社会

アフガニスタン非常時における日本政府と大使館の不甲斐なさ

アイキャッチ画像:朝日新聞

アフガニスタン情勢が混沌としています。

海外の国々が次々と自国に協力していたアフガン人を連れて撤退したのに対し日本政府は対応が遅れました。

アフガンの日本大使館で18年間警備を担当していたアフガン人が大使館職員に一緒に撤退したいと伝えても職員が日本から何も返事がないとのことで一緒に行くことができなかったと日本メディアの取材に答えています。

そしてタリバンは外国人と一緒に仕事をしていたアフガン人を探しているので毎日怯えているとも。

先日のアルカイダ系組織の自爆テロにより多くのアフガン人と米国軍人がなくなりました。

その影響で当日バスを連ねてカブール空港へ向かっていたJICAのアフガン人協力者などはまた引き戻さなくてはならなくなったようです。その数500人。

これを不運と呼ぶべきなのでしょうか。

そうではありません。

日本政府の初期動作が遅かったのが原因です。

言わずものがな日本政府の危機管理が甘かったのです。

それと上記のアフガン大使館の職員の対応も非常に大きな問題です。

普段から危機管理がきちんとできていれば、いざというときの対処法がマニュアル化されているはずです。

それを日本から何も返事がないからという理由で日本政府の協力者を置き去りすることは非常識そのものです。

アフガン撤退の直接の原因はアメリカ軍の撤退決定ですがこの混沌とした状況を見越した対処が日本政府にはなぜできなかったのでしょうか。

フランス、イギリスなどは次々に自国民、アフガン人、外国人を飛行機に乗せて撤退完了しています。

まさに危機管理の欠如です。平和ボケといってもいいのでしょう。

日本人として実に情けない話です。

しかも日本大使館は8月15日に閉鎖しトルコのイスタンブールに臨時事務所を開設しました。ということはすでに日本人職員がそこに撤退したということ。

アフガン大使も15日にトルコへ退避したのでしょう。

8月17日には残りの日本大使館職員12名(おそらく日本人でしょう)もイギリスの軍用機でアラブ首長国連邦のドバイに避難。

8月27日 先述の通り日本政府が手配した十数台のバスでJICA職員やそのアフガン人協力者500人を乗せたバスがカブール空港へ向かっている途中に自爆テロに遭い国外脱出はなりませんでした。

同日カブール空港にたどり着いた日本人は他国の記者と車に同乗して来た共同通信通通信員の女性1人だけでした。

遅いのですよ。日本政府の対応が。

それにしても日本大使館の大使を含め職員たちは残っている日本人やアフガン人(協力者)を残してよくも自分たちだけで避難できたものです。

沈没する客船に例えるなら船長は乗客を全員避難させてから下船するものです。

日本政府や大使館職員は彼らを見殺しにしたと言ってもいいでしょう。

実に情けないと思います。これが日本人のやることですか。

大使は在外国の日本人及び日本の協力者を身をていして助ける責任があるのです。責任無くして権利なし、です。

中村哲医師とは大違い。

参考記事:『アフガンで中村哲医師がテロの銃弾に倒れ死亡した記事で思い出した事

 

昔から在外日本大使館の日本人への対応の冷たさ、無責任は有名でした。

海外旅行で日本人がパスポートを無くしたりスリにあったりしても日本大使館では何もしてくれません。

当時の日本人旅行者の間では海外で何かトラブったら日本大使館ではなくアメリカ大使館へ行けと言われていました。

アメリカ大使館の方がずっと親身に対応してくれたそうです。

これはアメリカ大使館が自国民のために存在すると自覚しているからですが、日本大使館は自国民のために存在しているという自覚はさらさらなく日本政府のために存在していると思っているからです。まさに国民不在なのです。

こういった思考は今も昔も大差はなく今回もアフガンの日本大使館の情けない対応が浮き彫りになりました。

しかしこういった日本政府の危機管理の甘さ、日本大使館の不甲斐なさをなぜメディアはもっと厳しく非難しないのでしょうか。

ということは日本のメディアもこの一連の惨事に対して何も感じていないのでしょうね。

日本政府、日本の文官と日本のメディアの精神性は同じということなのでしょうね、きっと。

中国共産党による新ぎょうウイグル自治区の弾圧に関しても全て沈黙しているところもそっくりです。

同じ穴のムジナなのでしょう。

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