アイキャッチ画像:FITNESS LOVE
私が常用として通うジムはシニアが多いせいかマシンの種類も数も少なく逆にパワーラックが4台もあるという不思議なジムでした。
ところが数ヶ月前会員の要望が多かったのか水平式レッグプレスとスミスマシンが同時にジムに導入されました。
レッグプレスがなかった当時は週1回渋谷店に行ってレッグプレス(水平式)をやってましたが、現在は同店でより下半身に入る45度レッグプレスに変更しました。
スミスマシンは渋谷店にもありましたが当時はマシン嫌いでできるだけダンベルでやりたかったのです。
それでもダンベルプレス、ダンベルフライがマンネリ化してきて大胸筋に強い刺激は入らなくなると常用ジムに設置されるようになってスミスマシンで試しにインクラインベンチプレスをやってみるとこれが大胸筋に入る、入る。
以来オーバーヘッドプレス(週1回)、インクラインベンチプレス(週2回)でスミスマシンを利用しています。
ただ今だにスッキリしないことがあります。
それはスミスマシンのフックの向きです。
目次
スミスマシンとは
スミスマシンは通常のパワーラックに両側に縦にガイドレールが付いていてバーの挙上軌道を安定にするマシンです。
そのためフォームがしっかりしていない初心者や肩、腰、膝などにケガをしたトレーニーにとって重心がブレることなく安定して挙上できるありがたいマシンとなります。
しかしフリーウエイト、たとえばバーベルスクワットなどは下ろすとき挙上するときに体がふらつきやすく、それを制御しようといろいろな細かい筋肉が同時に働くので下半身だけでなく上半身のさまざまな筋肉に効果がある優れた種目なのですが崩れたフォームでやると膝、腰を痛めやすくなるという欠点もあります。
それをカバーするのがガイドレートでしっかりと軌道を安定にさせてくれるスミスマシンが有効となるのです。
しかし軌道が安定している分、ブレを修正しようとする対象筋(鍛えようとする部位)以外の筋肉にはあまり働かず全体の筋肥大ではフリーウエイトに及ばないという面があります。
私は筋トレを始めてスクワットで早々と腰を痛め、すっぱりスクワットをやめました。当時スミスマシンがこんなにやりやすいと知っていればスミスマシンでスクワットをやり続けていたかもしれません。
もちろん初心者ばかりでなく中級者、上級者も種目によってスミスマシンを利用しています。
スミスマシンのフックの向きと体の向きは関係ある?
ところでスミスマシンを使っていると頭をかしげるることがあります。
それはスミスマシンに対するトレーニーの体の配置です。
スミスマシンは垂直型と傾斜型(スーパースミスともいいます。)の2種類がありますが、下記は私が普段使っている垂直型についてです。
ジムでよく見かけるスミスマシンは壁際に設置されているパワーラックと同様ラックの底面が一般的に『コ』の字型になっており壁際の反対方向が開放されていてベンチの出し入れができるようになっています。
問題はベンチのどちら方向に頭を向けるか、ということです。
たとえば、インクラインベンチプレスで言えば、傾斜をつけたベンチに仰向けに寝ます。
このとき壁際の方に頭を向けるのか、それとも壁のない方に頭を向けるのか、です。
スミスマシンにおいて私はそれをフックの倒す動作位置によって判断しています。
セットアップのときはフックはピンに引っかかっています。(上記写真参照)
バーとその両端にあるフックは固定されていますのでフックを外すときはバーを手前側かその反対方向に少し回転させなければなりません。
私の場合バーを回転させフックをピンから外すとき、フックが手の甲側(つまり頭側)に来るよう手を反らせます。(下記写真参照)
そして挙上し終わるとフックが手のひら側(つまり足側)に来るようにバーを少し回転させてピンにフックをかけます。
つまり手を手の甲側に反らせる動作でフックが外れるような位置に頭側がくるように仰向けになることが正解と個人的には思っています。
しかし私が通うジムではその反対で手のひら側(足側)にバーを回転させてフックを外す動作をするトレーニーが多いのです。
