社会

無駄な誘導作業員から日本人の仕事観・人生観を考えてみる

偶然にも以前からずっと私が気になっていたことが先日読んだ本に書かれていました。しかも書いた人は外国人です。

私は以前から道路工事や駅構内の改造工事での誘導作業員がやたらに多いと感じていましたのでこの本を読んでやっぱり同じように思う人間がいるんだな、と感じた次第です。

無駄に多い誘導作業員(交通誘導員)

誘導作業員(交通誘導員)とは、工事中通路が通れなくなったり狭くなったりした場合に通行者を臨時ルートを教えそこへ誘導する人のことで、交通が混雑する信号のない場所にも立っている場合があります。

しかしながら実際は、

1.ただ立っているだけ

→いわゆるぼ〜っと立っているだけで何もしていません。この手が一番多いのです。

2.こちらへどうぞとばかり旗を振っているだけ

→旗を振らなくても臨時ルートはそこしかなく誘導作業員がいなくても全く問題なし。(安全対策として義務付けられれいるのかもしれませんが)

3.このプラットフォームは現在閉鎖中で通行できません、とマイクで繰り返し言うだけ

→通行できないのは見てもわかるのです。臨時の進路方向が大きく表示されておりあなたがいなくても全く問題ないのです。もし目の不自由な人のためにマイクで話しているとしたら駅には別の誘導員がいるはずです。また場所によっては録音された説明が繰り返しアナウンスされているので人手は全く不要です。

上記のようなパターンがほとんどでしかも同じ場所に誘導作業員が2人、3人もいる時があります。

またこれら作業員はほとんど中高年で特に70代以上の高齢者が目立ち、慢性的な人手不足?の実態を表しています。

ほとんど警備保障会社からの派遣と思われますが、雇用する工事会社も労基の問題から雇わざるを得ないのかもしれませんが、通行者から見てほとんど不要な人たちです。

私はこれらの人たちを見て高齢になっても経済的事情で働かざるを得ないのだろうと想像します。立っているだけというのは意外に辛いものです。

ちなみに現在年金受給者のうち4割が120万円以下、6割は150万円以下と言われています。今後もっとその比率は大きくなってくるでしょう。

時給が高くないから誰もなり手がなく高齢者がその役を引き受けざるを得ないのです。何と言っても60を過ぎると採用される仕事はほとんど限られてくるからです。未だに日本は年齢を見て採用することが多いのです。

日本にはこのような無駄な人の使い方が多過ぎます。もちろん海外でもあるのでしょうが、お金がない、予算が取れないと言いつつこんな無駄なことをしていていいのでしょうか。

このような人件費は、道路であれな国税、地方税から、駅構内であれば私たちの電車賃の収益から支払われているのです。もっと有意義なお金の使い方はあるはずです。

外国人かく語りき

この外国人は私と同じ印象を持ち日本人のインタビュアーとの会話で次のように述べています。

「東京で工事中の道を渡ろうとした時、5人もの従業員がそこに立っていて私に左を通るよう指示してくれました。巨大な標識があったので左を通れば良いことは明白だったのです。」

「地下鉄を利用した際、夜の11時にもかかわらず、乗客に右に進むように指示する役割の従業員がいました。右に行くしか行きようがない通路だったのにです。」

「本当に無駄だと思います。」

「まるで旧ソ連のようだと思いました。」

さらに、

「『日本には仕事がないことは恥ずべきことだ』という観念を強いる文化が存在しているように思います。」

「それによって人々はそんなん仕事でもするよう強迫観念を持ってやっているように思えるのです。」

「日本人は人生で何を大切にすべきかについて真剣に議論する必要があると思います。」

「日本では若い人たちが給料の高い職を得るべきだというプレッシャーを受けている。」

「そのため仕事に必死で子育てに割く時間がありません。人生はたくさんのお金を稼ぐことがすべてなのでしょうか。」

「『人生の意義とは何か』こそが、人生最大の問いだと思います。」

「働くイギリス人の37%、オランダ人の40%、ベルギー人の30%が自分のやっている仕事は全く意味がないと感じている。」

→意外に高級取りがそう思っているようです。

まだまだ色々言っていますが、この辺で。

この話をしたのは歴史家でジャーナリストのルトガー・ブレグマンというオランダ人。

上記に同意する人はたくさんいるでしょうが、そうとわかっていても日本社会の波に飲まれてしまい気が付いた時には人生も終盤というパターンが多いのでは。

かくいう私はその一人なのです。

「日本のサラリーマンは会社が大っ嫌い」と言ったのは作家の橘玲です。

相変わらずの長時間労働、無意味な長い会議、パラハラ、セクハラ、同調圧力、育児休暇なし、男女差別、安月給、おまけに家族、住宅ローンの問題。

「やってられない」ってなわけです。日本人は頑張りすぎなのです。だから過労死なんて海外の先進国ではありえないことが起こるのです。

結論

・定年になった人でまだ働きたくて会社員を希望であれば、以前の会社より2ランク下の会社で仕事をしましょう。その方が気楽であり、自分のプライベートな時間を増やせます。

・定年になった人で個人で仕事したいのであれば、ブログの広告収入という手もありますが、極々一部の人のみしか利益が出たと言える金額を稼ぐことができません。しかし、それでもチャレンジという方はやってみましょう。

・定年になった人でまだ働きたい人はパート、アルバイトの仕事が現実的です。小遣いを稼いで余暇を十分に満喫しましょう。

・定年になって経済的に余裕のある人は、やりたいことをどんどんしましょう。お金をたくさん使い社会に還元してください。

・これから就職するという人は給料が安くとも自分の好きな仕事を選びましょう。

・給与は高いが仕事がハードで辛いという人は1段、2段楽な仕事を見つけ転職しましょう。個人事業主になるという手もあります。

・給与が安くかつ自分の好きでもない仕事に従事している人は、割り切って副業を考えましょう。その副業がメインになる場合もあります。

・いずれにしても仕事オンリーにならず自分が有意義であると思える時間を増やしていきましょう。

・単なる付き合いの飲み会、食事会は時間、お金の無駄ですので即止めましょう。

・年賀状はやめましょう。メールで十分です。

・お中元、お歳暮はやめましょう。

・週末ドライバーは車を売却しましょう。

・キャッシュレスはSuicaだけで十分。

・会社員がいやならフリーランスという手もあります。

追記

この記事を書いた後日、本屋のノンフィクションコーナーで

交通誘導員ヨレヨレ日記」(柏耕一著)という本を見つけました。

サブタイトルに「誰でもなれる」「最底辺の職業」と書いてあります。

元出版社の編集者らしいのですが、紆余曲折して現在に至る73歳。

交通誘導員の経験も本になる世の中なんですね。

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