健康

睡眠時間とダイエットの関係は?

日本人の平均睡眠時間は7時間40分ですが、10〜20代では8時間、50代では5〜6時間、60代以降では6時間となっています。

加齢により睡眠時間は徐々に減っていきますね。シニアになると寝るのにも努力が必要になってくるようです。

私もここ1年くらい前から、以前は20日分程寝ながら本を読んで眠たくなったのですが、今ではよほど疲れていない限り布団に入ってから1時間近く経って寝入ります。

動物、少なくとも哺乳類や鳥類は睡眠をします。

そして、人はその人生のほぼ1/3を睡眠にあてています。年数にして25年程です。

「こんなに寝ているのか。実にもったいない。」と感じる人も多いのではないでしょうか。

人はなぜ眠るのか

それでは、人はなぜ寝るのでしょうか。残念ながら科学的にまだ解明されていないようです。

しかし、一般に言われているのは、下記のようになります。

・脳内の情報の整理

・体のメンテナンス(細胞の復旧、ホルモン、酵素などの生成)

・エネルギーの節約

夢も脳内の情報整理の一環と言えるでしょう。

それでは、睡眠のメカニズムはどうなっているのでしょうか。

夜になると眠くなるのは自然のことですが、それは生体時計機構、つまり体内時計が作動しているからです。

睡眠の種類

睡眠には、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)があります。ちなみに起きている状態は、「覚醒」と言います。

・レム睡眠

大脳が活発に活動して、全身の筋肉は弛緩している状態。ほとんどの夢はこのレム睡眠中に見ます。

・ノンレム睡眠

脳は休んでおり、体(筋肉)は起きている状態。

レム睡眠とノンレム睡眠は一晩で4、5回交互に起こります。寝入りばなはノンレム睡眠でその後30分程でレム睡眠に移行し、90-120分間隔でこれを繰り返します。

「ぐっすり眠った感」「熟睡感」 の睡眠は、ノンレム睡眠中です。始めの1、2回のノンレム睡眠、つまり寝入ってから3時間に深い眠りにつくと、このぐっすり感があるようです。

「よく眠れなかった感」「なんとなく体がだるい」の睡眠は、レム睡眠が長くノンレム睡眠が短い場合に起こります。

それでは、浅い睡眠、深い睡眠ではダイエットにどんな関係があるのでしょうか。

睡眠とホルモンの関係

それはホルモンに関係してきます。

・成長ホルモン

寝入ってから2-3時間後、つまりノンレム睡眠中に分泌されます。このホルモンは、筋トレのようなハードな運動と睡眠中のみ分泌されます。

文字通り、成長期に多く分泌され身体の形成を促進するホルモンです。筋肉の合成にも間接的に関与し、さらに最強の脂肪分解ホルモンとも言われています。

・コルチゾール

副腎皮質ホルモンで、免疫物質をつくり代謝を促進します。午前3時頃から明け方をピークとして、起床後30-60分ほどにも大量に分泌し、体のストレスに対抗すべく準備しています。また、体内に蓄えられた脂肪をエネルギーに分解し、目覚め後の活動に備えます。

しかし、このホルモンは別名「ストレスホルモン」とも言われ、ストレスなどがたまると多く分泌し、筋肉の合成を抑制し、酷くなるとうつ病を発症しやすくします。

・レプチン

脂肪細胞から分泌され、脳の視床下部の満腹中枢に「満腹感」の信号を送り、食欲を抑制するホルモンです。

睡眠時間が短くなるとこの分泌が減少します。

さらに、体脂肪の多い人は、この(満腹中枢内部の)受容体感受性の感度が悪くなり、なかなか「満腹感」を感じられなくなり、悪循環に陥りやすくなります。

・グレリン

主に胃から分泌され、脳の視床下部の満腹中枢に「空腹感」の信号を送り、食欲増進をするホルモンです。空腹時に多く分泌します。

睡眠時間が少なくなると多く分泌します。

・セロトニン

睡眠ホルモン」と言われるメラトニンの材料となるホルモンで、このホルモンが少ないとうつ病や不眠になりやすくなります。

乳製品、魚、肉、大豆などに多くふくまれれる必須アミノ酸の1つである「トリプトファン」を摂取するとセロトニンが増えると言われています。

また、リズムのある運動、例えば、ラジオ体操などでもセロトニンが増加することがわかっています。

・メラトニン

生体リズムを調節するホルモンで、夕方暗くなる頃から分泌されます。そして深部体温を下げていきます。

セロトニンは日光(朝日)を浴びると分泌し、その14-16時間後にメラトニンが分泌して眠気を感じるのです。例えば、午前6時に起きると、午後8-10時頃には眠気が起きるというわけです。この時の睡眠時間は8-10時間となります。

睡眠時間が短かったり、起床や就寝時間が不定期だったりするとこのリズムが狂ってしまい、質の悪い睡眠になりやすくなるのです。

質の悪い睡眠や短時間の睡眠では、上記のホルモンの分泌が適正に行われなくなって、太る体質になっていくわけです。

つまり、ダイエットする場合は、睡眠が非常に重要な要素になるのです。

アメリカの研究では4時間以下の睡眠では肥満になりやすいという報告があります。また、国内の報告では、6-8時間の睡眠が一番高血圧、糖尿病、肥満などの病気の発症率が低い、とも言われています。

しかし、実際には個人差もあり、睡眠時間に関して何時間寝ればいいというのはまだわからないのです。

ただ、質のいい睡眠は、ダイエットにも必要ということは間違いありません。

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