筋トレ初心者には筋トレしてもなかなか筋肉が肥大しない人も多いと思います。私もその一人で50代の終わりから筋トレを始めてなかなか筋肉肥大をしなかったので体質なのかとも思ってしまいました。
そういう人には下記の記事を参考にして筋トレの重量・セット回数を再考してみてください。トライしてみる価値はあると思います。
前回の記事(「左肩周辺の筋肉痛の原因は無理なストレッチとオーバーワーク」)で大胸筋は遅筋より筋肉が肥大する速筋の配合率の方が多いが平行筋(紡錘状筋)なので回数を多くした方が筋肉肥大に効果があると書きました。
今回はもう少しその筋線維の並び方による筋肉の分類について説明致します。
筋線維の並び方によって筋肉は平行筋と羽状筋(うじょうきん)の2つに大別できます。(厳密に言うともう少し種類があります。)
筋肉肥大を目的とした筋トレでは、遅筋・速筋以外にこの平行筋・羽状筋を知ることでより効率的な筋トレが出来るのです。
[平行筋の特徴]
・筋肉の長軸(長手)方向に平行かつ直線的に並んでいる筋線維を持つ
・筋線維と筋肉の長さが同じなので筋線維が縮めば同等の長さの筋肉も縮む
・その結果収縮スピードが羽状筋よりも速い
・腕や脚を曲げるために必要な筋肉(屈筋)に多い
・代表的な筋肉部位は、大胸筋、上腕二頭筋、広背筋、ハムストリング(羽状筋だが平行筋に近い)、三角筋(前部・後部)など
[羽状筋の特徴]
・筋肉の長軸方向に対して筋線維が斜めに並んでいる
・筋線維が縮んでも筋肉はより短い長さしか縮まない
・1つ1つの筋線維が短く、多くの筋線維が詰まっている
・平行筋よりも強い力を発揮出来る
・腕や脚を伸ばすために必要な筋肉(伸筋)に多い
・代表的な筋肉部位は、上腕三頭筋、大腿四頭筋、腓腹筋、ハムストリング(平行筋に近い)、三角筋(中部)など
筋トレにおける平行筋と羽状筋の使い方
それでは筋トレで筋肉肥大を狙う場合どうすればいいのでしょうか。
・平行筋の場合:低重量、高回数
・羽状筋の場合:高重量、低回数
これは遅筋・速筋の場合の筋トレと似ており、遅筋(筋持久力向き)は平行筋、速筋(瞬発力・筋肉肥大向き)は羽状筋のような重量xセット回数になります。
また速筋・遅筋の詳細は「筋肉のはなし:遅筋と速筋」を参照願います。
ちなみに筋肉の主要部位の速筋・遅筋の配合度合いは下記の通りになっています。
筋肉部位による速筋・遅筋の配合度合い
・速筋>遅筋
大胸筋、上腕三頭筋、大腿四頭筋、ハムストリング、腹直筋、腓腹筋
・速筋<遅筋
大円筋、僧帽筋、三角筋、大臀筋、中臀筋、腓骨筋
・速筋≒遅筋
広背筋、上腕二頭筋
筋肉部位の筋トレ方法
先述の通り、速筋・遅筋の筋トレ方法は下記のようになります。
速筋・羽状筋:高重量、低回数
遅筋・平行筋:低重量、高回数
これら速筋・遅筋・平行筋・羽状筋から考えられる筋肉部位の筋肉肥大を狙った筋トレ方法は下記の通りになるのではないかと思います。
・高重量、低回数向き
大胸筋、上腕三頭筋、大腿四頭筋、ハムストリング、腓腹筋、腹直筋
・低重量、高回数
大胸筋、広背筋、大円筋、僧帽筋、三角筋、大臀筋、中臀筋、腓骨筋
また、ここでいう高・低重量、高・低回数とは下記を目安にしています。
高重量:75〜85%RM(RM=最大反復回数。繰り返し行える最大の回数)
低重量:65〜75%RM
高回数:15〜20回x3セットor 8〜12回x4〜5セット
低回数:8〜12回x3セット
注1)大胸筋はどちらでも効果がありそうですが、高重量x低回数で効果がない場合は低重量x高回数でやってみましょう。
注2)RMは最大反復回数のことで、繰り返し行える最大の回数です。例えば、5RMとは5回だけ持ち上げられる重量のウエイトを使用しているという意味にもなります。したがって、80%RMとはなんとか1回だけ持ち上げられる重量の80%の重量となります。
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