筋トレをやるようになって初めて左股間節より右股関節がかなり硬いとわかりました。
それがどういうわけか最近左股関節まで硬くなってきたようです。
ジムでは筋トレ終了後毎回トレッドミルで傾斜ウォーキング、パワープレート、ストレッチポールとフォームローラーでストレッチをしています。
さらに毎晩就寝前に入浴しその後足指、足裏マッサージ、腸腰筋とアキレス腱、腓腹筋のストレッチをしています。
これだけやっても股関節が硬くなるとは一体どういうことでしょうか。理解できません。
ひょっとしたら下半身の筋トレで股関節に予想以上に過負荷がかかってしまっているのでしょうか。
あるいは単に一般的に言われる加齢によるものなのでしょうか。
目次
加齢による関節の変化
人は20歳前後から老化が始まると言われています。
30歳頃からは男女ともに骨密度が低下し始め高齢者になると骨がもろくなって骨折しやすくなります。
加齢(経年劣化)により関節内の軟骨の弾性を助ける成分が変性し軟骨の弾性が低下し損傷しやすくなります。それにより大腿骨先端周囲をおおっている軟骨が摩耗し変形性膝関節症を引き起こしたりします。
さらに関節内外の靭帯、腱の結合組織が硬くなり関節自身が硬くなって関節の可動域を狭めてしまうのです。
また筋肉量も徐々に減少し60代以降はそれが顕著になっていきます。膝関節、股関節、足首の関節に付着している筋肉量の減少によって各関節やその周囲の筋肉自身に過負荷がかかるようになります。
当然の結果として可動域も制限され関節炎や転倒が起こりやすくなります。
特に筋肉に関してはマラソンなどで力を発揮する筋持久力系の遅筋よりも短距離走などで力を発揮する瞬発力系の速筋の減少、衰えが早く進行します。
股関節にかかる負荷
私は変形性膝関節症になるまで主に日帰り登山、特に低山の縦走を好んでやってきました。
登山をやるようになってまもなく左膝が腸脛靭帯炎になりその原因を突き詰めると上り方、下り方が実に下手なことを思い知らされました。
せっかちな性格だったので上りも下りもサッサと大股で歩いて周囲の登山者を追い越していたのでした。
今考えると周囲は山での歩き方の知らないヤツと思ったことでしょう。
股関節にかかる負荷は、
歩行で体重の3〜4.5倍
ジョギングで体重の6.2〜8.7倍といわています。
これだけの負荷がかかるので登山で走って下山するときには一体どれだけ片足に負荷がかかるのでしょうか。上記からすると少なくとも体重の10倍はかかるのではないでしょうか。
これを長期間続けていた私は年齢を考慮するとまさにまさに関節症になってくださいという状態だったのでしょう。
もっとも変形性股関節症には子供時代から異常を持っていた場合もあります。
それは臼蓋(きゅうがい)形成不全という症状です。
股関節は大腿骨の先端(大腿骨頭)が骨盤のくぼみ(臼蓋)に収まっている結合部を言いますがこの形状が異常である場合上記のような言い方をします。
それではなぜ変形性関節症になるのでしょうか。
変形性関節症の主な原因
加齢による軟骨の経年劣化
生まれつきか何か病気によって引き起こされることを除けは多くは関節の経年劣化(老化)によるものです。
軟骨の成分であるコラーゲンとプロテオグリカンが関与しています。
コラーゲンは軟骨内で建物で言うと梁や柱のように構造の基盤の役目をしており、プロテオグリカンは軟骨の弾性を助ける働きをしています。
加齢とともにこのコラーゲン線維が壊れていきます。
そのためプロテオグリカンの分子量が小さくなって保水能力が低下し軟骨が弾力を失いもろくなるのです。
ジョギング以上の強い衝撃の繰り返し
登山の下山時に走ったり定期的にジョギングで走ったりしていると関節内に過負荷がかかり軟骨が摩耗することになります。
関節のひねり力
サッカー、ラグビーや柔道などで関節を強くひねることで引き起こされる場合があります。
これは加齢というよりも若者に多い減少です。
その他
体形的に太っている、O脚、X脚、外反母趾などを持っている人は変形性関節症になりやすいと言われています。
また生来の軟骨細胞の数が少ない、細胞のプロテオグリカンの再生能力が低い場合もその要因となります。
軟骨損傷のメカニズム
先述の加齢におる軟骨の経年劣化をもう少し詳しく説明すると軟骨損傷のメカニズムが分かります。
軟骨に過剰な負荷がかかる
↓
