まだまだ外出自粛が続きそうです。1ヶ月間8割達成すれば5月6日の自粛解除になるわけで8割達成していない現在さらなる外出自粛の継続が必要になるでしょう。
東京の場合、会社員が在宅勤務(リモートワーク)になるだけでかなり人の移動が緩和されるでしょうに。
未だAIが発展途上である日本の会社員ではなかなか在宅勤務ができない環境下にありますが、在宅勤務しないのは単にシステム上の問題ではなく日本人の性格によるものも大きいのではないかと思います。
目次
外出自粛でも日本の会社員が会社へ行く理由
ハンコ文化
会社に行かなければならない理由の一つとしてよく言われるのが日本の「ハンコ文化」ということです。なんでも決済や承認には上司のハンコが登場してきます。
さらに見積書、注文書、請求書などには社印が必要になります。
個人印や社印(代表印は除く)などはパソコン上でコピペして貼り付ければそれでいいのですが、オリジナル印でなければ無効とする頑固な会社も未だにあるようです。
かなり以前にペーパーレス化に伴い「電子印」という言葉も生まれました。
非常に保守的な大手銀行でも最近ハンコが不要になったりしているのにどうして一般の会社でハンコが不要にならないのか不思議でなりません。
さらにワシントン条約により国際的な象牙取引が原則禁止になったことに伴い日本でも海外から象牙の輸入は禁止になりました。したがって今後国内在庫がなくなれば日本では象牙の印鑑の販売がなくなります。
象牙の印鑑が日本では高価な代物のようですが、工芸品・美術品として残すのであればまだしも会社間でハンコを使用することはもう完全に「時代遅れ」と気が付きましょう。
ちなみにハンコは中国が発祥かと思ったらもっと西の方でした。
中東(メソポタミア)(印鑑の発明)→ヨーロッパ(印鑑の制度化)→中国→日本
忠誠心を示すために会社へ行く
東日本大震災の時でも翌日には粛々と会社に行く会社員がたくさんいました。海外でも驚きを持って日本人の「忠誠心」という表現で報道するマスメディアもありました。
しかし今回は地震でも津波でもありません。目に見えずワクチンもまだない非常に生命に関わる危険なウイルスが対象です。
3密状態が限りなく起こりやすい会社ではその忠誠心が仇になるのです。
しかもその忠誠心は自己顕示欲と表裏一体です。
会社、上司に対してこのような状況でも会社に来ています、と自己アピールするわけです。
会社で遅くまで間残業する会社員に類似しています。遅くまで残業することで一生懸命仕事をしていますとアピールしているわけです。
欧米では遅くまで残業することは「家庭無視」「仕事ができない社員」という評価しかないのですが日本では未だに上司が「よく頑張っている」と高評価するおバカがいるのが現実です。
自分がいなければ会社が動かないと勘違いする社員
時々います、自分が会社に行かないと会社がストップしてしまう、と思ってしまう人が。
組織であれば社員一人がいなくても回転するのです。2、3日は周囲の同僚、部下、上司が戸惑うことがあるかもしれませんがその後はその社員がいなくても動くようになるのです。それが「組織」なのです。
自分がいなければ会社がダメになると思う人ほど本人が休んでも会社がつつがなく動いているのを見て愕然とするものです。
こういった思い込みの強い人はどの会社にもいるものです。
かなり自己評価が高く周囲の評価とのギャップが大きいのも特徴の一つです。
人事評価ができない
在宅勤務になると上司がその社員の人事評価ができなくなることがあります。
日本の人事評価は欧米にありがちな成果主義ではなく「成果」と「プロセス」だからです。プロセスというのは簡単に言うと「社員の頑張り」に対する評価です。
「遅くまで残業する」「いろいろとチャレンジする」なども評価対象ですがこれらが在宅勤務では上司には見えずらいからです。
私は成果一辺倒主義は情緒的な日本人には向かないだろうと思いますが「社員の頑張り」などは上司次第でどうにでも評価が分かれるのです。
それを防ぐには各社員にもわかりやすい人事評価のマニュアル化をしたほうがいいでしょう。
在宅が無理な医療・福祉などの会社員
医療関係に従事する会社員といえば病院勤務の医者・看護師・レントゲン技師・薬剤師なども在宅勤務は無理でしょう。特にこんな非常事態ではみなさん病院詰めです。
オンライン医療もありますがなぜか日本医師会は積極的ではありません。
福祉関係の中でも介護士なども介護される人がいる限り施設(会社)に行って介護するしかないのです。
会社から出社を強要される会社員
中小企業の場合、月々の売り上げは会社の存続に強く影響します。
社内ではアルコール消毒や換気の徹底が不十分でマスク着用の社員も少ない現状です。
したがって社員が新型コロナ感染が心配なので「在宅勤務にして欲しい」と言っても「そんなことをしたら売り上げが落ちて会社が倒産する」と上司や経営者から脅されるケースがあります。
意外とIT会社の遅れたシステム
IT企業といえばネットビジネスの先端をいっているような感じがしますが、全ての会社がそうではなさそうです。
よくパソコンやスマホでトラブルがあるとその保守メンテでテクニカルサポートセンターへ電話したりメールを入れたりします。
しかし、そのサポートセンターにはそれに対応する技術者が一カ所に集められて仕事をしている場合があるのです。
これって何か不思議ですよね。彼らこそ在宅勤務にすればいいのですがそのシステムができていない場合があるのです。これって技術的な問題というより完全に会社の体質の問題でしょうね。
まとめ
在宅勤務(リモートワーク)はアメリカのような広大な面積を持つ国ではすでに常態化しています。
また遅くまで残業すると家庭崩壊につながりその結果離婚になろうものならその配偶者はかなりの慰謝料を請求できます。
翻って日本は未だにハンコ文化の社会であり、キャスレスも進まず在宅勤務の少ない有様です。
おまけに戦前の軍国主義のような「遅くまで残業する」ことが「よく働いている」と評価される誤った価値観を未だに持っているのが実情です。
これは会社だけでなく一般の日本人にも多分に残っています。良い例が日本の高校野球(甲子園野球)です。坊主頭で炎天下で大汗をかきながらプレーし、ピッチャーは肩や肘を壊す寸前までになってもプレーすることが美徳とされ多くの日本人が感動しています。
しかし彼ら高校球児は戦前の日本軍の軍人そのものではないでしょうか。
自衛隊反対と言いつつ高校野球には感動する。それに自己矛盾を感じない人たち。私から言わせると異常な人たちです。
こういった日本の精神文化も外出自粛でも会社に行く会社員が多い理由の一つなのではないでしょうか。
この記事へのコメントはありません。