社会

夏休みの子連れ帰省客を見て考える実家の親の寿命と遺産相続

アイキャッチ画像:毎日新聞

毎年夏になるとき日本中帰省客で首都高や新幹線、飛行機が混雑するニュースが流れ風物詩の一つとなっています。

学生は完全な夏休みですが社会人もお盆を挟んで夏期休暇を取ったりしています。昔は夏期休暇というより単にお盆休みという言い方をしていました。

それでは日本人はどうして夏休みに帰省するのでしょうか。

どうして夏休みに帰省するのか

私も学生時代は東京から北海道へ帰省していました。今考えると他に行くところがなかったのかなぁ、と不思議な感じがします。しかし社会人になってからはほとんど帰省していません。

一般には

・お盆時期は全国一斉休みになり人と会う時間の都合がつきやすい

・家庭を持ち子供ができたので両親に見せに行くため(あるいは両親にせがまれたため)

・旅行したいがお金がかかるので実家に行った方が経費削減になる

・他に行くところがないため

・墓参り

こんな感じだと思います。

もちろん実家に行く人たちばかりではなく純粋に国内・国外旅行に行く人たちもたくさんいます。

しかしお盆休みに帰省する人は根強くいることは確かです。

私の場合、お墓参りするわけでもないのに帰省していたというはおそらく当時それが当たり前の習慣だったのでしょう。私のような坊さんが大嫌いで墓参りなど無縁なキャラから考えるとそう思わざるを得ません。

子連れで実家に帰省する親は大変

小さな子供を連れて地方の実家に帰省するのはなかなか体力のいることです。生涯ひとり者の私などは考えただけで疲れてしまいます。

いくら実家とはいえ、片方の親からすると義理の両親ですので気を使うでしょう。さらに宿泊費、食費はタダだとしても家族全員の往復の交通費や両親へのお土産代はかかります。

昨年他界した実母の葬儀のときに集まった従兄弟3家族を見ていて子供を持つのはやはり大変とわかりさらに自分の思った通りに育ってくれればいいのですがどうもそうではないようなのでこれまたストレスが溜まります。

このとき私はこの3家族を見て自分はひとり者で本当に良かったとつくづく思ったものです。

私が家族持ちであったなら相当なストレスな生活を強いられたでしょうし、逆に私の家族に私はストレスを与えていたことでしょう。

自己中の私は子供の頃こんな両親の子供として生まれたくはなかったと思ったことがありましたし、私に子供がいればその子供は私のような父親を持ちたくはなかったと思ったに違いありません。

子供を思うなら両親は早く死んだ方がいい

子供が成長し社会人となりさらに親が退職して年金生活を始めれば、その親が子供を思う気持ちが強いのであればあっち痛いこっち痛いとなる健康年齢末期の70代半ばくらいでもう世の中とおさらばした方がいいと思います。

その理由は、子連れの現役社会人の親はお金に昔以上にお金に苦労するからです。

・今の子連れ親の世代では将来の年金受給額は確実に今以上に少なくなる

・30年間賃金が上がっていない日本社会では今後もしばらく賃金値上げが期待できない

・子供の養育費、家庭の生活費、住宅ローンで父親もしくは母親個人の生活が経済破綻している

・医学の発達で寿命や健康年齢の上限が高くなり、老後の生活費負担がさらに上昇する

・日本の少子化の原因の一つには男性社会人の給与の低さにより結婚を諦めている

以上から両親に借金がない限り子供に早めに遺産を譲渡するのが賢明です。

もちろんそう思っている人もそううまくコロリとならないのが現実でもあります。

また子供に遺産を譲渡するくらいなら全部自分で使い切りたいという御仁もいらっしゃるでしょう。

それはそれで皮肉でなはく大変いいことだと思います。どんどんお金を使って社会に還元してください。

子供に遺産譲渡する気持ちがないら動けるうちに使うべし

私事ですが私の実家の両親の遺産など全く期待していませんでしたが、私が20代の頃父親がなくなりそして昨年母親がなくなってみると遺産があったので大変驚きました。

後5、6年生活できるかな、という状態でしたから自己中の私は正直嬉しかったですよ。

しかし、一方ではなぜ母親はお金を使い切らなかったのだろうかと不思議に思ったのも事実です。

なぜ葬式代の100万もあれば御の字と思っていたら遺産相続税が発生するほどのお金を姉と私に残したのか。

結局は私たち子供に遺産を残したいという気持ちは多少あったでしょうが、自分の寿命が見えず不安なので預貯金をしていたというのが本当のところではないかと思います。

これは全て後になって言えることですが動けるうちに動いてお金を使った方がいいと思ってもいつ動けなくなるかわからないということもあり得ます。

特に普段運動していない人は自分の身体の可動域に鈍感です。

母は死ぬ前の10ヶ月間は認知症患者が多く入る施設に入院していましたがもうほとんど自己認識することがなかったのではないでしょうか。

お金がまだあり子供たちに遺産を残すつもりがない高齢者は動けるうちにどんどんお金を使ってください。

動けなくなったらおしまいです。

参考記事:「私の経済寿命が最長70歳から80歳に伸びた理由」

終わりに

テレビなどで夏休みの帰省客を見るたびに先述のことを思います。

ほとんどの高齢者は長生きしたくて不自由な体のまま生きているわけではないのでしょう。

死にたくとも死ねない状態なのです。

医療で無理やり生かされてしまっている状態の高齢者が多いのは日本の高齢者の特徴です。

そこには自分の意志はありません。

多くの日本の医師たちは延命治療が医師の使命と思い、大きな苦痛を伴う患者や高齢者の意見を尊重することはほとんどありません。

身内を見ていてつくづく思います。

身体が動けるうちはどんどん動きましょう。

やりたいことをやりましょう。

もっと身体を動かしましょう。

お金は大事ですが、動けるうちが華なのです。

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