私が毎回のように見ている好きなTV番組は水曜夜11時56分からのTBS「クレージージャーニー」です。司会は、ダウンタウンの松本、バナナマンの設楽、女優の小池栄子の3人。
周囲の目を気にせず、人が何を言おうが自分のやりたいことやり続けている個性あふれる、ある意味変態な人たちを紹介している深夜番組です。
これまでも、爬虫類大好きで世界中の爬虫類を追いかけている大学教授、日本ばかりか世界中のアリを採集してそれを自分のビジネスにしている若い男性。
世界各国の厳寒の登山をこよなく愛する冒険家、昆虫料理家(これはつまらなかった)、L.A.で活躍するネイルアーチストなどなど様々な人たちが登場しています。
ニューヨーク在住の日本人前衛芸術家
昨夜見た番組ではニューヨークに50年住む前衛芸術家夫婦篠原有司男(87)&乃り子(65)の生活を紹介していました。
築50年以上は経っている古いビルの2-3Fの住まいを兼ねたアトリエで生活。
私は彼の作品である絵や造形物を見ても全くどこがいいのかわからず、お金があっても買う気は全くしないのですが、自分の作品が売れようが売れまいが全く意に介さず自分の作りたいと思う作品を作り続けるだけという姿勢が貫かれています。
当然赤貧で寒いニューヨークの冬でもソックスとサンダルだけで過ごしたとか、家賃月50万円の支払いができず10ヶ月間滞納したこともあるそうです。
しかし、家賃10か月も滞納を許す大家もやっぱり芸術・芸術家に理解のあるニューヨークのような気がしないでもない。
彼の作品で一躍脚光を浴びたのが1960年代に始めた「ボクシング・ペインティング」。ボクシングのグラブに塗料をつけてキャンパスに殴りつけるというもの。
その出来栄えは私には全く理解できませんが、これが元でのちにそのシーンが全米のCMにもなったほどです。
「俺の作品が全く理解されず売れなくても50年経ってCMに出るようになった。たとえ今理解されなくても関係ない。10年、50年、100年後理解されるかもしれない。」と超ポジティブな性格。
面白いことにカメラの前で作品を描いて完成後、これは傑作だ、といった作品が後日個展を開いた画廊では出展されていなかったのでスタッフが聞くと、「そんなのあったかな。あぁ、あれは傑作ではなかった。」と平然と言っています。
その時は傑作と思っていても次の日になれば駄作だと思うことは作家、音楽家などの芸術家にはよくある話です。
自分の感性のままに生きているのです。
作品には興味ないけど生き方には憧れます
翻って私の生活を見ているとブログなどのネットビジネスで収入を得たい思っていますが、たとえ全然アクセス数がなく広告収入がなくても全く意に介さないなんてことは有り得ません。
アクセス数が足りないのはコンテンツの問題か、記事構成の問題か、SEO対策の問題か、と考えて込んでしまいます。
もちろん、「書きたいことを書くだけ」という強気のスタンスでいるのですが、時々その信念は揺らぐのです。下山中、風で揺れる木漏れ日のように揺らめきます。
彼が日本にいる時代の若い写真を見ましたが、非常に筋肉質の肉体労働者タイプでとても芸術家とは見えません。
もうどのくらい前でしょうか。国家公務員の天下りが問題になっていた時、一人の男性が天下りを繰り返す元国家公務員を刺殺したことがありましたが、その犯人を思い浮かべたくらいです。
しかし、そこは「前衛」芸術家たる所以なのかも。今では元気のいいおじいさんです。
それでも彼に惹かれるのは、彼の作品ではありません。
「赤貧になろうが自分のやりたことを感性のままやるだけ」を貫き通している彼の生き方そのものです。
彼の奥さんも大変だろうと思っていると彼女も芸術家でニューヨークで知り合い即同棲したようで、彼との生活をモチーフにした漫画っぽい作品を描いています。
実はこの夫婦に関してはかなり前にもTVで紹介されて知ってはいました。
ボクシング・ペインティングもその時初めて知りました。
当時カメラの前で奥さんが、絵の具一本を買うお金もなく全く生活できないことをグチャグチャ愚痴っていたのが印象的でした。たまらないだろうなぁ、聞かされる方はとその時思ったものです。
その貧しい生活は基本的に今も変わっていませんが、少なくとも映像ではかなり落ち着いてきたようです。年をとったせいかな。以前見た時より素敵な姿で映っていました。
鈍感な方が生きやすい
この先、私はやりたいことだけをやって生きていたい、と思っていますが、以前記事にも書いた通り、現在の経済事情ではあと9年持ちこたえるのがせいぜいなので果たしてどうなることやら。
私は彼らのように芸術家でも情熱家でもないし赤貧に耐えられるような人間でもないのですから。
決してポジティブな性格ではないのですが今後の悲惨な経済状況を想定できてもまだブログで生活の足しにしようとしている私はどこか鈍感なのかもしれません。
しかし、「鈍感の方が生きやすいだろうな」と感じる時は有ります。
一時期「鈍感力」なんて何匹目のドジョウを狙ったかのような本が出回っていたこともありました。
私が会社員時代も鈍感だったようで周囲からどう見られているなんてほとんど意識していませんでした。
後でわかりましたが、どうも変人と思われていたようです。
まぁ、出世はするタイプではないとは思っていましたけど。
何れにしても神経質な面と鈍感な面が同居しているようで、これで私はバランスを取っているのか、それともバランスを崩しているのか、自分でもよくわかりません。
それでもああいう人を見るともう少し頑張ろうなんて思うのでした。
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