ロシアのウクライナ侵略がまだ続いています。
日本を含む欧米はこぞってロシア非難をしてウクライナを擁護しています。
数百万人のウクライナ人が周辺国へ避難しなんとか受け入れられています。
日本も負けじと337人(3月30日時点) のウクライナ人が避難のために来日しました。
さらに20名ほどが日本政府専用機で日本へ避難しそうです。
もちろん日本はG7のメンバーですから欧米と歩調を合わせてロシアへの制裁を強めており、ウクライナへの経済的支援もアジアではダントツでしょう。
また日本はウクライナに対して原発問題(東京電力福島発電所)、戦争(日露戦争)、領土問題(北方領土)などでロシアに対して共通の問題を持っているので共感しやすい条件があることは確かでしょう。
なぜ日本人はここまでウクライナ人に共感したのか
しかしチェルノブイリ原発がウクライナにある、日露戦争でウクライナの騎馬隊ロシアの命令で嫌々ながららしい)と日本兵が戦ったことなど今の日本人がどれだけ知っているでしょうか。
ウクライナとロシアは何度も戦っていることも知らなかったでしょうし、ウクライナ人と日露戦争で戦ったなんてほとんどの日本人は知らないのではないでしょうか。
ある程度共通項はあっても日本人はここまでウクライナに対しては共感しないでしょう。
やっぱり共感する理由はSNSのせいです。
スマホなどから撮った映像を世界中にライブ発信することができたので世界中の人たちがこのロシアの侵略をさも身近で起こったような疑似体験をしているのです。
また毎日のように日本のメディアもウクライナ侵略を報道しているで共感疲れを起こしているほどです。
それと欧米がウクライナに共感するのはウクライナ人が欧米と同じ白人だからです。
同じ青い目を持つ白人が侵略に遭っていることに対する共感があるのです。
もちろんポーランドやバルト3国のようなウクライナ周辺国は明日が我が身なのでより共感力が強くなっているのです。
欧米はシリアやアフガニスタンの難民に対しては入国拒否するくせにウクライナ人(白人でキリスト教徒)に対しては寛大になるのです。
欧米ではこの心理的要素は非常に大きいと思います。
逆に日本は白人ではないのになぜこれほどの共感を持つのかというと、
・判官贔屓
・共感力が強い
・独裁者プーチンが嫌い
・白人に甘い
これらの日本人の性格的傾向にSNS発信で共感力が倍増したのでした。
しかしウクライナへの共感は当然のことと思いつつ何か変だな、という違和感もあるのです。
ヨーロッパ以外の侵略の被害者に欧米が冷たいのはなぜか
先述の通り侵略の被害者はウクライナだけでなくシリアやアフガニスタンの人々、さらに中国の新疆ウイグル自治区のウイグル人なども侵略の被害者です。
しかしこうした被害者への共感力が欧米ではウクライナ人ほどはありません。
それは、シリア人はアラブ人でイスラム教徒であり、アフガニスタン人はイラン系、トルコ系、モンゴル系などのアジア系でイスラム教徒だからです。
また中国のウイグル人はアジア系でイスラム教徒です。
つまり非白人で非キリスト教徒だからです。
世界の先進国の中には中国のウイグル自治区の問題をあげる人も結構いるのですがウクライナ人に対してほどではありません。
さらに日本人はというとシリア、アフガニスタン、ウイグル自治区のことなど遠い世界の話としか思えないのです。
これは多分に日本列島が圧倒的に日本人が多く住んでいるから他人種、異教徒に対しての共感がないからです。
つまり日本にいる限り人種差別問題に関しては無関心、無自覚なのです。
その日本人が海外へ行くと自ら人種問題に直面するので日本で人種問題に関心を持つ人はほとんど海外生活の経験者に限られることになります。
それと宗教に関して言えば、日本人はイスラム教に関してはIS問題がなくてもキリスト教よりも否定的です。
これは日本の歴史においてキリスト教の方が早く布教活動を始めたからと同時にイスラム文化よりも映画や音楽のような欧米文化が日本に多く流入しているからです。
先述の通り日本人が黒人やアジア人よりも白人に甘いのは、戦後のテレビドラマ、映画、音楽などのアメリカ文化のシャワーを日本人がたくさん浴びたからです。
豊かなアメリカへの憧れがアメリカ白人文化への憧れになり、さらに白人そのものに憧れてしまった結果、白人に甘い人間になってしまったのです。
もう10年近く前に若いアメリカ人(白人)が日本に来て日本人の白人に対する接し方は1980年代のアメリカのようだと言っていました。
この時代のアメリカはまだまだ白人優位社会で黒人、ヒスパニックなどが人種問題を多く取り上げてパワーをつけ(まだパワー不足ですが)逆に白人中産階級が埋没した現在より前の話です。
ウクライナ人も人種差別をしている
ウクライナから周辺国へ避難するのは何もウクライナ人だけではありません。
ウクライナには7〜8万人のアフリカからきた黒人がいます。ほとんどが留学生やそこで学んだ知識を生かしてそのままウクライナに就職した黒人です。
彼らはウクライナ人同様ウクライナを脱出しようと何とか国境までたどり着いてもウクライナの国境警備員にウクライナ人もしくは白人を優先させて黒人は足止めを食ったり警棒で殴られたりしたのです。
まだ電車に乗り込む時点でも同じ避難するウクライナ人に嫌がらせを受けたり荷物を電車の外に放り出されたりしたのです。
アジア系も被害にあったらしいのでひょっとすると日本人も何かしらの人種差別を受けた可能性もあります。
そんな国にせっせと支援金を送る日本人はお人好しとも言えます。
もっともここは目を瞑って、中にはそういう人種差別するウクライナ人もいるだろうけど多くのウクライナ人はそうではないだろう、と善意に解釈しましょう。
終わりに
さっさとプーチンが死んでくれればいいのにと思っている人は世界中たくさんいるでしょう。
ただしそれをいうとインテリではなくなるので言えないのでロシア制裁と同時にプーチンの政策の改めを強く要望するということに抑えているのです。
アカデミー賞授賞式でのウィルスミスのビンタを非難する人と同じです。暴力は絶対に許すべきではないというのはそう言わないと紳士ではなくなると思い込んでいるインテリ(もどき)がいるからです。
あるいはあまりにも暴力的な社会であるアメリカ故に公式ではそう言わなければいけなかったのかもしれません。
日本人も海外へ行くと人種差別されるくせに日本国内では人種差別問題には疎い日本人が多いのが現状です。
それは日本の入管問題からもわかります。もうこれは完全に人種問題です。
この問題も解決できずにウクライナ人を積極的に受け入れるなんてよく言えたものです。
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