ジムで筋トレをしているとフリーウエイトコーナーの混雑具合からパワーラックを予約待ちにしなければなりません。午前中はリタイヤしたシニアが多く、夕方からはサラリーマンが多くなるので混雑時を避けて午前から午後にかけて筋トレをしています。
それでもたまに予約待ちしなければならない時は通常は筋トレ後にやるトレッドミルでのウォーキングを最初にしています。
先日もウォーミングアップ代わりに20分程最大傾斜で4.6km/h(普段は5~6km/h)でウォーキングしました。山道を意識して常に最大傾斜にしています。
しかしこれが曲者で上半身の筋トレの場合は20分程ウォーキングをしてもいいのですが下半身の筋トレの前には20分は長すぎることに後で気が付きました。
目次
トレッドミル20分後の下半身の筋トレは筋肉疲労する
筋トレを始める頃には体が十分温まっていることを感じます。
(1)40-45kgバーベルフロントランジを3セット。もう汗が出てきました。普段は最初のこの筋トレでは汗はかきません。しかもちょっと重くきつい感じ。前回は50kgまでやりましたがこの日は出来ませんでした。
(2)14kgx2ダンベルブルガリアンスクワット3セット。4セットやろうと思いましたができませんでした。汗が止まりません。
ウエイトを落としてさらに12kgx2のブルガリアンスクワットを1セット。
(3)10kgのプレートを両手で頭上に高く持ち上げそのままフロントランジ1セット。右脚を踏み込んだ時右膝外側の腸脛靭帯に痛みが走りました。
(4)+10kg加重でワイドスタンスフルスクワット3セット。これはパラレルグリップ懸垂をしている時にやっている筋トレです。+10kgのプレートをトレーニングベルトに装着して懸垂とフルスクワットをしています。この時は息が少し上がりましたがその他の異常は見られませんでした。
下半身中心の日の筋トレはこれらの種目をやっていますが、20分の最大傾斜でのトレッドミルをした後ではやはり筋肉疲労してウエイトをかけられないなと感じました。
筋トレ前のトレッドミルは10分程度にすべき
筋トレ前に有酸素運動をする場合は筋肉疲労を考慮してウォーミングアップ代わりに10分程度トレッドミルでウォーキングするほうがいいでしょう。この時間はあくまで私の経験です。当然ながら筋肉疲労のタイミングには個人差があります。
従来筋トレ後に有酸素運動したほうが効率的な脂肪燃焼が行われると言われています。それは筋トレで脂肪を脂肪酸(のち遊離脂肪酸となる)とグリセロールに分解し、有酸素運動で遊離脂肪酸を酸素を使って燃焼させるからです。
このため筋トレ後に有酸素運動をすることがダイエットをする人には効率的なトレーニングスタイルとなるのです。
しかし筋肉肥大だけを狙っている人にはこういう有酸素運動はどうなのでしょうか。
ボディビルダーは有酸素運動はNG
1gでも筋肉が欲しいと考えるボディビルダーのような筋肉肥大を狙う人たちにとってはこのトレーニングスタイルは減量期を除きNGとなっています。
その理由は有酸素運動は体脂肪だけでなく筋肉も分解してしまうからです。
マラソン選手や市民ランナーの体形を見れば一目瞭然でしょう。全身が細身で特に上半身はガイコツのようです。プロのトレランナーは下半身(大腿四頭筋)が発達している人が多いのですがやはり上半身は細身です。
これは使わない筋肉がどんどん退化していくからです。またマラソンは軽量の方が好成績を残せると信じられているからでもあります。
しかし、筋肉が少なくなると基礎代謝も落ち、体温も低下する傾向にあります。そして体温が低下すると代謝能力も落ちることがわかっています。
プロアスリートのような体形を狙うのであれば筋トレ+有酸素運動
結局のところどんな体形になりたいかによって筋トレと有酸素運動の組み合わせは決まってきます。
ボディビルダーの中には有酸素運動100%NGという人もいるくらい筋肉肥大に関して繊細です。
しかしプロサッッカー選手やラグビー選手などはその運動内容から筋トレと有酸素運動をこなしています。それでいてあのような筋肉バリバリの体形になるのです。
体操選手は筋トレをしなくても自重だけであのような体形になるのです。また有酸素運動の効果として心肺機能の向上もあります。心肺機能アップは筋トレにも有利なのです。