当然のことながらベンチの向きは逆になります。
これが不思議なんですよね。なぜならほとんどのスミスマシンは奥行があってベンチをすっぽり入れるスペースがあり、それに合わせてフックは設定されているだろうと思うからです。
今まで3種類のメーカーのスミスマシンを使用しましたが全て上記のようなタイプでした。
しかし多くのトレーニーが私とは反対に壁際に頭(つまりフックは手を足側(手のひら側)に回転させてスミスマシンを使用しているのです。
なぜ同じスミスマシンでこのような違いが起こるのでしょうか。
フックを外すとき手の甲側に手を反らせるということ自体、間違いなのか、それともどちらでも良いという考えで設計されているのでしょうか。
なぜ壁方向に頭を向けてスミスマシンを使うのか
スミスマシンの使い方のネット記事はたくさんあるのですが、フック(バー)の回転方向まで考慮した記事はほとんどありませんでした。
気にしていないということは、おそらくどちらでも良いということなのでしょう。
しかし1記事だけフックを外すときは手の甲側(頭側)に反らせる方がいいという意見がありました。(私と同意見)
その理由は手や腕を通る神経の種類の問題らしく手の甲側(頭側)に反らすのと手のひら側(足側)に曲げるのでは働く神経が異なりその神経の働きによって筋肉への刺激が異なる、というものです。
確かにダンベルを持つとき小指側をしっかり持った方がいいとか、人差し指に力を入れた方がいいという言い方がありますがこれも神経系の話です。つまり、脳と神経と筋肉は繋がっていますのでその繋がった神経部分のことを言っているのです。
もっとも私はそこまで考えませんでしたが、唯一そういう記事がありました。
スミスマシンのフックの向きが異なって筋トレする考えられる理由は下記の通りです。
・筋ト動画の見過ぎ
スミスマシンを使った筋トレ動画は多数ありますが、どれもフックの向きは統一されていません。
ある著名トレーナーは手のひら(足側)に曲げてフックを外していましたし、これもフィジーカーで著名筋トレユーチューバーは動画によって両方の向きでスミスマシンを使ってました。
パーソナルジムのトレーナーの筋トレ動画ではパーソナルジム特有のジム面積の狭さからスミスマシンは奥行きのないものかケーブルマシーンとセットになったスミスマシンを設置しているので奥行きがなく壁と反対方向に顔を向けないとできないようになっている場合が多くあります。
それを多くのトレーニーが見てわざわざベンチの向きを変えている可能性があります。
・パワーラックのベンチプレスは壁方向に頭を向けているから
ベンチプレス専用のラックは別にして一般のパワーラックはスクワットやベンチプレスの両方ができるように設計されていますからバーベルスクワットのために設計上壁側に近い方にフック(スミスマシンのフックとは形状も使い方も違います)が取り付けられています。
なぜ壁際に近いかというとパワーラックには両端にそれぞれサポートバーが出ていてスクワットで万一重さに耐えきれず挙上できず下半身が崩れて潰れてしまったときに両端にあるサポートがストッパーになってバーが落下しないように止めとくことができるからです。
しかしその分スペースが必要となります。フックは壁際に近い方にあるため足を壁際の方に向けて仰向けに寝るスペースがありません。従って壁方向に頭を向けてベンチに寝るしかないのです。
それを見慣れているトレーニーがスミスマシンでもそのまま頭を壁方向に向けてベンチプレスをしている可能性があります。
特に初心者はその傾向が強いのではないでしょうか。
・フックの位置など全く気にしない
おそらく半数のトレーニーはフックの向きなど全く気にしないかもしれません。
私はフックを手のひら側に回転させるとバーを落としそうになるので手の甲側に反らせるようにしています。
そのため設計上でもそうなっていると思っていたのですが筋トレ動画を見る限りほとんどのトレーナー、トレーニーは気にしていないようです。
メーカーに一度聞いてみたいものです。
傾斜型スミスマシン(スーパースミスマシン)の使い方の違い
参考までに傾斜型スミスマシンでのフックの向きはどうなるのでしょうか。
