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50代後半からソロ登山を始めて丸5年。大した高山に行くわけでもなく強い関心があったテント泊にも興ざめしている今日です。もともと雑誌でトレランの写真を見て山で走ってみたいなと思ったのが登山のきっかけでした。
現在は冬期ということもあって無雪時期が多い高尾周辺の山に行っていますがやっぱり山を走ってみたいなという気持ちはありますね。この周辺の山々はトレランの連中の格好のトレーニング場となっています。はっきり言って山でのマナーがなっていない連中がまだ多くうざったく感じる時があるのですが、それでも体力的・技術的にすごいなと思うランナーもいるのです。
私はというと登りでは走らず、というより体力的に走ることができず下りで時々人がいない・少ない時に走ったりしています。もちろん下りの技術がなく急傾斜では相変わらずおっかなびっくりのへっぴり腰なのですが。
目次
トレランとは
ちなみにトレランとはトレイルランニングの略で「トレイル」というのは整備されていない道、つまり「自然道」のことを言います。
トレランは海外から入った山岳スポーツ文化ですが、日本でも古来より山岳信仰があって修験者が山道を走っていました。現在でも京都あたりのお坊さんが修行の一環で山道を走ったりしているようです。(最も日本の坊さんが山を走ってどれだけの修行ができるのかは定かではありませんが。)
このトレランは登山と同様に上りは体力、下りは技術と言われています。
確かに上りは脚力、心肺機能があればなんとかなりそうですが、下りはそれだけでは不十分です。やはりそこにはトレーニングしなければならない技術がありそうです。
そこで少しネットでトレランの下りのやり方について調べてみました。ただしプロのトレランナーやトレーナーによって多少意見が分かれるとこともあります。
トレランの下りのやり方
脱力して下る(重力に逆らわない)
骨盤を立て前傾姿勢になる(→胸を開くと骨盤が前傾する)
スライド(歩幅)を小さくとってピッチを上げる
接地時間を短くする
スピード維持のため直線的に下りない
重心の位置は重力線上まっすぐに(上記画像参照)
両腕を前後に振るのではなく左右に広げあげてバランスをとる
親指の付け根を意識する(フォアフット気味の全面フット着地)
つま先と膝は同じ方向にして走る(外側にすると膝に過負荷がかかる)
野生動物になる(すごい!)
滑りやすい傾斜では横向きに走ったりリズムを変えて走る
急な下りや速く走る時はフォア、それ以外は全面着地
上級者も下りの走り方を試行錯誤している(ホッとします!)
ちなみに「上り」のやり方も参考までに。
トレランの上りのやり方
着地は全面フット(かかと着地は前脛骨筋(すねの筋肉)に過負荷)
大臀筋、ハムストリングを使う(できるだけ大腿四頭筋は下りに残す)
股関節を使ってしっかり膝を上げ腕を振る
背中を丸めない(腰に過負荷がかかり呼吸も浅くなる)
急傾斜の時は両太もも前面に両手を当てて歩く(パワーウォーキング)
階段では膝をあまり上げない(エネルギー消耗を防ぐため)
トレランの強化方法
山へ行く回数を増やす
ロードでランニングをする(ロードで10km以上走れるような体力をつける)
ラダートレーニングをする
歩道橋の幅の狭い階段を上り下りする
ジムでトレッドミルを最大傾斜にして走る
トレランのブログを見て気になった点
筋トレの記事が少ない
トレランには大腿四頭筋の筋力は必要ということでは一致しているのですが、そのために積極的に筋トレをするというトレランのブログはあまり見受けません。
あるブログで海外の世界的な長距離・超長距離のトレランナーは大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリング、腓腹筋(ふくらはぎ)が非常に発達していると書いています。
マラソンはほとんど遅筋(持久力に優れる)を使用するため筋肉肥大はしませんが、トレランは山間部を走る場合が多いので上り・下りでの速筋(瞬発力に優れる)も必要なはずです。
シカゴマラソン(2018年)で日本新記録を樹立した大迫傑選手はナイキ・オレゴン・プロジェクト所属ですが、彼の所属先では筋トレも採用しておりテレビ映像では大迫選手はバーベル・ウォーキングランジをしていました。
マラソンランナーでさえ筋トレをする時代です。ましてやトレランナーはなおさら筋トレが必要でしょう。
毎週長距離を走らないといけないと思い込んでいる
マラソンランナー、特に日本のマラソンランナーは毎日降るマラソンの距離を走っているようです。市民ランナーも月200km以上走っていたりします。
マラソンからトレランに入ってきた人にこの傾向があります。
一方で長距離を走れば良いというものではないという人もおり、月200km以上走るロードランナーはケガのリスクが非常に高くなると言う医師もいます。
筋トレと同様に休息による筋肉疲労回復もトレーニングの内なのです。
むやみに距離を出せばいいというものではないはず(この意見に反対のランナーもまだ結構います)。日本は未だに筋トレを軽視する傾向があると感じざるを得ません。ちょっと遅れていますね。
トレランーのマナーの注意点
最後に私が山で気がついたトレランをする人のマナーの問題です。
熊よけ鈴をつけて走らない
熊よけ鈴はあくまでも「熊よけ」用です。「人よけ」用ではありません。静寂な山を鈴をつけて走ることは他の登山者にとって非常に「雑音」、「騒音」になるということに気が付きましょう。
特に週末の奥多摩山塊、高尾山塊あたりは登山客で賑わうところです。そんなところの一般登山道で熊が出ると思いますか。明らかに「人よけ」に鈴を使っています。登山客は熊ではないのです。
狭い登山道では歩く
狭い登山道で登山客とすれ違う場合は歩くか徐行しましょう。時々おバカなトレランナーがスピードを落とさず走り去って行くときがあります。特に奥多摩の七ツ石山から奥多摩駅までの石尾根ではその傾向がありこういったヤカラは奥多摩への出入禁止にすべきです。ハセツネカップが近づいてくるとさらにこういったヤカラが出てきます。
すれ違う登山客にあいさつする
当たり前のことができていません。「こんにちは」「チワッ」とあいさつをしましょう。
一般登山道は100%登山客優先と知ろう
いにしえの頃は別として現在の登山道はあくまでも歩くところです。都市部で言うところの歩道に相当します。歩道は自転車も通ることができますがあくまでも100%歩行者が優先です。歩道で自転車と歩行者が事故を起こすと100%自転車側の責任となります。
それと同じように登山道でも100% 登山客優先でありトレランナーは歩道における自転車のよなものなのです。それをまず自覚してください。
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