したがって有酸素運動をやみくもにNGにするのは間違いなのです。
どの程度の有酸素運動をしても筋肉肥大に影響はないのか
この問題は大変難しいのです。おそらく誰も回答できないのではないでしょうか。海外の大学の研究室レベルではある程度調査されているようですがどこまで信用できるものかわかりません。
蓄積できる筋グリコーゲンの量、血中の糖度・脂肪酸の量、摂取するタンパク質・糖質・脂質の量、睡眠の質、十分な水分(筋肉の75%は水分)・ビタミン・ミネラルの補給、筋肉総負荷量、有酸素運動時の心拍数などを考慮しなければなりません。またそれぞれの栄養素の分解・吸収能力には個人差があるのです。
マラソン選手や市民ランナーの「30kmの壁」とか「35kmの壁」はこれらのランニング距離で筋肉内に蓄積されたグリコーゲンが枯渇するからです。
毎月200km以上走っている人は筋グリコーゲンの蓄積量が一般の人より多いと考えられます。したがって一般の人が30kmまで走っても筋肉は分解しないというのは間違いです。
有酸素運動のエネルギーの消耗は、まず筋グリコーゲン、血中の糖分・脂肪酸・アミノ酸が分解しその後体脂肪や筋肉の分解の順に消耗しますが、これがきちんとこの順番通りになるとは限りません。むしろ同時進行する可能性が高いのです。
例えば、かつて最初に糖分がエネルギー源となり運動後20分で脂肪が燃焼すると言われていましたが、これは嘘で実際は糖分と脂肪酸が同時に燃焼しますが、その燃焼比率が最初は糖分の方が燃焼しやすいというだけです。その後糖分と脂肪酸が同等に燃焼するようになります。
また筋グリコーゲンが枯渇する前に他のエネルギー源が燃焼し始めると考えるのが「生命維持の恒常性」から考えても自然です。
ただし一般に言われているのはボディビルダーのような体形を希望しない限り、筋トレ後60分程度の軽中度の有酸素運動(下記心拍数参照)では問題ないでしょう。
特にダイエットをする人には筋トレ後の有酸素運動は効果的です。ただし脂肪燃焼ゾーンというのがありますので「最大心拍数(220-年齢)x0.6」の心拍数でジョギング(ウォーキング)などの有酸素運動をすると脂肪燃焼に効果的です。
筋肉は日々分解と合成を繰り返しているので「プロのアスリート」でない限りそれほど気にする必要はないのです。
ただし何時間(1時間以上)も有酸素運動をしたい人は、筋トレ日と有酸素運動日を分けるべきです。
また筋トレで筋肉肥大を狙うのであれば高強度のランニングは避けるべきで軽いジョギング程度に抑えましょう。
大事なのは食事と睡眠
大事なのは食事と睡眠です。やはりタンパク質を意識して多めに摂取する必要があります。よく言われるのが体重(kg)x2g/日。体重60kgの人であれば1日に60×2=120gのタンパク質が必要摂取となります。
特に中高年はタンパク質の分解吸収能力が落ちてきますので多めに摂取することを意識しましょう。
別に豚・牛肉の赤身を摂取しなくてもいいのです。鶏の胸肉・ささみ・青魚・大豆系(納豆や豆腐など)・卵などで十分です。プロティンは不要です。
ただしもしこれらを摂取できない人がいればプロティンを摂取しましょう。
それ以外に腸内環境を良くするために海藻類やキノコ、キャベツ、ブロッコリなどの野菜類を積極的に摂取しましょう。
睡眠も大事で特に寝入りばなのノンレム睡眠では成長ホルモンを分泌します。脳内から分泌された成長ホルモンは肝臓でIGF-1という物質を分泌させる作用があり、このIGF-1が筋肉合成を促進するのです。
まとめ
・筋トレ後の有酸素運動は脂肪燃焼に効率的でありダイエットしたい人はこの方法をとりましょう。
・筋トレ、特に下半身の筋トレ前の有酸素運動は10分程度にしましょう。
・筋トレ後の有酸素運動は60分以内にしましょう。
・何時間も有酸素運動したい人は筋トレ日と有酸素運動日を分けましょう。
・1日体重(kg)x2gのタンパク質を摂取するようにしましょう。
・1日最低2リットルの水を摂取しましょう。(ただしコーヒー、お茶、清涼飲料水、アルコール、食べ物の水分は除く)
・睡眠をしっかりとりましょう。
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