アイキャチ画像:ドライブマイカー公式サイト
ドライブマイカーを観てきました。
この映画は少し前に観た昔のアイドル映画のような大根役者揃いの「コーダ」という映画とどっちを観ようかと迷った映画です。
映画館は前回と同じくTOHOシネマズ日比谷です。
いつものようにザクッとしか内容は知らないまま観に行きました。
主演は西島秀俊だとあらかじめ知っていましたが私が映画を観ながら知っていた俳優は岡田将生だけでした。
この映画がカンヌ映画祭などで賞をとり米国アカデミー賞にもノミネートされ、さらに先頃日本アカデミー賞という米国アカデミー賞を模した世界では全くパッとしない賞まで取りました。
内容は他のネット記事でたくさん書かれていますので省略しますが感想としましては、
トーン全体が薄暗く、俳優陣の音声も意識的に台本の棒読みに徹し抑制されておりこれは途中で眠たくなるかなと思っていると最後までそうはならずに持ち堪えたなんとも奇妙な映画でした。
俳優陣にとっては表情や言葉に抑揚を持たせない演技はかなりストレスが溜まったのではないでしょうか。一歩間違えると大根役者になってしまいますから。
私は主演の西嶋秀俊も顔は知っていましたがテレビや映画で実際の演技を見たことがないのではっきりした事はわかりませんが、もともと顔の表情はそれほど豊かではなく自己主張するタイプではない役者のように感じました。
西嶋秀俊のドライバーとして三浦透子という俳優が出演していましたがこの俳優は後で調べるとNHKのドラマに出演中だとわかりました。無表情でブサイクな顔は地かとさえ思える演技です。
ドライバーの三浦透子は生まれも育ちも北海道で母親は災害(地滑り)で亡くなり父親は顔も知らないという設定ですが、最後になって三浦透子が韓国に行ってスーパーで買い物をしながら西嶋秀俊の所有する車と同じ車(あるいは西嶋の車そのもの)に乗ってドライブしているシーンで終了という事は少なくとも父親は韓国人である事を匂わせています。
この車もなぜか外車でサーブというスウェーデンの車です。
この映画の原作が村上春樹の短編集「ドライブマイカー」をもとにしているので小説に出てきていたのでしょうか。わかりません。
俳優に台本を棒読みさせるシーンももともとイタリアの監督?(忘れました)がこのやり方を採用しているのを参考にしたようです。
映画がチェーホフの「ゴトーを待ちながら」「ワーニャ伯父さん」の舞台稽古が中心になっておりさらに役者の出身国によって韓国語、北京語、日本語に加え英語まで入って言葉自体が空間を交錯します。
残念ながらなぜこの舞台のためにこのような役者割をしたのか聞き漏らしてしまいました。
監督の濱口竜介はどうも結構ヨーロッパの映画祭を意識していたような気がします。
私はこの映画は退屈ではありませんでしたが面白かったわけでもありませんでした。
映画前半の舞台俳優兼演出家の西嶋秀俊とその妻で脚本家の霧島れいかの(演技上の意識的な)棒読みの会話に耐えることができれば後半も乗り切れるでしょう。
ハリウッド映画が好きという人にはこの映画は向かず、どちらかと言えばヨーロッパ映画好き向きの映画です。
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