生産性の低い業界を直撃し政府、民間企業ともに業界の見直しが必至となりました。
その中でもサービス業に従事している女性の仕事がいかに不安定な立場にあるかもわかりました。
しかしなかなか世の中が変わらないのが日本社会です。
その理由は下記のブログに書いてあります。
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