ジムの筋トレコーナーで筋トレをしている時間帯にいつもその隣にあるバイクコーナーでペダルを漕いでいる70代前半のバンダナをかぶった高齢男性がいます。
この高齢男性にいつものように声をかける80歳前後の高齢男性に対してバンダナの男性は「今日は用事があります」と答えたのでした。
インターバル中にベンチに腰掛けて息を整えていた私は、ふと「用事」という言葉に引っかかっりました。
「今日は用事がある」と言ったことはない
「用事」かぁ。そう言えば私には「今日用事がある」なんて言ったこともないし、言う相手も「用事」と呼べるものもないことに気がつきました。
無職で独り者で物だけでなく人も断捨離している私には「仕事の用事」「家族関連の用事」「友人・知人との用事」など「他者と関係する用事」は皆無です。
お酒は飲みますが1年365日100%家飲みで外で飲むことはありません。ほとんど経済的理由ですが外で飲むことはもったいないと思うようになりました。したがって数少ない「知人・友人と夜飲む約束、用事」など全くないのです。
おそらく高齢者になればなるほど上記のような傾向が多く出てくるのではないでしょうか。
高齢者の一人暮らしは600万人
おそらくこういう生活をしている人は、引きこもり、独身のシニア、無職の中高年、極端な人間嫌いくらいなものでしょう。しかし、その数はおそらく数百万人いると思います。
日本の人口を1億2千万人のうち28%が65歳以上です。そのうちの平均17%(男13%、女21%, 2015年)が一人暮らしなのです。その数570万人。
2015年でこの人数なのですから現在では600万人を超えているのではないでしょうか。
高齢者に限定してもこの人数です。40代以降を含めるとその数ははるかに多くなるはずです。また今後もどんどん増えてくるでしょう。
独り者は自分のことだけに集中できる
私は別にこういう生活が嫌いではありません。一人でいることは単に気楽だからという理由です。昔から自分のことを考えるだけで精一杯という「自己中」「小心者」「不器用」なのでとても人のことまで考えられません。
自分だけのことを考えて生活するだけでも「大変」と感じるのです。時々「よく生きているな」を思ってしまいます。私が今まで生きれ来られたのは「本当にただ運が良かった」のだと思うのです。一歩間違うと犯罪者になるか自殺していたかもしれません。
案の定現役時代は仕事のことで精神的に余裕がない生活でした。退職(リストラだけど)してからこんなにも開放感があるとは思いもよりませんでした。それだけ自分では気がつかない大きなプレッシャーがあったのでしょう。
とても相手(家族)のことを考える余裕などなかったでしょうね。私の父の時代は仕事人間という言葉があり家族を顧みず仕事だけしていた男性は珍しくありませんでした。むしろそういう人間が「仕事ができる人間」と見なされたのです。
私も20代の頃はそう言った考え方を引きずっていましたが、30代、40代になるに従ってそれはおかしな考え方でもっと自分を大切にしようと思うようになったのですが相変わらず精神的余裕がなく結局自分のことだけで精一杯だったのです。
今の60代の独身者は今後も一人暮らしを望む
いろいろな統計で今の60代の独身者は残りの人生も一人暮らしを続けることを望んでいることがわかっています。
その理由はやはり「気楽」が一番に挙げられます。
マスコミの一部では独り者の高齢者を「孤独死」「孤老死」と型にはめ込んで伝えがちですが、実際の高齢者・高齢者予備軍はそうは思っていないのです。
「孤独死」「孤老死」は
・シニア(中高年)
・一人暮らし
・経済的困窮
・社会との断絶
の4要素を持った環境下にある人に該当する場合があります。
私などは上記上から3つが該当し、4番目の「社会との断絶」にはならないようにブログを書いています。また年末には実家に行くようにして家族との「細い糸」をつなげています。しかし、実家は北海道なので交通費がかかりいつまでいけるかが問題。毎年「もう来年は来れないかもしれない」と東京に帰るとき玄関口で言いそうになります。
さらに亡くなった本人が生前「孤独」「孤老」だと思っているかどうかはまた別の話。マスコミのような他者が勝手にそう決め付けているだけです。
一人暮らし高齢者の心得
・シニア、特に定年退職者は周囲の情報に流されることなく好きなことをしていきましょう。価値基準はあくまで自分基準です。
・男性の介護要年数は9年、女性は12年と言われています。女性が長いのは女性の方が寿命が長いからです。
9年も介護が必要な生活なんて考えただけでもゾッとします。また介護保険料だけ賄うことはできませんので介護を要するとなると月々の別途費用がかかってきます。
そうらならいためにも積極的にジムへ通ったりスポーツをしたりしましょう。
・何らかの社会との接点を作っておきましょう。実家との連絡も年に1度でいいですので取っておきましょう。一種の保険になります。
・家に引きこもらず積極的に外出しましょう。脳や体に刺激を与えます。
・病気になるとお金がかかると常に頭にインプットしておきましょう。
・パソコン、スマホでブログを書きましょう。頭の体操になるだけでなく「超運が良ければ」小遣い稼ぎができます。
・退職金(あれば)を投資に使うのはじっくり考えてからにしましょう。投資で誰でも利益が出るのであれば皆さん大金持ちになっているはず、と理解することが大切です。
・お金、体力がなければ駐輪場の管理人にトライしてみましょう。東京であれば時給1000程度はでます。週3回程度、1日3〜5時間程度と色々なパターンがあります。
・貧乏でも毎晩身体を洗い身だしなみには気をつけましょう。特に加齢臭には気をつけまた清潔感のあるヘアスタイル(短髪)にしましょう。
・歯はしっかり毎日磨きましょう。虫歯、歯周病などで抜歯の数が多くなると食生活に支障をきたし、ひいては健康に問題を起こします。また治療費もかかるのです。お金がなければ歯磨きなしでも磨きましょう。歯磨きは不要という歯科医いもいます。
・たとえ貧乏でも食事はきちんと3食摂りましょう。高齢になるに従って少食になり、かつ食物の消化・吸収が悪くなります。3度に分割して栄養素を摂取しましょう。健康を害せばお金がかかります。
・図書館や書店では間違ってもツバをつけて新聞や本を読まないようにしましょう。
・近く死の不安から新興宗教に入ってお金(あれば)を使うのをやめましょう。
・今から葬式は直葬、家族葬で十分と心得、身寄りがあればハッキリ伝えておきましょう。
・独り言は家の中で言いましょう。間違っても外で言うと「頭がおかしい」と思われます。
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