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まだまだ続くよどこまでも。
ロシアとウクライナの戦争は。
日本のどのテレビ局も連日この戦争を報道しています。これも日本社会の同質性、同一性の現れです。
EUとアメリカがこの戦争に強い関心を持つのは理解できます。基本的に欧米vsロシアの戦争ですから。
それに対して日本はアジアにあり黄色人種であり全く異なった文化、習慣、宗教を持った国です。
それなのにどうしてこんなに日本人はこの戦争を取り上げるのでしょうか。なぜ興味があるのでしょうか。
お隣の韓国ではウクライナ大統領のオンライン演説にも韓国の国会議員は50人程度しか参加せず共感もほとんどなく韓国のメディアでさえ「恥ずかしい」と非難していました。
少なくとも外交に関しては確かに韓国の国会議員は四流でしょう。日本の国会議員以上に田舎者、世間(世界)知らずです。
もちろん日本の永田町も日本全国からよりすぐりのおバカが集まったところなのですので韓国の国会議員よりはマシという程度ですが。
それではなぜ日本はあんなにウクライナに肩入れするのでしょうか。追加支援で合計3億ドルになりました。
日本人はなぜこれほどウクライナに肩入れするのか
大国が小国を侵略するのはロシアとウクライナの戦争だけではありません。
ロシアはシリア、アフガニスタン、ジョージア(グルシア)などに侵攻、侵略してきた過去があります。
中国は新疆ウイグル自治区のウイグル人、チベット自治区でのチベット人や民主化された香港人を迫害し続けています。
アメリカだってベトナム戦争がありイラン、イラクなど中東の戦争にも介入していました。というよりアメリカこそCIAを通じて他国への侵略が一番多い国なのかもしれません。
また大国ではありませんがミャンマーも軍事政権で民間人を迫害し続けています。
そのミャンマー政府はイスラム系少数民族のロヒンギャを迫害しています。
少なくとも上記の戦争、侵略では日本は何をしてきたのでしょうか。ほとんど無関心で特に目立った行動は何もしていないでしょう。
ただアメリカの尻にくっついて他国の顔色を見ながら動いていただけです。
日本のメディアも上記に関してウクライナのように連日報道するというようなことは全くやっていません。
それはどうしてでしょうか。
白人に甘いから
戦後のアメリカTVや映画の影響で日本人のアメリカ化が進みました。それに従ってアメリカ人、それも黒人ではなく白人のアメリカ人をリスペクトしていた時期がありました。
経済でも文化でもアメリカが日本より優れていると感じて憧れていた時期があったのです。
その影響で日本人はアメリカ人=白人に対して自然とコンプレックスを抱くようになったのです。
しかしその日本も経済大国になり文化もアメリカよりも深いと当たり前のことながらようやく自覚してきたのでその白人コンプレックスもかなりなくなってきたのですがその遺伝子がまだ少し残っているのです。
それが白人、黒人と比べて白人性善説となっているのです。
昔のアメリカの白人社会が製作するTVドラマや映画ではほとんど黒人は殺人、窃盗などの悪役でありました。
日本人はその影響を受けて心理的に知らず知らずに刷り込みをされて黒人に対しては警戒心を持つようになったのです。
つまりアメリカの白人文化を通してアメリカを見ていたので黒人は全て悪い人、怖い人となってしまったのです。
それが現在にもまだ影響を残しており「白人に甘い」となってしまっているのです。
在日黒人からするとたまったものではありません。何かあると何も悪いことをしていないのに日本人から疑いの目を向けられるのですから。
これは同じアジア人に対しても同じです。
ももともアジアの中で近代化一番乗りした日本人は明治時代から他のアジア人を低く見る傾向がありました。
それが欧米から植民地化されたアジアを開放すると言って次々にアジアで次々に戦争を起こしヨーロッパ諸国を追い出したまでは良かったのですが結局そのアジアの国々を植民地化してしまったのです。
これってロシアとウクライナの関係に似ていませんか。
もちろん日本はロシア側です。
軍国主義のなれの果てです。ロシアもいずれは間違いなく当時の日本と同じく敗戦国になるでしょう。
外交で政権をアピールしたい岸田首相
戦後日本は経済、軍事においてアメリカにほぼ従属するような形で発展してきました。
なんでもアメリカに従っていれば良かったのです。
また国内問題があればアメリカという黒船を利用できました。アメリカからすると勝手に悪人にされてしまったのですからたまったものではないはずです。
日本政府の未熟さが出ています。
これって今の韓国と日本に似ています。
韓国の国内問題のガス抜きに日本を悪者にすると韓国与党の支持率が上がるのは、韓国政府が日本を黒船として利用しているわけです。
これも韓国政府の未熟さです。
こうして日本はアメリカに追従していれば何とかなってきたのですが、今はもう超大国アメリカも少しずつ衰えてきて世界よりもアメリカ国内に目を向けなければならない時期に来ているのです。
そうなると日本はアメリカのいう通りではもう世界に通用しなくなってきています。
