アイキャッチ画像:映画.com
新宿東口から徒歩5分の目立たないところにあるミニシアターK’s cinemaにてシェアの法則を観てきました。
この映画館は昔「新宿昭和館?」とかいう名前のボロい映画館だったはず。上映映画も確か任侠ものやポルノ映画だったような気がします。
今ではすっかりリニューアルされ上映映画も上記とは異なり上品な映画が多くなりました。とはいえマイナーな映画ばかりですが。
「シェアの法則」の超ザックリしたあらすじ
この映画はもともと劇団青年座で上演したものを映画化したものです。
舞台は東京(豊島区)。
春山秀夫(小野武彦)は妻の喜代子(宮崎美子)の住む自宅を改造してシャアハウスを始めるがそれに馴染めない秀夫は自宅近くの自分で経営する税理士事務所で寝泊まりしています。
そのシャアハウスには多種多様な個性溢れる人たちが共同生活をしているのでした。
喜代子が採算を度外しててシャアハウスをしているのが秀夫の不満の種。
そんな生活のなかである日喜代子が事故で入院。
そこでシャアハウスの大家として夫の秀夫が一時的にシャアハウスに住む羽目になります。
さらに春山夫婦には同性愛の息子がおり飲食店経営に乗り出すのですが邪魔が入ってなかなかうまく行かず。
古い考え方の夫の秀夫はシェアハウスでの共同生活や息子との人間関係に不満タラタラです。
しかしある事をきっかけに秀夫の感情に変化が訪れます。
予想外に面白かった「シャアの法則」
この映画の主演はテレビや映画、舞台で名脇役の小野武彦が初めて主演した映画らしい。
名前を知らなくても顔はどこかで見かけたことがあるはず。
主演と言っても腋専門だったので突出して目立つところはありませんがそれが映画全体がバランス良く流れて行きました。
別の言い方をすると主演オーラが全く出ていません。(もともとオーラがない人なのでしょう。)それがこの場合良かったのかも。
この映画には外国人の不法労働、LGBTQ、ひきこもり問題など現在の日本社会の問題が散りばめられています。
しかしそれを深追いするのではなくどちらかというと各事象(出来事)の要所を押さえつつもポンポンと流していきます。
終盤はなんとなく予想ができる展開でしたがそれでも結構感動したりするのです。
それはやはり各出来事が身近に起こっているものであり身につまされるからでしょう。
もともとお芝居のための脚本でしたので時代の現在地点を表現しているはずです。
日本人がハマりやすい映画となっています。
なぜ東京ではK’s cinemaだけでしか上映しないのかわかりません。
勿体無い。
映画の上映に先立ち脚本を手がけ自らも出演している岩瀬晶子が舞台挨拶をしました。上映後も監督をはじめ2人の俳優が舞台挨拶に立ちましたが私は興味なかったので退出。
出口には次回の映画「あっちこっち じゃあにー」の監督がチラシ配りをやっていました。
映画って大変ですね。
終わりに
客席が50〜60席ほどの映画館に7割ほどの入りでした。しかも1日1回のみの上映です。
昼間の上映なので年金生活者が多いのですが若い女性も目立ちました。
最後は拍手まで出てくる始末。
日本人の涙腺を刺激する映画になっています。
先述の通りなぜこの映画が東京でこのミニシアター一館のみの上映になっているのか不思議です。
日本映画業界の「闇」ですかね。
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