コラーゲン線維が壊れる
↓
コラーゲンに引っかかっていたプロテオグリカンの集合体が流出
↓
軟骨細胞の一部が細胞死
↓
生き残った細胞の一部は炎症性サイトカン*(インターロイキン-1)を産生、放出
*自身あるいは周囲の細胞に一連の炎症反応を誘発させるタンパク質
↓
タンパク質分解酵素(マトリックスメタロプロテイナーゼ、アダムツ)の産生、分泌を促進
↓
軟骨構成成分であるコラーゲンやプロテオグリカンを分解
↓
プロテオグリカンの減少
↓
軟骨の弾性の低下
↓
軟骨がもろくなり軽い負荷でも壊れる
いずれにしろ変形性膝関節症にしろ、変形性股関節症にしろ多くの場合その部位の発痛によってわかります。しかし中には関節症になっても全く痛みのない人もいます。
それでは変形性関節痛はなぜ発痛するのでしょうか。
変形性関節症の発痛のメカニズム
一般には関節内で軟骨が摩耗して遊離した破片が関節包という関節を包む袋の滑膜に刺さって炎症を起こすからと言われています。
これは軟骨100%、半月板のほとんどは血液や神経は通っていません。しかし滑膜には知覚神経が通っているので痛みを感じるという説明です。
これは膝など屈伸運動で発痛を感じるので問題はないのですが、起立した状態や少し膝を曲げた状態でも発痛する場合その負荷がかかる姿勢では滑膜は存在しないので上記の説明が成り立たないことになります。
そのためもう一つの説が存在してきます。下記の通りです。
関節に長期間負荷がかかる(あるいは強い衝撃がかかる)
↓
軟骨内に血管が通るトンネルができる
↓
穴が開くことで軟骨の強度が低下する
↓
軟骨細胞が血管新生抑制因子を抑制する物質や血管内皮細胞成長因子を作り放出
↓
軟骨内への血管侵入を許す
↓
知覚神経が侵入する
↓
発痛する
それではなぜ軟骨に血管が侵入するのでしょうか。
軟骨に血管が侵入する理由
血液は酸素や栄養素や老廃物を運ぶ配管です。
そのため壊れた組織に酸素や栄養素を送って組織を修復させようとするのです。
さらに知覚神経を通させて損傷部位に負担をかけたときに発痛させて修復作業の弱い組織を保護する行為を無意識にさせている。
また半月板には神経はなく血管も外周の1/3だけに存在します。しかし傷んだ半月板には多くの神経、血管が侵入していることが判明しており半月板も痛みを生じる部位である可能性があります。
さらに組織修復がある程度なされれば不要になった血管や神経は退縮し痛みは自然となくなります。
この説の問題点
上記の説はある整形外科医の説明です。
しかし変形性関節症で軽く膝を曲げた状態で膝が痛むとき、その姿勢では滑膜は存在しないとなっていますが、もし半月板が潰れて外側にはみ出し(飛び出し)ている場合滑膜にその部位が接触しないのかという疑問です。
もし接触するのであれば滑膜の炎症の原因になり発痛の原因になるでしょう。
さらに半月板はほとんど血管が通っていないので栄養素や酸素は関節包から摂取しています。
したがって半月板が損傷した場合治癒はないと言われています。
しかし先述の説明では半月板にも神経や血液が通っているので栄養素や酸素が行き渡っており半月板の組織修復が可能であるという説明になります。
そうであれば今後の整形外科における半月板損傷の手術は大きく変わることになります。
なぜなら外科手術ではなく保存治療で治る可能性があるのですから。
終わりに
1年近く前に発症した変形性膝関節症による右膝の痛みがいまだに完全に回復していません。
不思議なことに山や階段の上り下りよりも平地を歩いたときの方が膝の違和感(軽い痛み)は感じます。
しかし上記の説では軟骨や半月板にも血液や神経が通り酸素や栄養素を運んでいるので保存治療も可能で私の右膝は完全に治らないまでのある程度修復されるということになります。
もしそうであればどれほど嬉しいことでしょう。
現在膝に振動(貧乏ゆすりなど)を与え続けると軟骨が生成されるという説もあり、私は毎週3回ジムで疲労回復のためのパワープレートで膝や股関節はもとより全身に強力に振動を与えて続けています。
先述の説はあくまで可能性の話のようですがもし本当であれば私にとって朗報となります。
参考記事:半月板損傷と変形性膝関節症から発生する痛みのいろいろなしくみ
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