社会

なぜコロナ禍でも日本の宗教はボランティア活動が少ないのか

最近は目にしなくなりましたが以前は年末が近づくと「社会鍋」という募金活動するボランティアがいました。

この社会鍋を実践しているのは救世軍というキリスト教・国際NGOの団体です。

そのほかにもホームレスなどに炊き出しをしたり、このコロナ禍では食料支援するフードバンクを始め日用品をも含む支援センターを常設したりしている団体の多くはキリスト教のボランティア団体です。

中には日本のお寺や神社などもボランティア活動しているところもあるのでしょうがキリスト教系の団体の活動状況に比べると無きに等しいのです。

この違いは一体どこから来るのでしょうか。

ボランティアという言葉通り、この言葉自体が外来語で日本語に訳すと「社会奉仕」と以前は言っていました。

つまりボランティア自身が「輸入された行為」なのです。

したがって日本には欧米に比べてボランティアがまだ根付いていないのです。

ただし昔から日本は災害が多い国でしたので互いに助け合う精神はあったのだと思いますがそれを宗教団体が率先して実践していたかどうかは定かではありません。

せいぜい藩から支給された「お救い米」で境内で炊き出しをしたりする程度だったのではないでしょうか。

それではいつ日本の宗教団体もボランティア活動に目覚めた?のでしょうか。

おそらくそれは1990年代の阪神大震災に始まり、2011年の東日本大震災でさらに活発化したのではないでしょうか。

あの時の日本人の一般人ボランティア活動は地味ながらも光るものがありました。

ほとんどが世襲制の神社仏閣の後継たちははっきり言ってごく普通の人たちでただ単に親から引き継いで神主や僧侶になっただけです。

こう言ってはなんですがそんなに信仰心に厚くもなく日々修行しているわけでもなく平々凡々と家族を養うために生活しているだけといった印象を受けます。

全然特殊でも特別でもない「ほんにお前は屁のような」凡人なのです。

仕事をしている社会人の方がよほど世間の波にもまれて人生修行をしているのです。

それでは日本ではどこかの宗教に帰依していない一般人と信仰の厚い信者ではボランティアの感覚は異なるのでしょうか。

一般人は「この悲惨な状況をなんとかしたい」という気持ちが強く現れるのに対し、信者は教えに対する実行として「徳を積む」という考えが強いのではないでしょうか。

しかし日本人に内包する「形あるものは壊れる」「ものの哀れを知る」「人に対する同調性の強さ」「人の不幸に対する共振性の強さ」は自然災害の時に特に発揮されるのです。

以前ブログでも書きましたが世界の自然災害の10%は日本で起きています。そしてその被害総額は世界の20%にも及びます。

こうした自然災害大国の日本では上記のような日本人の精神が遺伝されて行っていたのです。

したがって信仰の厚さには関係なく日本人の心の中にはボランティア精神は根付いているのです。

ただ今までは遠方での災害に対してどう援助すればいいのかなかなか分からなかったのですが今ではNGO、NPOなどの団体を始めネット時代を反映してsnsなどで活動の輪を広げているのです。

ただしフードバンクのような組織だった支援は欧米の方がまだ先進国です。

翻ってキリスト教系の団体は日本の宗教団体よりなぜボランティア活動をするのでしょうか。

それはおそらくイエス・キリストが被抑圧者でそれからの解放者だったからではないでしょうか。

キリスト教が時の抑圧者(権力者)から精神面の救済だけでなく物質面での救済をしなければならないという教えがあったのではないでしょうか。

日本と比べて超過激で血みどろのヨーロッパの宗教戦争を経てボランティア活動が根付いて行ったのでしょう。

さらに日本以上に諸外国は貧富の差が激しく貧困層が多いことも挙げられます。

日本という国は宗教に関して良くも悪くも中途半端な「ぬるい国」なのです。

それは今の日本政府の新型コロナ感染に対する中途半端な対応を見てもわかるはずです。

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