普段ジムの大きな鏡の前ではっきり見ることができる筋肉は大胸筋と腕と肩の筋肉です。
そして一番見にくいのは背筋です。
そのせいでしょうか。私の背筋は努力の割にイマイチ発達していません。
背筋の筋トレはほとんど懸垂で行っています。
最初は1、2回しかできなかった懸垂も斜め懸垂でトレーニングをし、ワイドパラレルグリップ懸垂で5セットで49回できるようになりました。
ナローのパラレルグリップ懸垂では一時期加重15kgで3セットで平均8回/セットやっていました。
そんな私は現在週3回背筋狙いで懸垂をしているのですが、どうも懸垂をしている割には広背筋への効き目が薄いのです。ダンベルフライで大胸筋が発達してきたのとは大違いです。
それではなぜこれほど大胸筋と背筋(広背筋と僧帽筋)の発達に違いが出てきたのでしょうか。
目次
筋トレの効くフォームと効かないフォーム
筋トレには筋肉に効くフォームと効かないフォームがあります。
大胸筋狙いでは優れた筋トレ種目であるダンベルフライも肘の角度、ベンチの角度、セット数で試行錯誤の連続でしたが現在はこれでいいのだろうと思われる自分なりのフォームができつつあります。
一方、懸垂ではできる回数は増えてもそれに比例した広背筋の肥大はありません。
せいぜい大円筋が発達した程度です。この大円筋にしても本当に懸垂で発達したのかそれともダンベルプルオーバーで発達したのはわかりません。
そしてそれはどうも正しいフォームでやっていないから効かないのだと気がつきました。
それでは懸垂で広背筋に効かないフォームとはどんなものでしょうか。
広背筋に効かない懸垂のフォーム
いろいろ調べました。
考えられる原因はたった一つです。
それは「肩甲骨の下制ができていない」からです。
懸垂を始めるにあたってこの「肩甲骨を下制する」なんて知識としては当然知っていました。
しかし、とにかく挙上しよう、させようという気持ちがフォームの崩れを見逃してしまったのです。
つまり腕力だけで懸垂をしてしまっているのです。(→これを全否定はしません。)
どんな筋トレでもそうですがある程度筋肉が発達しないとその効かせたい部位に意識はなかなかいかないのです。
広背筋もある程度発達しないと広背筋へ意識は持って行きづらいのです。
懸垂は「広背筋や僧帽筋を意識して」とか「肘を腰にぶつけるように」とか言われますがそれはまず挙上出来きなければお話になりません。
そのためには腕力がいるのです。特に上腕二頭筋や前腕の筋肉が入ります。またある程度の握力も必要です。
しかし、懸垂をするときにはサムレス(親指を除く4本指で握ること)で握り腕力を使わず背筋で挙上するようになんて言われますが、懸垂をするためにはある程度の腕の筋力がいることも事実なのです。
上記のような話をいう人はある程度筋力ができて挙上できる人が言う言葉なのです。
ある程度筋力がつき挙上できるようになると正しいフォームというより私のようにすぐ回数にこだわってしまう人が出てきます。何回挙上できるかにこだわりすぎて本当に広背筋に効いているかは二の次になってしまうのです。
もちろんときどき見えない背中をチェックして手でさわってりするとイマイチなのはわかるのですが横から見ると鏡に映る自分の体に脇の下から斜め後方へ走る筋肉の線が見えてまあ発達してきているではないか、と妙に自己満足に陥り勘違いしてしまうのです。
手を後ろに回して広背筋あたりをさわってみると「薄い!」と気づくはずです。
努力してきた割にはほんのすこしだけ発達しているだけに過ぎません。
非常に非効率なのです!
