健康

代謝について

やっぱり最近ウエストが少し増えたようです。晩酌しながらの夕食後、ネットで動画を見ながらお酒とアーモンドを摂取する悪い癖がついたからです。アーモンドは以前にも夜ポリポリやりすぎて太った経緯があり、警戒していたのですが、わかっていてもやめられない、という感じです。アーモンドはタンパク質が豊富なのですが脂質も多いのです。食べ過ぎなければ問題ないのですが、食べ過ぎてしまうんですね。

というわけで今回は、自戒を込めて代謝についての話です。

代謝とは

簡単に言えば、「古いものが新しいものに取って代わること」を言い、しばしば「新陳代謝」の略としても使われます。

また、新陳代謝が正常であれば、人の体は全て3か月で細胞が入れ替わる、と言われています。

さらに別の言い方をすると、「体外から摂取したものを体内に取り込み合成(同化)したり、不要なものを分解(異化)したりする反応」を総称していいます。

例えば、ご飯(炭水化物)を摂取すると体内でブドウ糖に変換、さらにブドウ糖からグリコーゲンが合成されます。

また、肉や魚(タンパク質)を摂取すると、体内でアミノ酸に変換、そのアミノ酸からタンパク質が合成されます。

これらの合成は「同化」です。

さらに、筋トレでそのエネルギー源である体内に蓄積されているグリコーゲンが枯渇すると、筋肉内のタンパク質を分解して糖化しようとします。

この分解は「異化」です。

つまり、代謝とは言い換えると、ちょっと難しいかもしれませんが、

「食物を摂取・合成・分解し、体内でATP(アデノシン三リン酸)を産生して、生命維持・活動に必要なエネルギーに変換すること」ということです。

さらに、この栄養素を摂取・合成・分解し、ATPを生産する過程を「エネルギー代謝」といいます。

アデノシン三リン酸(ATP)というのは、すべての生物界でエネルギー代謝の中心的役割をしている高エネルギー酸化化合物で、アデニン、リボース、リン酸によって構成されています。

そして、その変換効率がいいこと=「代謝が高い(良い)」、効率が悪いこと=「代謝が低い(悪い)」となります。

ATPの産生

ATP(アデノシン三リン酸)+水 → ADP(アデノシン二リン酸)+リン酸+「エネルギー」

このATPが加水分解されるときに発生する遊離エネルギーが、「生命維持・活動のエネルギー」です。

別の言い方をすると、ATPはこのエネルギーを溜め込んでいるわけです。

そのため「スタミがが切れる」=「ATPが不足している」ということです。

このためATPは下記の3種類の体内での産生方法があり、ATPの産生速度の速い順に

1.ATP-CP系

ADP(アデノシン二リン酸)とPCr(クレアチンリン酸)を利用してATPを産生

2.解糖系

グリコーゲンを分解する過程でATPを産生

3.酸化系

酸素と脂肪を利用してATPを産生

となります。

ATPを産生するためには、栄養素である糖質、脂質、タンパク質を摂取する必要があり、特に糖質、脂質がエネルギー源として重要になります。

太らないようにするためには糖質制限が大変効果的ですが、アスリートがスタミナを切らさないためにはある程度の糖質も必要になりまです。この辺のバランスが難しいところで管理栄養士の出番となるのですが、日本では古い概念にとらわれている栄養士も多いようで正しく指導できる栄養士がどれだけいるかは疑問が残るところです。

効率良くATPを産生してエネルギーを作ることが「代謝が高い(良い)」ということということがわかっていただけたかと思います。たくさん食物を摂取してもエネルギーの変換効率が低ければ(悪ければ)意味がありません。

それでは、代謝が低く(悪く)なる原因はなんでしょうか。

代謝が低い(悪い)原因

[運動不足]

筋肉・骨格の減少、血行が悪くなる、冷え性になる

生命エネルギーへの変換をする機会を減らし、代謝しづらくなる。また、筋肉量の減少にもなり、代謝効率の低下を招きやすい。

[加齢]

筋肉・骨格の減少、新陳代謝の低下

加齢に従って、骨格筋や各内臓器官の機能が老化、低下し、基礎新陳代謝量の低下する。

[鉄分不足]

血行が悪くなる、冷え性になる、肌荒れになりやすい、気だるさを感じる

上記のATP産生の酸化系で脂肪の燃焼(代謝)には、酸素が必要。しかし、血行が悪いと酸素を十分に運べなくなります。

そして、酸素を運ぶ役目をしているのが鉄分を原料にしているヘモグロビンです。

[体温低下]

血行が悪くなる、肌が荒れやすくなる、気だるさを感じる

長時間クーラーの効いている環境下では、体内の熱を逃がさないようにするため、血行が悪くなります。

さらに、体内でのエネルギー変換も低下し、代謝が低くなります。

代謝を上げるには

代謝を高めるには、上記の原因を考慮してそうならないようにすればいいわけです。

[筋肉をつける]

・筋トレをする

筋トレによって筋肉をつけ基礎代謝をあげます。また、体に負荷をかけるので骨密度も高くなることが期待できます。

筋トレをしたことがない人は、まず自重トレーニングから始めましょう。スクワット、フロントランジなどは下半身強化に、懸垂は背筋強化にとても有効です。ジョギングも全身運動で、筋肉肥大は期待できませんが、全身筋持久力がつき、心肺機能も高めます。これによって酸素供給量も増えてきます。

・タンパク質を意識的に摂取する

筋肉はタンパク質でできています。それ以外にも毛髪、皮膚、爪、内臓、ホルモンなどはすべてタンパク質でできています。人体を構成する物質では、水が約60%ほどですが、次に多いのがタンパク質です。

特に日本人はタンパク質の摂取量が脂質、糖質に比べて少ないので注意しましょう。加齢にしたがってタンパク質の吸収率が低くなるので中高年は特に摂取量を増やしましょう。お金に余裕がある方はプロティンパウダーを摂取してもいいでしょう。

[体温を上げる]

体温を上げることによって血流が良くなり、基礎代謝が上がることがわかっています。

体温が1℃上昇すれば、基礎代謝量は13%アップすると言われています。

お風呂やジョギングなどの軽度の運動も体温を上げますが、日々継続的にすることが大切です。

[鉄分の摂取]

鉄はもともと体内での吸収率が極めて低いミネラルです。吸収率が高くて30%程度です。

ビタミンCやクエン酸などを含む食物と一緒に摂取するとその吸収率が高くなります。

逆に鉄分の吸収を阻害する因子として、タンニン酸を含むコーヒー、日本茶、紅茶などとは一緒に摂取しないほうがいいでしょう。

鉄分を多く含む食物には、下記がありますが、動物系は植物系はより吸収率が高くなります。また、肉では赤身の多いほど鉄分が含まれています。

豚レバー、鳥レバー、しじみ、卵黄、ひじき、パセリ、切り干し大根など

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