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人種差別については過去にも私のブログで取り上げました。白人と黒人及び有色人種間の差別、日本人による国内における人種差別などです。
今回はスポーツ界、その中でもプロサッカーでの人種差別問題です。
世界中のサッカーは日本以上に観客が興奮しますが、選手自身も日本人以上にエキサイトします。
私は子供の頃サッカーが好きで結構やりましたがどちらかというと野球少年だったのでJリーグや海外のサッカー選手についてはほとんど無知と言っていいでしょう。
ただこのプロサッカーでは頻繁に選手間だけでなく観客の中にも人種差別の発言が多く見られ問題になっていることには関心を持っているのです。
フランスリーグにおけるネイマールの人種差別発言
今年の9月のフランスリーグにおいてパリ・サンジェルマンとマルセイユの試合での出来事。
マルセイユのゴンザレス選手(スペイン人)とサンジェルマンのネイマール(ブラジル人)がお互いに人種差別の発言をしたことが問題になりました。
先にゴンアレスがネイマールに対して「モノ」(スペイン語でサル)を言い、ネイマールがゴンザレスに対して「マリコン」(同性愛者を侮蔑するスペイン語)を言ったというものです。
さらにその後別の試合でも同じマルセイユの酒井宏樹選手に対してネイマールが「クソッタレの中国人」(ポルトガル語)で3度も言ったと言われています。
こういった人種差別発言は往々にして罰金対象の処罰になるのですが今回は全く処罰されなかったのでマスコミ各社は大いに驚いたようです。
一方言われた酒井選手は自らのインスタグラムにて下記のように日本語と英語で書いています。
・・・対象の2人の選手に制裁がなかったことに安堵しております。
もし仮に何か言われたとしてもお互い熱くなっている試合中の些細な出来事であり差別とは全く関係ありません・・・。
こういった発言をする(あるいはできる)欧米、南米の選手はほとんどいないでしょう。
なぜなら欧米では人種差別的発言は日本以上にタブーだからです。決して言ってはいけない言葉なのです。
もちろん日本人選手の中でも人種差別的発言をする人はいるでしょう。しかし彼らのような外国人ほど激しく罵倒するような発言はまれなはずです。
これはなぜでしょうか。
日本語には罵倒する語彙(ごい)が少ない?
日本には「バカ」「アホ」「マヌケ」とかいう相手を罵倒する(ののしる)言葉がありますが世界には欧米をはじめ隣国の中国、韓国なども日本語以上にたくさん相手をののしる言葉があります。
実際どうして海外では日本以上に相手をののしる言葉は多いのかは不明なのです。
社会制度的、宗教的、性的差別などによる抑圧からの反動とかいう人もいますがはっきりしません。
ただ気になることがあります。それは日本語には相手をののしる言葉が海外より少ないのですがそのののしる言葉の内容が海外とはちょっと異なる場合があるからです。
日本人のののしる言葉は「人格を攻撃する」
日本語で相手を ののしる言葉としては先述以外にも「ブス」「デブ」「チビ」「短足」「ハゲ」「ペチャパイ」など相手の容姿を攻撃する場合が多くあります。
これは「相手の特徴(容姿など)に対するののしり」となります。
それに対して海外のののしり言葉は少し異なるのです。
それは「相手の行動や状況に対するののしり」となるからです。例えば、「ブタ」といえばその容姿ではなく「その相手の食べ方がブタのような食べ方をする」という意味になります。
決して容姿が「ブタみたい」というののしりではないのです。
人種差別的発言は教育水準の違い?
話は戻ってネイマーやゴンザレスの人種差別的発言は私から言わせると幼稚です。
海外のプロサッカー選手は日本同様に子供の頃からプロサッカー選手を目指してきは人がほとんどです。
しかしその生い立ちは日本と比べると貧困層が多いのです。したがって日本で想像するような家庭環境ではない選手が多いのです。特に南米やアフリカ出身の選手はそうです。
こういった貧しい生い立ちも彼らの言動に少なからぬ影響を与えているでしょう。
先の酒井選手が人種差別的発言を受けたのにもかかわらず、その選手たちが罰則も受けず復帰できたことを喜んでいるという趣旨の発言をしたのを見るにつけ、私は日本人らしいなと思ったのでした。
それは相手をおもんばかったり単に南米やアフリカの選手、あるいはヨーロッパの選手に比べて日本が経済的に豊かであり教育水準も高いからというわけではありません。
それはおそらく「これ以上トラブル(論争)に巻き込まれたくない」「(言い合いをして)これ以上嫌な思いをしたくない」という考えがあったのではないでしょうか。
これは日本人の「自己防衛的言動」だと思うのです。
欧米を中心とする海外の人たちはどちらかというと白黒はっきりつけようとしますが日本人は、グレー、玉虫色で解決できればいいという考えを持っています。
それがお互いを傷つけないやり方(生き方)と思っている節があります。
一見すると酒井選手の言動は立派に見えますが多分に誤解を受ける結果になる場合があるのです。
それは日本人には「何を言っても問題ない」をいう誤解を与える可能性があるからです。
この辺は非常に微妙なところでこの言動でより日本人を評価する人とバカにできる相手としてみる人が出てくるのです。
もちろん私は今回の酒井選手の言動は日本人として立派だと思いますし、同時にネイマール選手と同じように人種差別的発言を言い返して欲しくはありません。
なぜならもし言えばネイマール選手と同じような下品な選手に見えてしまうからです。
プロサッカーは他のスポーツに比べて反則はバレなければいいという考えを持った人が多すぎるのです。見ていて見苦しい!と思うことがしばしばです。
サッカーファンには申し訳ありませんが、そういう意味ではサッカーはフェアプレイのない下品なスポーツと言えるでしょう。
ラグビーとサッカーの両方を生んだ階級社会のイギリスではラグビーのほうが上等なスポーツという認識があることは確かです。
サッカーは完全に大衆(労働者階級)のスポーツでバブ(アッパーはほとんど行かない)などで観戦するのにはもってこいのスポーツなのです。
まとめ
日本人の相手を罵倒する言葉が外国の言葉よりも語彙が少ないとはよく言われることでした。
その理由が以前からいまいちよくわからないのですが色々な要素があるのでしょう。
先述の酒井選手の言動は立派なものですが日本国内においてはサポーターの韓国人への人種差別問題が一時話題になりました。
ひょっとすると海外にいるので日本人選手は優等生的発言をしているけども国内では別になるのかもといけない想像をしてしまいます。
それにしても日本人に対して「クソッタレ中国人」はないだろう。
日本人を中国人や韓国人と間違えることほど屈辱的なことはないことをひょとしてネイマールは知っていたのかも。
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