そのため遅まきながら初心に帰って懸垂のやり方をいろいろチェックした結果、上記の結論に至ったのです。
広背筋を効かせる懸垂の基本ポイント
私はいろいろ懸垂の筋トレ動画を見て自分で実践してみてわかった懸垂のポイントは下記の通りになります。
・バーは深く握る(サムレスがいい)
・胸を張る
・肩甲骨を下制する(首を伸ばす感覚)(→肩甲骨を下制する練習は下記の動画が非常に参考になります。)
・肘を内側に絞る
・骨盤を前傾させる(脚を後ろで組む)
・首は真っ直ぐ(後ろに傾けない)
これが基本ポイントです。
懸垂の基本姿勢
懸垂の基本姿勢を順番にいうと、
1.バーを深く握ります(サムレスで手のひらのマメの下あたりでバーをかぶせるように)
2.胸を張ります
3.腕を曲げないで肩を下げ肩甲骨を下制します(これがなかなか難しい)→首を伸ばす感覚
4.目線は斜め上で顎は引きます
5.(4)までの状態を作ってから体を真っ直ぐ引き上げます
上記が懸垂の基本姿勢ですが鍛えたい部位によって挙上姿勢が少し異なってきます。
さらに大円筋、広背筋上部、広背筋下部に効かせるためには下記に注意しましょう。
大円筋に効かせるために
・手幅はワイド(80cm前後)
・順手もしくはパラレルグリップ
・真っ直ぐ挙上する
広背筋上部に効かせるために
・手幅はミッド(肩幅+握りこぶし2個分)
・順手もしくはパラレルグリップ
・胸をバーに当てるように体を反りながら挙上する
広背筋下部を効かせるために
・手幅は肩幅程度
・順手もしくはパラレルグリップ
・体が床と平行になるように挙上する
注1)手の握り方は逆手、特にワイドの逆手は手首の損傷になるのでやらない方がいいでしょう。一般に懸垂は順手で行いますが私はパラレルグリップが手首、肘にも優しくベストだと思っています。
(→『背中の厚みを作るパラレルグリップ懸垂は肘にも優しい』を参照願います。)
注2)また懸垂はフルレンジで行いましょう。肩甲骨を下制した状態からバーに顎もしくは胸が来るまでフルレンジで行なうことで広背筋の可動域を広げることが大切です。
私は上記のやり方で試してみましたが広背筋下部を効かすフォームが膝はぐっと上がるのですが腹部が上がらず体全体としてはお腹がくぼんだ姿勢になり今の私の筋力では難しいとわかりました。
そしてその結果として背中上部が熱くなった感じを持ち、トレッドミルを含め全トレーニング終了後のストレッチで背中が筋肉痛になっていることに気がつきました。
効いたのです。
明日朝起きるともっと痛くなっているでしょう。
肩甲骨を下制する練習
下記のの動画は懸垂の基本を押さえた優れた動画です。
特に肩甲骨を下制する練習は大変参考になりました。
懸垂をする前はこの動作を練習することでフォームを頭に叩き込みましょう。
要は両腕と肩を真上に伸ばした姿勢から両腕を曲げないで肩を落とす練習です。
これがなかなか難しいのです。懸垂できっちり広背筋が鍛えられている人はこれができています。
これができないと懸垂で広背筋は鍛えられないのです。
私は多少背中の筋肉は使いつつも腕力で挙上していたのです。
10回、20回と軽く懸垂ができる人でも肩甲骨を下制していないで腕力だけで挙上している人は大勢います。しかも本人はそれに気がついていません。
逆にきちんと肩甲骨を下制して正しいフォームで懸垂をすると15回挙上出来た人でも10回程度しかできないでしょう。
私はまだ不十分ながら上記の姿勢でワイドパラレルグリップ懸垂をすると3セットが10回、7回、6回となってしまいました。
回を追うごとに広背筋を使っていたようです。
懸垂は簡単そうで正しいフォームでやろうとすると実は大変難しいのです。
まとめ
懸垂は肩甲骨は下制する。これに尽きます。
毎回懸垂をやりながらも回数だけ頭に意識がいってしまい広背筋、僧帽筋の筋肉肥大という本来の目的から外れてしまっていました。
過負荷の原理はとても重要なのですが基本フォームがしっかりしていないと疲労ばかりで無駄な努力となります。
次回もしっかりと肩甲骨の下制の練習をしてから懸垂に挑もうと思っています。
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