映画

相変わらずクセのある役者三国連太郎の演技が光った「にっぽん泥棒物語」

今日はJR阿佐ヶ谷駅近くにあるラピュータ阿佐ヶ谷で1965年制作の「にっぽん泥棒物語」を観てきました。

この映画館は古いユニークな映画特集をするミニシアターで、私は今回で3回目?の鑑賞となります。

超ザックリしたあらすじ

戦後間もない福島県での「破蔵師」と言われる土蔵破りがおり、主人公林田義助(三國連太郎)は普段もぐりの出張歯科医として働き出張先周辺の土蔵情報を集め、夜になると泥棒になるその道のプロでしたが飲み屋で知り合った芸者(市川悦子)を妻にしたのが運の尽き。泥棒と知らず妻が盗品を転売したことから足がつきまた刑務所へ。

そこに過去盗みに失敗して逃げる最中に線路で9人の見知らぬ男たちに出会うことに。そのときは何事もなく無事だったがまもなく杉山駅汽車転覆事故が近くで発生。奇しくも同じ刑務所に入れられた3人がこの汽車転覆事故の容疑者として逮捕されたことを知らされるが林田はそれに大いに疑問を抱いたのであった。

さらに刑務所にいる間に母(北林谷栄)が亡くなるも死に目に遭えず出所後真っ当な生活をして生きることを母の墓の前で誓う。

ダム建設現場で建設労働者として働くもそこで知り合った女性(佐久間美子)と過去を隠したまま結婚しいきがかりからまた田舎の歯科医になるが杉山事件のことを酒の勢いで昔の仲間(花沢徳衛)に漏らしてしまったことから杉山事件の裁判に巻き込まれることに。

そしてその事件では林田の昔の犯罪歴を知る安藤警部補(伊藤雄之助)に執拗に事実をねじ曲げられそうになるが….。

その他の出演者には若かりし頃の千葉真一や室田日出男らがいた。

またこの映画は実際にあった列車転覆事故の下山事件をモデルにしているのも特徴の一つです。

鑑賞後の感想

・何と言っても1965年制作なので当時8歳の私は今まで一度も観たこともない映画ですが以前もこの映画館で古い映画を観て思うのは導入音楽がかなりインパクトがありかつ出演者のテロップが大きく手書きの縦文字で表されていることが新鮮に映ります。

また映像が妙に懐かしく感じ、かつ大人になってからの俳優しか知らなかったのが若い頃の俳優を観る楽しみもあります。

・それにしても三國連太郎は本当、クセがある俳優だと改めて感じます。私にはあの顔や性格がくどすぎてあまり好きになれない俳優の1人なのですがしかし演技は上手いですね。台本を非常に読み込むことでも有名でした。

・土蔵なんて今でもあるのでしょうか。どう考えてもすぐに穴が開けられるような気がしますが。

・また千葉真一が弁護士として出演しているとは驚き。若い頃は顔もスリムで2枚目でした。

・安東警部補役の伊藤雄之助はその独特の風貌から悪役をやらせても妙に憎めないところがあります。古い映画によく出てきます。

・みなさん昔の俳優は演技がうまかったのですね。いろいろな新劇団から集合したようです。

終わりに

・ラピュタ阿佐ヶ谷はミニシアターで狭いのですが観客は女性1名を除いて全員が高齢男性でした。平均年齢は77、8歳でしょう。階段を降りる時もみなさん慎重にゆっくり下りてきました。以前この映画館で昔の映画を観た時には若い人も少し混じっていたのですが。

・私の前後左右はもう80歳を超えているような高齢者ばかりで後ろからは臭い吐息が匂ってきたほどです。この映画館は年金生活者御用達と言っても過言ではありません。

・監督は「傷だらけの山河」の山本薩夫、撮影は「飢餓海峡」の半沢半次郎。

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