筋トレ

 

更新: 2020.07.21

筋トレで起こる肩のインピンジメントの原因とその対処法

アイキャッチ画像:melos.media

ジムで右肩の肩峰部分を押すと痛みが走るようになって以来痛みが軽減したり戻ったりしています。

今回右肩を痛めた原因はインクラインサイドレイズ(ダンベルの小指側が上になっていた可能性がある)ではないかと推測しています。

またどうも両肩が張り凝っているような感じもします。そのため現在筋トレ後にストレッチをしたりこの肩から背中上部(僧帽筋)の筋膜リリースをしています。

しかし肩は外転しても痛みもなくスムーズに上がるため軽度の肩の炎症ではないかと勝手に思っています。

症状としては肩の故障に多いインピンジメント(impingement。衝突)ではないかと思います。

肩のインピンジメントについて説明していく前に肩及び肩関節の動きに連動する肩甲骨の動きについて説明したほうがわかりやすいでしょう。

肩関節の動き

これも肩の外旋と内旋です。

肩の屈曲:万歳をするように正面から腕を上げる動き

肩の伸展:万歳をして腕を上げた軌道を戻るようにして正面から下ろす動き

肩の外転:体の横から円を描くように腕を上げる動き

肩の内転:腕を体の横から上げた状態からもとに戻す動き

肩の外旋:上腕を外回しにする動き

肩の内旋:上腕を内回しにする動き

下記は参考までに上腕の外旋・内旋を示します。

上腕の内旋・外旋

上腕の外旋:上腕を外向きにひねる動き

上腕の内旋:上腕を内向きにひねる動き

肩甲骨の動き

また肩や上腕と連動している肩甲骨の動きは下記の通りになります。

川島敏生「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」

筋トレによる肩のインピンジメント

上記の肩関節及び肩甲骨の動きを参考にして肩のインピンジメントを説明致します。

上腕を外転して上げてみましょう。外転して上腕が水平になると自然に上腕は外旋し始め上腕骨の大結節が後方へ回って大結節は肩甲骨の肩峰との衝突を回避するようになっています。

しかしこの一連の動き(肩、肩甲骨、上腕の動き)が何らかの理由で正常に動かないと大結節と肩峰がぶつかりその間にある棘上筋腱や滑液包を挟み込み炎症を起こして痛みの原因になります。

これが「肩のインピンジメント」と言われるものです。

肩のインピンジメントが起こりやすい原因

動作編

先述の通り肩、肩甲骨や上腕の一連の動き(リズムと言います)が悪いと上腕骨頭についている大結節が肩甲骨の先端の肩峰とぶつかりその周辺にある腱や滑液包にダメージを与えてしまいます。

それではどういったときにそのリズムが崩れてしまうのでしょうか。

肩の屈曲よりも外転で腕を上げたとき

筋トレ例)

・鉄棒を使用したときの懸垂(プルアップ=順手)

肩が外転し上腕が内旋するとき

筋トレ例)

・ベンチプレスでバーベルを下ろす動作

・バーベルアップライトロウ

・ダンベルサイドレイズ

肉体編

ローテーターカフ

・ローテーターカフ(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)が弱い

・肩周辺のアウターマッスル(三角筋、僧帽筋、広背筋、大胸筋)の筋力のバランスが悪い

・肩周辺の筋肉疲労が蓄積している(筋肉が硬い)

肩のインピンジメントの対処法

それではどんな対処法があるのでしょうか。

・該当する筋トレ種目をやめ別の種目をする

・従来の筋トレのフォームを再検討する(自分にとって正しいフォームかどうか)

・肩周辺の筋肉が硬い(収縮)している場合は筋膜リリースやマッサージを行う

・肩周辺の弱い筋力アップをする

・肩の内旋と外旋の動きで使われる筋肉のバランスをとる

・痛みが長く引かない場合は整形外科に行く(別の原因の可能性もあり)

