今日は、加齢による筋肉の低下のしくみについてお話しします。
加齢によって筋肉量が減少していくことをサルコペニアと言いますが、40歳あたりから筋肉量の減少が目に見えてきてます。
下半身の筋肉量の減少もありますが、腕の減少が顕著のようです。
この筋肉量の減少により、高齢者が歩けなくなって行動範囲が狭くなり、一人では移動もできなくなって最後には寝たきりになったりします。
そのため高齢者が人の介護を必要とせず、最後まで自立した生活をするためには、筋肉量を極力減らさないことが必要になってきます。
経済的な余裕も全くなく、介護してくれる人もいない独り者の私などは筋肉量の低下は死活問題になってくるのです。
登山のために始めた筋トレですが、このような加齢の問題があることが段々わかってくると筋トレをやっていて本当に良かったと思っています。まだ、筋トレ歴4年目ですが。
それでは、加齢による筋肉量の減少のシステムとその対処法を説明致します。
簡単に考えれば、筋トレをして筋肉量の減少を抑制もしくは増加させればいいようなものですが、それがベストとは言えないようです。
目次
加齢による筋肉量の減少のシステム
加齢
↓
慢性炎症が起こる
↓
炎症性サイトカインの生成(異常部位から炎症シグナルとして)
↓
・筋タンパク質の合成を促進する「タンパク質キナーゼ」(mTOR)の分泌を抑制
・筋タンパク質の分解を促進する「ユビキチン・プロテアソーム」(UPP)の分泌を活性化
↓
筋肉の減少(サルコペニア)
慢性炎症とは
ここで、「慢性炎症」について説明しますと、
細菌・ウイルスへの感染や外傷などにより誘導されて赤み・発熱・腫れ・痛みなどが現れますが、これを「急性炎症」と言います。
一方、くすぶるよう低レベルでの炎症が持続・慢性化した状態を「慢性炎症」と言っています。
炎症は本来体を守るためのシステムなのですが、それがうまくコントロールできなくなって機能が低下してしまうのです。
細菌などの異物が体内に侵入すると免疫細胞から活性酸素を出して、異物を除去するのですが、このコントロールが効かなくなると、活性酸素が出続けて臓器機能の低下などの悪さをします。
これが「慢性炎症」です。
慢性炎症の原因には、
- 老化による死んだ細胞の処理能力の低下
- 内臓脂肪の増加
- 免疫機能の低下
などが考えられます。
加齢による筋肉量の低下の予防法
それでは、どうすれば筋肉量の低下を防げるのでしょうか。
筋トレ+アミノ酸BCAAのロイシンの摂取
筋トレとタンパク質の摂取によって筋タンパク質の合成を促進させます。
その中でもアミノ酸BCAAのロイシンが筋タンパクキナーゼ(mTOR)の合成を1番促進すると言われています。
有酸素運動によって内臓脂肪を減らす
ジョギングなどの有酸素運動によって内臓脂肪を減らし、慢性炎症の予防(炎症性サイトカインの分泌の抑制)をします。
筋トレと有酸素運動の並行トレーニング
上記の筋トレを有酸素運動を並行してやると筋トレの減少がさらに抑制することができます。
抗炎症作用は、(筋トレ+有酸素運動)>有酸素運動のみ
なのです。
したがって、加齢による筋肉量の減少を予防するためには、筋トレ+有酸素運動が非常に効果的となります。
今や国を挙げて高齢者の筋トレを奨励しています。
それはそうでしょう。老化に伴う医療保険料がかさみ財政が苦しくなっているので政府としては高齢者による医療負担を少しでも減らしたいのです。
私が行っているジムでも時間帯にもよるでしょうが、高齢者が続々きます。
中には自宅からジムに来るまでが最大の運動のようなおじいちゃんまでいます。
さらに杖をついてくる人、補聴器をつけた人、電動車椅子で来る人もいますから。
靴下や下着だけでなくズボンをはくのにも椅子やベンチに座ってしないとできない人たちです。
もうお尻の筋肉がなくなって皮下脂肪が垂れ下がり、顔の表情もなくシミだらけで、歩く姿がゼンマイ仕掛けのロボットのような歩き方の老人たちは、それでも着替えて何かしらの運動をしています。
よくやっていると思いますよ。おそらくジムに来ると同年代の同じような人たちに会えるから、と言うのもジムに来る理由の1つでしょうね。
以前は健康な老人が病院のロビーにたくさん来るという話がありましたが、今やそれが病院のロビーではなくジムなのです。
私の10年後、20年後はジムに来ているのかどうか、あるいは生きているのかどうかもさえわかりませんから。
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