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毎年朝日新聞社などが主催している甲子園を目指した高校野球が春夏にあります。
特に夏の甲子園高校野球は夏の風物詩と言ってもいいほど大勢の日本人を魅了していますが個人的には私はこの甲子園野球が大嫌いなのです。
小学校時代は大の巨人ファンで自らも少年野球(現在のリトルリーグ)に参加していたほどの野球好きでしたが、中学校に入っていったんは野球部に入るも頭髪を5厘にしなければならないと知り即退部しました。
なぜ坊主頭にしなければならないのか当時から理解できませんでした。
それが日本の高校野球スタイルが旧日本軍の教練スタイルを受け継ぎ、ひいては日本の会社にも引き継がれているからと知るのにはもう少し時間がかかりました。
目次
日本の高校野球スタイルは軍隊そのもの
私が日本の高校野球、特に甲子園野球が嫌いな理由はそのスタイルが旧日本軍隊のスタイルを受け継いでいるからです。
しかもそれが高校野球だけでなく日本社会にも蔓延しているからです。
1. 強制された坊主頭
なぜ野球部は頭を坊主にしなければならないのでしょうか。
一体誰が髪を坊主にしなければならない理由を明確に納得いく回答を出せるのでしょうか。
誰もいません。
これは基本的に旧日本軍からの風習です。戦前は軍国主義が跋扈(ばっこ)し子供はほとんど坊主頭だったのではないでしょうか。
ファッションとして自ら坊主頭になっているのでしたら何にも問題ありません。
しかしこれが学校側で強制的に生徒が坊主頭にさせられているとしたが大問題です。
実際は野球選手に限らず体育系の多くは強制的に坊主頭にさせられています。
個人への人権侵害だと私は思っています。
この夏の甲子園大会では慶應高校など一部の高校が髪型自由になっていましたがこれが本来の姿です。マスメディアも問題に気がついていながら指摘しません。
甲子園野球という「金のなる木」には忖度するのが日本のマスコミですから。
日本の学校の詰め込み主義や受験戦争を非避する一方ちゃっかり大学合格者発表をしているのが朝日、毎日のような新聞系週刊誌です。いくら偉そうなことを言っても所詮利益が出てなんぼなのです。(それでも運営が厳しくなった週刊朝日は休刊となりました。)
2. 部活の先輩後輩の上下関係
日本の社会に根強く残る先輩後輩の関係はおそらく「目上の敬う精神」の必要性を説いた儒教まで遡るのしょう。
しかしこれが多くの弊害を作ってきたのも事実です。
なぜ1年遅く生まれただけで先に生まれた人を敬わなければならないのでしょうか。
野球部の生徒は1年生は2年生を、2年生は3年生を敬わなければなりません。
自分の人間性の有無に関わらず年齢によって自動的に敬意を払われる上級生は自分が下級生より偉いと勘違いすることでときに傲慢、尊大になりいじめの発生の余地を残します。
1年、2年のときに先輩にいじめられた経験を自分が2年、3年になったときに後輩をいじめて今までの鬱憤を発散するのです。
日本の軍隊にもありましたね。戦後生まれの私は実体験はないのですが昔はテレビや映画で第二次世界大戦の兵隊物語がたくさんありました。それらを見ると必ずと言っていいほど上官から殴られている1等兵、2等兵がいました。
戦争初期は兵隊は地方出身の農家の次男、三男坊が多かったはずです。長男は実家を継がなければならず次男、三男は単に労働力として使われていたので給与をもらえる兵隊に多数志願したのでした。
さらに戦争の雲行きが怪しくなってきたときに徴兵制で都会の学生動員も行われました。いわゆ学徒出陣(学徒動員)です。
軍隊では地方出身の上官が学生出身を日常的に理不尽にも殴ったりするのです。鬱憤ばらしで殴ることが多かったはずです。正当なことをいうと「生意気な奴」で殴られるのです。
こう言った実体験を元にした映画が多かったので「そうか、それで戦後自衛隊は長らく一般の日本人、特に軍隊経験を持つ日本人から嫌悪されてきたんだな。」と私は思ったものです。
また学生動員され理不尽に殴られた兵士はその後偏屈な左翼になってしまった人も多かったのではないでしょうか。体に染み込んだ経験はなかなか忘れることはできません。
このように能力ではなく単に学年、生まれ年で敬わなければ(リスペクトしなければ)ならないというのは不公平で非合理な話です。
この軍隊気質が今も日本社会に蔓延し弊害になっているのです。
大した仕事ができないのに後輩に態度だけデカい先輩。直属の上司でもないのに命令する先輩。上司にはxx課長、部長というくせに後輩には平気で呼び捨てする先輩。
なぜ1年、2年早く入社したからといってあんなには態度がでかいんだろうと思いませんか。
私は昔からそれはおかしいと思っていましたし理不尽で不思議な社会だなと思っていました。それは社会人になってからますますそう思うようになったのです。
それで私は大卒後初めて入社した日系の会社を辞めて外資系に入ったのでした。外資系といっても社員はほとんど日本人が多かったのですが先輩後輩という認識をほとんど持つ必要がなかったので大いに助かりました。
先輩後輩で一番の問題はやはり後輩が先輩に対して遠慮してものが言えない雰囲気が日本社会にあることです。これを後輩を部下に、先輩を上司に置き換えて見てもいいでしょう。
これって特にクリエイティブな仕事をしている人だったらもう致命的ですよね。能力のある人ならそこから脱出、逃亡しますよ。