それでも今まで日米関係において「考える」ということをしてこなかったので突然自分で考えよと言われても困ってしまうのでした。
そんな時にアフガニスタンでの米軍の逃走劇でアメリカの信頼は失墜し、さらにロシアのウクライナ侵略におけるアメリカの態度に世界はもとより日本は唖然としたのです。
このロシアのウクライナ侵略に関しては、ロシアだけが問題なのでなく根本的にバイデン大統領の政略だった可能性が非常に高いのです。(→詳しくは遠藤誉のYahoo news参照の事)
当然日本政府はその事情を知っているはずですがそこはオクビにも出さずロシア、プーチンを避難しています。ここにもアメリカ追従の癖が抜けていません。
そして欧米が超注目するロシアのウクライナ侵略問題では日本の歴代首相の中では少しは人権に関心のあるらしい岸田政権がウクライナに肩入れすることで国際問題にも関心があり独自の判断を下すぞと日本のみならず世界に精一杯アピールしたのです。
先述のシリア、アフガン、チベット、ウイグル、ミャンマーの人権問題には無関心だったくせにです。
もっとも欧米先進国は上記の国々にはウクライナより関心は低いので日本政府もアピールしなかったのです。
要は欧米先進国が強く関心を持つ問題の中で「日本も頑張っているぞ」と強くアピールしたいのです。
そしてこれが岸田政権の支持率アップにつながるだろうと思っているのです。
SNSがもたらす心理的影響が大きい
またこの戦争はウクライナのSNSの使い方が非常にうまいと当初から評判でした。
今や世界中でSNSを利用しない国はないと言っていいでしょう。
SNSの利用率が高い国であればあるほどその影響を受けています。
日本もこのSNSを通じてウクライナ軍の活躍や民間人の避難生活を垣間見ているのです。
ウクライナ大統領は子供、女性、60歳を超える男性は避難させそれ以外の男性は国内に残ることを義務付けました。
しかしそれでも居残った子供、高齢者、女性がいたわけでこれらの人たちがいまだに避難生活を余儀なくされているのです。
これらの民間人もロシア兵によって殺されたとの報告が随時メディアを通じて上がってきています。
しかし一つ疑問があるのです。
ウクライナ兵士は民間人と一緒に立てこもっているのか。そうであれば民間人を盾にしているのではないか、ということです。
この辺はウクライナ側でうまく編集されていると感じます。
SNSを全て信じ切ってしまうことにも疑問があることだけお伝えしておきます。
しかしこれらSNSによって自ずとウクライナを応援したくなったのは事実。ウクライナのことなど全く知らなかったくせにです。
ミャンマーの軍事政権による民間人の迫害に関して在日ミャンマー人や賛同する日本人たちが歩道上で募金活動をしているのをときどき目にします。
しかし在日ウクライナ大使館による寄附金額に比べると金額が2桁、3桁違うのではないでしょうか。
在日ミャンマー人ももっとSNSを使用して現地の民間人の避難生活やミャンマー軍の迫害の動画を世界に発信した方がいいでしょう。
そうすればもっと日本及び世界はミャンマーに関心を持ち寄附金も集まるでしょう。
人権問題に疎い日本
日本人はまだ人権問題に対して非常に疎いのです。
自分たちが他国へ行って日本人あるいはアジア人として人種差別されているのにもかかわらず他国人が人種差別をされていても無関心を装うことができるのです。
あるいは短期の海外旅行で運良く人種差別に合わなかったからかもしれません。海外で生活するとほぼ間違いなく人種差別されることになります。もし海外生活で差別されたことはないという日本人がいたらその人は本当にラッキーな人か単に鈍感な人と言えます。
また日本人は日本国土に生まれたときから日本人であることに疑問を持つ必要がなかったので人種問題を真剣に考える環境下ではなかったのです。
現在日本には在日外国人は400万人以上いますが、それでも1億2千万人の日本人が圧倒的多数なのです。
そのため人種問題に関しては何も気にする必要がなかったのです。
欧米では常に他国との人流が多く移民問題が日常茶飯事で起きています。否応もなく自分のアイデンティティを考えなければならない人たちが大勢いるのです。
またその中で育った自国民も移民問題に常に接触しています。
したがって人種問題は日本人以上に敏感なのです。
終わりに
もしウクライナ人が黒人だったら日本人はこれほど彼らに共感したでしょうか。
日本のメディアも連日取り上げたでしょうか。
日本政府もこれほど肩入れしたでしょうか。
日本人が世界の人種差別問題、侵略問題に本当に敏感に反応する国民であればチベット民族、ウルグアイ民族、ミャンマー、アフガニスタンなどの問題にもっと真摯に取り組んでいるはずです。
今回のウクライナ侵略問題はウクライナ人が白人でありSNSで比較的詳細な情報が連日入ってきていることで多くの共感が得られただけなのです。
またSNSは事実を伝えているのかもしれませんが全てを信じる事は危険であることもまた事実です。
一つはっきり言えるのはウクライナはバイデン大統領のスケープゴード(生け贄)にされたということです。
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