ダンベルプルオーバーをする

肩のインピンジメントの予防法

腕を外転させるときは体の真横にで外転させず肩甲平面上もしくはそれより内側で腕を上げる

肩と連動している肩甲骨は下記の肩甲平面(スキップラクプレーン)上で腕を上げることが最も肩甲骨が強く安定することがわかっています。

つまり肩甲骨と上腕骨が一直線上に並んでいる状態が肩への負担を最小限にするのです。

川島敏生「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」

肩甲骨の可動域を広げる

先述の通り肩のインピンジメントは肩甲骨の肩峰と上腕骨の大結節の衝突になります。これを避けるため上腕を上げたときに肩峰がうまくかわしてくれればいいわけです。

そのためには肩甲骨の可動域を広げる必要があるのです。

Moritaku88

上記動画では次のような順番で肩甲骨をストレッチしています。

1.下制+挙上+内転

2. 内転+外転

3. 上方回旋

4. 下方回旋

一連の動作には肩甲骨の動きの全てが入っており可動域を広げていきます。

懸垂はパラレルグリップで行う

懸垂(プルアップ=順手)で鉄棒を使うと肩を痛める原因になると書いたのは腕を真横で外転させ上げ下げするからです。

これによって肩を痛めやすくします。したがって肩に不安のある人はパラレルグリップ(ニュートラル)で懸垂をしましょう。

また脇が開くほど肩に負荷がかかります。つまり懸垂ではワイドレンジ(手幅を広くとる)ほど肩を痛めやすくなります。

プルアップやワイドレンジで行う場合は肩甲骨を内転させることが大切です。

肩の外旋、内旋の動きで使われる筋力のバランスをとる

肩の内旋で使用される筋肉にはローテーターカフでは肩甲下筋、アウターマッスルでは広背筋、大胸筋があります。

一方肩の外旋で使用される筋肉にはローテーターカフの棘下筋と小円筋です。

筋トレでどの筋肉肥大、筋力アップしているかわかりますね。

ほとんど内旋に使用される筋肉がより強力に発達しているはずです。

つまり肩関節で使用される筋肉(筋力)は内旋>外旋の状態となっています。

この差が大きいと肩が前方へ来る巻き肩の原因にもなります。

したがって外旋で使用されるローテーターカフ(棘下筋、小円筋)を鍛える必要があります。

それには下記のエクスターナルローテーションがあります。

ポイントは軽量な重量のウエイトを使用し下ろすときはゆっくり下ろすことです。

慣れるにしたがって重量を少しずつ増やしていきましょう。

筋トレ前のウォーミングアップ

筋トレ後の静的ストレッチやマッサージの必要性の認識はあっても筋トレ前のウォーミングアップの重要性を認識している人はあまりいません。

筋トレ前に十分なウォーミングアップをしないと筋肉に十分血液が送り込まれないまま筋トレをすることになります。

ウォーミングアップによって血流が良くなり文字通り体を温めることになります。それによって筋肉が柔軟になり怪我の防止に役立つわけです。

肩や肩甲骨周辺も筋トレ前にウォーミングアップしましょう。

筋トレ後の静的ストレッチ

筋肉が硬い人は筋トレ後の静的ストレッチが不十分な可能性があります。

筋トレに30分かけた場合がストレッチに最低その半分の15分をストレッチに当てましょう。

筋トレ1時間の場合はストレッチ30分です。

風呂上がりのストレッチはさらに効果的です。

まとめ

・上腕を外転させて上げると肩甲骨の肩峰と上腕骨頭の大結節が衝突しその間にある棘上筋腱と滑液包が挟まって痛みを生じる症状を肩のインピンジメントと言う

・肩甲平面上に上腕が一直線上になっている状態が最も肩への負担を軽減させる

・肩への負荷を減らすためには肩甲骨をベースに肩を動かす

・肩に不安のある人は肩の外転では屈曲で上腕を上げること

・懸垂はプルアップ(順手)よりもパラレルグリップ(ニュートラル)で行うと肩への負荷が軽減される

・ベンチプレスでバーベルを下ろすときは胸の下部へ下ろす

・サイドレイズをするときはダンベルの親指側を上に向くようにダンベルを上げる

・アップライトロウはバーベルの代わりにケーブルを使用する

・筋トレ前には軽量の重量でウォーミングアップをする

・筋トレ後には筋トレにかけた時間の半分の時間を静的ストレッチに当てる

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