しかし未だ年功序列が残っている日系企業はたくさんあります。
年功序列は日本の文化だから仕方がないみたいに言う人がいますがそれは間違いで年功序列は戦後生まれです。戦後高度成長時代になって日本の会社が安定してきたので年功序列が生まれたのです。
能力がないのに年上だからと会社に居座っている中高年社員は日本にまだ多数いると思います。
こういった人たちがどれだけ日本の高度成長を妨げているか気がついていません。
また伝統的な日本の会社の社長を含めた重役はその会社だけにしか通用しません。
その出来損ないの社長が集まっている経団連はもはや老害の巣です。
3. 入場行進はまるでロボット
入場行進も背筋を伸ばし整列しながら右手左手を大きく振って歩き方を合わせます。右手を振るときは全員右手を振り、左手を振るときは全員左手を振ります。まるで機械のように。
これを綺麗だと思う人もいるようですが私から見ると気持ち悪く感じるのです。だらしなく歩けと言っているにではありません。
選手たちは自分たちはロボットではないと思わないのでしょうか。すでに野球漬けになって先輩や大人たちに洗脳されているのでしょう。
つまりこれが普通、当たり前と思っているのです。
みんなと同じことをしていれば誰からも文句は言われないし安心だからです。
会社でも入社試験や入社式などは男性は紺のスーツ、女性は黒のスーツが定番です。誰が決めたのでしょうか。全て無難と言うことで簡単に統一されてしまったのです。
だから日本人は会社が嫌い
上記のような上下体質がいまだに残る日本の会社は人間関係が全てなのです。
さらに小さい頃からの親のしつけや学校の道徳によって日本人は従順性が身に付いてきます。
・嘘をついてはいけない
・他人が迷惑するようなことをしてはいけない
・先生の言うことを聞かなければならない
・親の言うことを聞かなければならない
・廊下を走ってはいけない
などなど。
また日本の学校は暗記中心でディベート(議論)をさせないので批評精神が未熟のままです。
そのため考える力が発達しないので自分に自信が持てず周囲の目ばかり気にするようになります。
これら
1)理不尽な上下関係(年功序列)
2)子供時代からの従順性
3)考える力の未発達
4)批評精神の未熟さ
に加え
5)自宅が会社から遠距離にあるため陰鬱な長時間の通勤地獄(特に猛暑の夏は最悪)
6)昇給しない給与(いまだにあるサービス残業)
7)閉塞的な日本の企業文化(前例主義、根性主義、減点主義)
などが挙げられます。
上記などから会社員生活に息苦しさを感じて昔から言われている「サザエさん現象」を起こしてしまうのです。
サザエさん現象とは毎週日曜の夕方から始まる人気テレビ番組に「サザエさん」というアニメがあります。このアニメを見終わると「明日の月曜日を身近に感じまた会社に行かなければならいのか、行きたくないなぁ。」と憂鬱になる現象を言います。
だから日本人は本当は会社が大嫌いなのです。
国連発表の幸福度ランキングでは1位がフィンランドで日本は137カ国中47位でした。
GDP世界第3位の経済大国で安全、清潔さ、インフラ整備、食の美味しさ、教育水準は世界トップクラスなのですがそれでも日本人は日本に満足できず不満と不安をもっているのです。
会社が大嫌いなのにやめることができない理由
それならさっさと会社を辞めればいいものなのになかなかやめようとはしません。
その理由は、
1)転職する自信がない
環境の変化に対する自信のなさ。周囲の目も気になります。そのため仕事ができない人ほど同じ会社に残る傾向にあります。
2)仕事に対してやる気がない
日本人は自立性、成長性、目的意識が意外と低いのです。これは先述の考える力の未発達、批評精神の未熟さにつながります。
3)仕事は自らやるものではなくやらされるものである
いわば認識の差です。これは子供時代から培われた従順性に関係しています。社畜になりやすい性質です。
4)転職のハードルが高い
転職しても成功するとは限らず、現行では退職金にも響いてしまう。
終わりに
高校野球を通して日本の会社、会社員を見てみましたが、野球でなくとも他の体育会系は程度の差こそあれ似たり寄ったりでしょう。
しかしここではあの朝日新聞が主催し、あのNHKが放映している甲子園野球を題材にあげた方がわかりやすかったのです。
まだまだ書き足りないところがありますが、ざっとこんな感じで書いてみました。
今思い返すと中学時代から先輩後輩という関係が嫌いだったのですね、私は。
よくこんな日本社会で私のような(日本人から見れば)はみ出しものが生き残ってこれたものだと思います。
最近の経団連などを見ても「ジャニーズ事務所のタレントには責任はないのではないか」とか「少子化のために消費税増税したほうがいい」などと宣っているらしいのですが、この時点で時代(社会)からすでにかけ離れている人の言うことだとわかります。
国民からすれば、「性加害者の会社存続自体がおかしい」「消費税増税するくらいなら法人税上げろ」と言う声が聞こえてきます。
老害なのですよ、経団連は。単なる世捨て人、お上りさんの集まりなのです。
こんな経団連に名を連ねるの会社で仕事をする人たちがサザエさん現象を起こしてしまうのです。
「少老」時代にならないとダメかも。
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