ネット記事でスバルの工場で「エア退社」なるものがあると初めて知りました。
定時で一旦退社したことにしたことにして、また戻って仕事(残業)をすることのようです。いわゆるサービス残業なのでしょう。銀行も以前は午後8時以降はサービス残業が常態化していました。
このスバルでサービス残業からくるストレスからか、上司に罵倒されて鬱になり飛び降り自殺した社員(40代男性)が出て問題になっています。
過労働やパワハラで自殺した電通の女性社員は最近のことです。
このスバルのサービス残業が会社ぐるみならば大きな問題です。おそらく暗黙の了解があったのではないでしょうか。
サービス残業を拒否すれば、立場の弱い社員はどうなるか想像できるはずです。首にはならずとも「窓際」に行って最後は居づらくなって退職なんてことになる可能性が高いはずです。
おそらくこういうことをやっている会社はスバルだけでなくまだ国内にたくさんあるのではないでしょうか。もうブラック企業ですね。スバルもその仲間入りをしました。
私は現職時代には大した会社(日系1社、外資系2社。いずれも中小企業)に勤めていたわけでもないのに一度もサービス残業などを強要されることはありませんでしたし、あれば独り者の私は反発して干されて退職を余儀なくしていたでしょう。あるいは、とっとも辞めていたかも。
これが家族持ちだったらなかなかそうはいかないのかもしれません。さらに住宅ローンなんて抱えていたりするともう大変。
会社とすると利益の追求のために止むを得ず行っているのかもしれませんが、社員をないがしろにすると後で必ず会社自身に実害が及ぶことを考えていないのでしょうか。あるいは、会社のため社員が我慢するのは当たり前という感覚なのでしょうか。
日産を見てもわかるようにゴーンさんがあれだけ内部告発で叩かれるのは、日産社員をないがしろにして自己や自国(フランス)のために日産を利用してしまった(と日産社員やマスコミに思われた)からでしょう。
日本人は国際的に見ても我慢強い性格ですが、それによるストレスが過度にたまると思わぬ行動に出てしまう時があります。外国人が「おとなしい」「勤勉な」「シャイな」日本人がどうして、と思うわけです。
日本人からすると「今まで我慢していたのだ」「それに気がつかないお前たちが悪い」「何を今更」と思っているかもしれません。
スバルに話は戻って、サービス残業はこの自殺した社員だけでなく他の社員にも「強要?」していたようで2015年から2017年までに3421人の社員に対して給与にして総額7億円になります。しかし、法的には過去2年までの残業しか認められず、それより以前は時効になってしまうそうです。まさに働き損ですね。
これが公になってスバルは法的処分を受けるでしょうし、社会的にもダメージを受けるでしょう。
安部ちゃんが「働き方改革」なんて言っても実態は何にも変わっていないようです。日本人首相として外交に関しては突出して優れた才能を持っていますが、それ以外には日本経済を含め誠に心細い限りです。
それにしてもいつまで「過労死」「パワハラ」「サービス残業」なんて続くのでしょう。それでいて日本は先進国の中でも「生産性が低い」と言われています。
この相反する実態をどう見ればいいのでしょうか。
日本人は勤勉を装っているだけなのでしょうか。
他国の人より「嫌」と言えない性格なのでしょうか。
自己主張できない国民性なのでしょうか。
会社の人事権が日本と欧米企業では異なるからでしょうか。
欧米企業に比べて日系企業内の昇進が上司や周囲の評価(人事の評価)に左右されているからでしょうか。
周囲が我慢しているのに自分だけ違うことを言動することができないのでしょうか。
周りの目を気にしすぎているのでしょうか。
真面目すぎるのでしょうか。
人一倍周りに迷惑をかけたくないと思う性格なのでしょうか。
一見どれも当たっているように見えます。
しかし、私はやっぱり日本人には「個」がないのではないかと思ってしまいます。「個」とは「私」「私の考え」「私の価値観」と言ってもいいでしょう。
子供の頃から「みんな一緒に仲良く」「協調性を持つように」としつけられます。そして社会人になって組織の中では「協調性」という「同調圧力」によって「滅私奉公」を強要されます。
私のような自己中でも組織にいた頃は、いろいろ会社のためにとか考えることもありました。でも、基本は「自分が一番大事」です。意に沿わないことがあって悩んでストレスが溜まったことも度々ありましたが、度を越せばケツをまくってやめて仕舞えばいいのです。そんな会社に義理はありません。
それがなかなかできないのが従来の日本人なのかもしれないですね。逆に自分が我慢しているのに何故こいつは我慢しないのだ、と不平不満をぶつけてくるときがあり、そのためより一層ストレスがたまってくるのです。
さっさとやめてしまえばいいのです。そのためには人材銀行にあらかじめ登録しておくのです。
もう一つは、この会社で自分はどんなスキルを得るのかと考えるのです。そしてそのスキルを得たらステップアップして次の会社へ転社するのです。
つまり、目的意識を持って会社で働くことです。自分のステップアップに役に立たなければその会社にいる意味はありません。
私は退職してつくづくそう思いましたよ。もちろん自戒を込めてですが。
くれぐれもその会社でしか通用しない社員にならないようにしてください。
日系企業にいる社員は長くいればいるほどその会社にしか通用しない社員になってしまう傾向が高いのです。
さしたるバックグラウンドもなく3社を渡り歩いた私には大したことは言えませんが、学生時代からの希望が、「セールスエンジニア」「機械関係」「海外」という3つのキーワードでした。紆余曲折しましたが、40歳を前にしてすべて希望が叶えられました。
もちろん欲をいえばキリがありません。結局海外勤務はありませんでしたし、英語力も全然不足していました。しかし、何度も海外出張(研修を含む)をさせてもらったり会社員として目標の7割は達成できたのではと思っています。
日本の会社員は何をしたいのか明確に目標を持っていないのではないでしょうか。あるいは本当はやりたいことはあるのに諦めているのではないでしょうか。
自分で「壁」を作っているのではないでしょうか。
「壁」を壊しましょう。チャレンジをしましょう。
と、今自分に言い聞かせているところです。
私もまだまだチャレンジしたいのです。すぐ腰砕けになってしまうのですが。
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