傾斜型はガイドレールの傾き方向にによってベンチプレスやスクワットは体の向きが異なります。
つまりフックの向きも異なってくるのです。
上記イラストから
・ベンチプレス
挙上するときバーが頭の上方向にくるように寝る
・デッドリフト
挙上するときにバーが胸側にくるように
・スクワット
上記イラストでは両方可能と書かれていますが、
基本はバーを斜め後ろに下ろすようにする、です
反対はハックスクワットに近い状態になりスポット的な鍛え方となりますが、基本はあくまで斜め後ろに下ろすこと
終わりに
マシン嫌いだった私ですがスミスマシンを使ってインクラインベンチプレスをすると非常に効果的でした。
ただこのフックの向きだけは今だに気になるところではあるのです。
スミスマシンの使い方としてほとんどベンチプレスをするトレーニーが多いのですがときどきスクワットや私のようにオーバーヘッドプレスをするトレーニーもいるのですが皆さんその場合は私と同じく手の甲側に反らしてフックを外す向き(壁の方を向いて)で筋トレしています。
面白いですね。ベンチプレスのときだけ向きが反対になるのです。
壁に鏡味があるからかな。それとも単に習慣的なものなのでしょうか。
いつも楽しく読ませてもらっています。
スミスマシンの件、ぼくの見聞では以下の通り。
・ノーマル(taoさん)フック:逆フックのトレーニー割合、多数:少数。
・そもそも逆フック使用を前提とした逆向きフックのスミスマシンがある。ごく少数だが。
エグザス津田沼、コナミ船橋、コナミ下総中山(現在はノーマルマシンに交換済)。
・逆向きフックのスミスマシンで、どうしてもノーマル向きで使用したいというトレーニーも多く、
鏡に尻を向けてスクワットをするという奇妙な光景が、、、
・逆フック使用を前提としたスミスマシンが販売されているように、逆フックに何らかの目的が
あるようだが、不明。
・知人の意見では、フリーのバーベルでの動きに近づける目的があるのではないか、とのこと。
ベンチプレス:最後、ラックに戻す際、バーベルベンチでは頭部のほうに引き寄せる。この動きは逆フックに近い。
デッドリフト:最後、ラックに戻す際、バーベルデッドでは腹部のほうに引き寄せる。この動きは逆フックに近い。
スクワット:最後、ラックに戻す際、バーベルスクワットでの動きだけはノーマルフックに近い。
また何かわかったら、教えてください。
@ストロングM
ストロングMさん
メールありがとうございます。
『・知人の意見では、フリーのバーベルでの動きに近づける目的があるのではないか、とのこと。
ベンチプレス:最後、ラックに戻す際、バーベルベンチでは頭部のほうに引き寄せる。この動きは逆フックに近い。
デッドリフト:最後、ラックに戻す際、バーベルデッドでは腹部のほうに引き寄せる。この動きは逆フックに近い。
スクワット:最後、ラックに戻す際、バーベルスクワットでの動きだけはノーマルフックに近い。』
なろほど。一理ありそうな。でも普段フリーウエイトでバーベルを持ったところを見たことがにトレーニーもやっているんですよね。
tao
返信、ありがとうございます。
taoさんが言う状況は、コナミ下総中山の事例と似ています。
・当初、逆フック使用を前提とした逆向きフックのスミスマシンが設置されていた。
・パワーラックはなく、トレーニーはベンチプレスもスクワットも、すべて逆フックでおこなっていた。5年も10年も。
・逆フックが【当たり前】のところ、ある日突然、スミスマシンがノーマルフックのものに交換された。
・トレーニーはみなパニックに。「なんだ、このへんてこなフックは!」
・多くのトレーニーは、逆フックからノーマルフックへの【矯正】に苦戦。
・鏡をみたいスタンディング種目のスクワットでは、なんとかノーマルフックに【矯正】。
・鏡は関係ない、フラットのベンチプレスは、「慣れ親しんだ逆フックのままでいいや」。
コナミ船橋では逆のパターン、ノーマルフック仕様のスミスマシンが、ある日突然、逆フック仕様に。
・こちらも大混乱。
・「こんなへんてこスミスマシンなんか使えるか!」と、退会するトレーニーも。