アイキャッチ画像:Tezuka Osamu official
「いつまで生き続けるのか」ではない、「どう生きるか」なのだ。
アニメVivy-Fluorite Fly’s songの一節。
このアニメは全く見知らぬ代物でしたが面白い無料アニメや海外ドラマがなかったので適当にピックアップして見た無料動画です。
人間と人型AI人ロボットとの戦いの中でAIロボットが語った言葉。
何も期待しないで見ていたので久しぶりに忘れていた言葉を聞いたので心に沁みました。
特に会社を定年になった高齢者には少なからず心に引っかかる言葉ではないでしょうか。
ただ全話見たいアニメかというとそれはまた別の話。
昔々手塚治虫が描いた人型ロボットの「鉄腕アトム」というアニメがありましたがこのアニメでも出てきそうな言葉です。
年収が米中の半分の日本のアニメーター
昔は日本はダントツで産業ロボットの生産台数及び利用率が高かったのですが今では、AI系は米中に一周遅れの位置にいます。時代ですね。
また日本のアニメーターの仕事環境が劣悪なため転職してしまうアニメーターが多いと聞きます。
先日のニューヨークタイムズでも日本のアニメーターの収入が低く社会福祉士だったか介護士だったかに転職した話が出ていました。何やらアメリカのアニメーターの年収の半分程度らしい。
さらにデジタルニュースで日本のアニメーターは中国のアニメーターよりはるかに低収入で今では中国アニメの下請けを日本のアニメ製作会社が請け負っているようです。
参考までにアニメーターの平均月収は、
杭州(中国):52万円
北京(中国):45万円
日本 :17.5万円
もう中国の半分以下です。情けないというのか悲惨というのか。
これでは日本のアニメーターはまともに生活できません。どうしてもアニメーターをやりたいという人はバイトをしながら続けているという話。
さらに自宅で一人アニメーターとして働き、描いたものを製作会社の社員が車で取りに来るという非常に非効率な、そして孤独な生活を送っているケースも多いのです。
どうしてこうなってしまうのでしょうか。
それは製作委員会というシステムにあります。
アニメでなくとも一般映画でも「xxx製作委員会」という字幕が出てくるのを見たことがあるでしょう。
製作時にテレビ放送局、出版社や広告代理店などが映画に出資して利益が出れば彼らで分配するシステムです。
このとき出資しないアニメ製作会社(270社程度)は還元されず仲間はずれ。
もちろんアニメが当たらなくて赤字になるとそれは出資者の赤字になりアニメ製作会社には負債はありません。
2019年のアニメの市場規模は2兆5,112億円でしたが、製作会社の売り上げは2,427億円と市場規模の10%程度。
この製作委員会システムにアニメ製作会社も出資すればよさそうなものですが製作会社のほとんどは零細企業なので出資金がなくまたあったとしても赤字になったら即倒産になる可能性もあり。
如何ともしがたい状況なのです。
先進7か国中最低の日本人の平均年収
しかしこれは日本のアニメ界だけの問題ではなく日本の会社全体にいえることなのです。
2019年の日本人の平均年収は、
・OECD37か国の中で24位
・先進7か国で最下位
もうお判りかと思いますが以前から言われている通り日本人の年収があまりにも低すぎるのです。
その原因はいろいろあるでしょうが基本的に会社が利益を社員に還元せず会社にプールしているからです。
日本人に刷り込まれたDNAです。そう「何かあったときのためにとっておこう」とお金をプールしておくのです。
これが発揮されたのが新型コロナ禍。
多くの会社の売上が落ち込みましたが日本は欧米に比べて完全失業率は低いのです。
これは何かあった時のためにプールしておいたお金がものをいっているわけです。
日本人は賃金が低くても売上が落ちても解雇がしない会社がいいのか、売上が落ちたら解雇されてもいいから賃金が高い会社がいいのか、どちらでしょうか。
会社組織に入って安心感を得たい傾向がある日本人は安い賃金に甘んじる人たちがまだまだ多いのではないでしょうか。
まとめ
アニメでも心に沁みる言葉が出てくるときがあります。
しかしその作り手は悲惨な仕事環境にあるのです。
どうすれば日本のアニメーターが少なくとも日本人の平均的な年収を得ることができるのでしょうか。
私から言わせて貰えば彼らは特殊技能を持っているわけです。
しかし、日本は技術大国といわれていますが技術系の給与が低いのも事実です。給与が低いというのはその技術を正しく認めていないということに他なりません。
「匠の技」「職人技」などと褒められても収入は低いのです。
手塚治虫の時代からアニメを見続けてきた私としては日本のアニメ業界の現状を非常に危惧しています。
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