アイキャッチ画像:映画.com
昨日カット専門店で1mmのバリカンでカットしてきて頭が超寒いけど登山日和。
それでも映画館へ。ちょっと映画付いていますが虫の知らせか観られるうちに観ておこうという気持ちになっています。
今日は新宿ではなく吉祥寺のパルコ地下2Fのアップリンク吉祥寺で「もう、歩けない男」(原題:ADAM)を観て来ました。
この映画館は以前はパルコブックセンターという本屋さんでしたが改造してスクリーンが3つあるミニシアターに変身。
超ザックリしたあらすじ
主人公アダムは保険会社の敏腕営業マン。上昇志向の強い会社にあって見事出世を果たし、おまけに恋人もゲット。さらに一軒家を購入して新居パーティで大騒ぎ。酔っ払って家の前の大きな池にダイビングするも浅瀬で骨髄損傷で身体障害者に。
休職するは、恋人に逃げられるは、満足に食事もトイレもできないは。自暴自虐になって周囲に毒付き暴れまくり自殺も考えてしまうことに。
しかしその中でリハビリ施設の仲間、ロシア人介護士の助けを受け、「人に対して感謝する気持ち」と「自立して生きようとする気持ち」が芽生え前向きに生きて行こうとする姿を描いています。
実在した人物を描いている映画です。
私にとって登場人物はほとんど無名の役者(どこかで見かけたことはあるような気はする)ですが主人公のアーロン・ポールはテレビの大ヒット作「ブレイキング・バッド」に出演していたようです。
2020年のアメリカ作品。
「もう、歩けない男」の鑑賞後の感想
障害を患ってからの物語を中心にすべく主人公の子供時代と会社員生活をサラッと描いています。
電動車椅子を購入し、その車椅子用に自宅を改造、さらに車椅子用の自家用車も手に入れます。
ある程度お金がないとできないことですが全ての障害者がお金を持っているとは限りません。
自分が身体障害者になって車椅子生活を余儀なくされたらどんな態度を取るかは自明なことです。
作中のように自暴自虐になって周囲に当たり散らし、自殺はできなくとも自殺未遂はするはずです。
障害者の多くは本作品の主人公のような過程を経て何とか社会復帰しているのでしょう。
障害者になって失ったものはたくさんあっても得たものはあるのでしょうか。
よく視力障害者は嗅覚や聴覚が発達すると聞きます。
それと同じようにこの主人公のように下半身と片腕が不自由になり、社会復帰するまでの過程で何かを得ることができるのでしょうか。
それは本人次第ですが、そうであっても「生きるしかない」という自明の理を本当に理解しないと前に進めないはずです。
「人生は壮大な暇つぶし」と考えることもある私とすれば、この障害者の社会復帰への多大な努力も「暇つぶし」と言えるのでしょうか。
先日観た「エンパイア・オブ・ライト」での作中の言葉「人生は心のあり方」を思い出しました。
終わりに
先日封切りになったばかりの映画ですが館内はガラガラ。
しかし車椅子の男性が2人観に来ました。両方とも高齢者で一人は劇場内で車椅子から降りて備え付きの2本の杖で座席まで歩いていきましたが、もう一人は付き添いの女性と一緒に来られ最後まで電動車椅子で鑑賞していました。
このお二方はこの映画を観て何か感じるものはあったのでしょうか。
もし私がそれを両人に問えば「五体満足だけで人生みっけもの」だと教えてくれたかも知れません。
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