フランスのアニメ映画を観た後まだまもないのですが、ちょっと気になった映画というか映画館があって今日行ってきました。
それはラピュタ阿佐ヶ谷です。
ラピュタ阿佐ヶ谷はJR中央線阿佐ヶ谷駅北口徒歩5分程にある一種独特な建物。
ラピュタ阿佐ヶ谷のラピュタは「天空の城 ラピュタ」から?
まずこの映画館名に興味を持って上映スケジュールを調べると本日鑑賞した「ペン偽らず 暴力の街」と言う映画があって観ることに。
別にこの映画が観たいというよりもこの不思議な映画館に行ってみたいと言う気持ちで選択。
どうもこのあたりは阿佐ヶ谷の小さくてユニークな飲食店がズラリと並んだスターロードという飲み屋通り(朝まで立ち飲みができるので「朝立ち」とも言うようです。)と住宅街の境界線上にありました。
以前何度かチラッと見てこのユニークな建物はマンション?と思っていた建物でした。
ラピュタと言えば宮崎駿の「天空の城 ラピュタ」を連想してしまうのですが何か関係があるのか。
建物は何となくそれらしく感じますが。
「ペン偽らず 暴力の街」の超ザックリしたあらすじ
1950年制作で実在の話。
原作は朝日新聞浦和支局同人となっており、現場は埼玉県内の一地域ということになります。
ここで警察、検察、地元の暴力団らが結託し利権を貪っていたところに東朝新聞の新しく配属された記者がこれらの利権関係者の宴会とは知らず出席してしまい利権絡みの記事を書いたことから権力側からの嫌がらせが始まり、東朝新聞支局が一丸となってこの地域に広がる数々不正事件を暴いて行こうとします。
当初は地域住民も暴力団を怖がり非協力的でしたが東朝新聞の果敢な取材ぶりに青年団ら若手が協力するようになって市民団体化していきます。
そして最後には検察、警察関係者は左遷か総辞職となり暴力団組長は逮捕されるのです。
記録映画にもなっている
またこの映画は当時の戦後間もない日本の地方社会の映像の残した記録映画にもなっています。
出演者をはじめ映像に映っている街の人の顔はもう戦後まもない日本人の顔といっていいのではないでしょうか。今の日本ではどんな田舎にいってもあんな田舎くさい顔にはお目にかかれないでしょう。
またまだ軍帽をかぶっている人が多くいたり着物姿も多数目にしました。
出演者は名前と顔が一致したのが唯一志村喬です。あの黒澤明監督の「生きる」に主演した俳優です。
それ以外にも私が子供時代に見たテレビドラマに出演していた俳優さんが何人もいましたが名前が思い出せません。みなさん若い、若い。
それにしても志村喬さんて昔から老け顔だったんですね。
この映画はわたしにとって結構新鮮で昔の日本はこうなっていたんだとか、そう言えば昔はどこでもタバコを吸っていたんだとか、宴会とは芸者を呼んで歌ったり踊ったりするんだとか、酒の入ったコップを飲んでその水滴を切るような仕草をして同じコップで相手に飲ませるとか。
田舎に行けばまだこのような風習があるのかもしれませんね。
警察も今以上に権力があって権威主義的であり、かつ男性社会でした。
今思うとずいぶん衛生的にも社会構造的にも汚い社会だったんですね。
観客は高齢者ばかりのラピュタ阿佐ヶ谷
映画館に入るとすぐ横が受付で若い綺麗な女性が入場券の販売をしていました。どうしてこんなところにこんな綺麗な女性がいるのだろうと思うくらい綺麗でした。
中は写真の通り狭いのですが高齢者で混んでいました。座席数48席で25人位。入場券に入った番号順に呼ばれます。
もう年金生活の高齢者ばかりで入った瞬間加齢臭が匂いました。
平均年齢は70代半ばといったところでしょうか。
この映画館はどうも昔の映画ばかり上映するようで9月中旬までこの作品を含む山本薩夫監督の映画を上映しています。
山本薩夫って誰と思いウキペディアを見るとどこかで共産党に入党してしまった人で兄弟には山本学、山本亘らがいます。
終わりに
この映画は社会派映画であり独立プロの映画でもあります。
原作が朝日新聞浦和支局同人となっており当時の朝日新聞はまだ新聞記者として燃えていたんすね。
今の新聞記者には見る影もなし。
みなさんサラリーマン記者ですから。
この映画館は館内に入るためには一旦外に出て外階段で館内に入らなければならないというユニークな作りになっていました。
座席はレザー張りでクッション性は良くミニシアターにありがちな前席の人の頭で映画が観れなくなるということもありません。
昔銀座の並木通りに並木座という映画館があって何度か行ったことがありますが前席の客の頭で前がよく見えない時が多々あり映画に集中できないことがありました。
場所を覚えたのでときどきネットで上映スケジュールを調べてまたあの綺麗な女性にお目にかかりたいと思います。ちょっと冷たそうだったけど。
ちなみにシニア・子供は1,100円で一般は1,300円。
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