もう気候的にようやく秋になり日差しは強くても皮膚に絡みつくようなねっとりした空気はありません。さらっとした涼しい風が吹く季節になりました。
毎朝自宅を出て駅に向かって歩いて行くと駅近くのビルの間に立つ街路樹がありその周囲にはいくつかベンチが設置してあります。
そのベンチには年配の男女が数人いつも個々に座っています。同じ人たちかどうかは不明ですが毎朝じっと座っているだけです。
行く場所がない高齢者
歳を取れば取るほど服装に構わなくなりますので一概に質素な服装だからと言って生活に困窮しているとは言えません。私は全身ほぼ100%ユニクロか無印製品をまとっています。
しかしそのベンチに座っている人はどうみてもリッチには見えません。ただすることもなく座っているような感じなのです。
毎朝そこを通る私は自分のあのような人たちと対して変わらないのではないかと思うときがあります。
私は筋トレとブログと登山を残りの人生の3本柱にしてきたので、仕事をリタイヤしてからも鬱(うつ)になることもありませんでした。(定年後1、2年は軽い鬱になる人が多いと言われています。)
自分の身体に対する意識は会社員時代より比較にならないほど強くなっておりまた筋力も自分の20代のころに戻っているのではないかと思うほどです。
また登山(下山時の走行)や筋トレであちこち身体を損傷し、その結果今は『動ける身体』を目指すようになりました。
このように自分の人生の中で目指すものがある人とない人では日常生活の過ごし方がかなり異なってきます。
しかし私が会社人間で何の趣味もなくそのままリタイヤしていたら私もベンチで座っていたかもしれません。
リタイヤ前に登山と筋トレに出会って本当に良かったと思います。
あのベンチで座っている高齢者たちは生活の目標はおそらくないのでしょう。あるいは仕事をしたくても年齢制限で跳ね飛ばされた人たちなのかもしれません。
ただ座っているだけです。
新宿駅周辺のホームレスよりマシでしょうが生きる目標がないということではホームレスと同じです。
新宿駅周辺のホームレス
新宿駅周辺、特に高島屋近くに住みつくホームレスが何人もいます。
ホームレスと言ってもずっとホームレスでいるわけでもなくコロナで失職したのではないかと思われる若い男性がいつの間にかいなくなっていました。仕事を見つけたのかもしれません。
私が知る限りずっと同じ場所にいる男性もいます。ホームレスの年齢は風雪にさらされているのでわかりづらいのですが40代かと推測します。
私はたまたま日中この男性が人通りが多い高島屋近くの建造物の支柱に向かって人目も気にせず小便をしているのを見て、これはもうどっぷりホームレス生活に浸かって後戻りはできないだろうなと思いました。
それでも日本のホームレスは海外のホームレスに比べて生活しやすいのではないでしょうか。欧米ではかなり厳しいものがあります。彼らの多くはアル中か薬中です。
彼らに対する宗教団体やボランティア団体活動は日本より進んでいますが一般の人々は『ホームレスは自堕落した結果』、『自分がなりたいからホームレスになった』としか思っていません。
日本のホームレスの中にはアル中や薬中もいるのかもしれませんがほとんどは会社の倒産やメンタル上の問題を抱えた結果ホームレスになってしまった人たちでしょう。
自分の人生もいろいろと紆余曲折しましたが曲がりなりにも今のところ衣食住ができ「運が良かった」としか言いようがありません。
そのためホームレスを見ると自分を投影して『明日は我が身』という不安感と『自分はああならなくて良かった』と言う安堵感を感じるのです。
働かざるを得ない高齢者
世界に先駆けて超高齢化が進む日本。もうすぐ3人に1人が65歳以上になろうとしています。
今後は今以上に朝からベンチに座っている高齢者を見かけることになるでしょう。
かつて英語の勉強に行った図書館はすでに高齢者が多くいました。中にはホームレスらしき人もいました。今は行き場のない高齢者でいっぱいでしょう。
ジムでもたくさんの高齢者を見かけます。おかげでジムのロッカー室は加齢臭で充満するときがあります。
しかしジムに来ることができる人は健康意識の高い人たちである意味恵まれた人たちです。
もっともおしゃべりばかりで一体何をしに来ているのかわからない人たちもいますが。先週行った吉祥寺店でストレッチポールを枕がわりにしてゴロゴロと寝ながら新聞を読んでいた年配者のように。
まだ現役の勤め人で趣味がない人がいれば何か趣味を見つけましょう。必ずそれが退職後のあなたの人生を実りあるものにしてくれるでしょう。
そして会社人間になってはいけません。会社を信用してはいけません。そして早いうちにサイドビジネスを見つけましょう。
働かさるを得ない高齢者
仕事が好きで働き続けている高齢者もいますがお金がなくて(年金受給額が少なくて)働かざるを得ない高齢者もいます。
その働いている高齢者の多くが肉体労働です。
もともと年齢制限があり事務職系は若い世代でいっぱいでその世代が嫌がる肉体労働しか残っていないのです。
通行整理、介護、清掃、建築・土木現場、コンビニ、警備などが主な仕事になっており高齢者にとっては重労働なはずです。
私がときどき行く喫茶店や定食屋でも60代の男性が働いています。
ゴツゴツして血管が浮き上がった手で「はい、アメリカンです。」と出されるとなんだか不味そうだなぁと思ったものでこの人は長続きしない(解雇される)なと思っていたらなんと今でも働いており同系列の別店に行くとそこでも裏方で仕事をしていました。
しかも入れ替わりの激しい若手よりもキビキビ動いていました。喫茶店は学生のバイト先としてもあまり人気はないようでよく人が変わります。
全国チェーンの喫茶店の中では人手不足を理由に店舗数を減らしているくらいです。
日本人が嫌がる重労働は外国人と日本の高齢者が担っているのが現状です。今後もその傾向がますます強くなっていくでしょう。
終わりに
人によって運・不運は確かにありそうです。
金持ちの家に生まれてそのまま幸せに暮らす人もいれば、同じく金持ちの家に生まれたことによって不幸になった人もいます。
私の人生を振り返ってみて、自分の力の及ばないとろで人生を左右されたこともありますが今のところこんなものだろうと思っています。生活レベルは中の下か下の上を彷徨(さまよ)っています。
高齢になっても(働きたくないのに)働かざるを得ない人たちは運が悪かったのかご自分の努力が至らなかったのかわかりませんがなんとか軽い仕事が見つかればいいですね。
私の経済寿命は無病息災で医療費がかからなければ80歳までは何とか現在の生活を維持できる予定です。もっともそこまでは生きたくはないのですが自分の寿命はさっぱりわかりません。
ただたまに胃がチクッとしたとき『もうすぐお迎えが来るのではないか』という不安感を感じるときがあります。
これからさらなる筋力アップ、筋肉肥大を狙っているのにです。
微増ながら筋肉が確実に肥大し筋力アップしても『心では着実に死に向かっている』と感じとっているのかもしれません。
軟弱な肉体は弱気な精神を生み出すのでしょうか。
そうであれば私はダンベルプレス 40kg、ダンベルフライ 36kg、レッグプレス300kgやってやろうじゃないか!
幸せな人間ですね、全く。
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