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日本人は糖質の摂取過多
現代の日本人は糖質の摂取が過多と言われています。
毎日糖質を多く摂取していると日本人の国民病とも言われている糖尿病になる可能性が高くなります。
食事から摂取した糖質は各器官で分解されてブドウ糖として血液の中に入り込み血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌されその血中ブドウ糖濃度は一定に保とうとします。
しかし糖質の多い食物ではその血糖値が急激に上がるのでインスリンもたくさん分泌されることになります。
これが日々繰り返していくうちにインスリンの分泌量が少なくなったりその機能が低下したりします。
そうすると血中に行き場を失ったブドウ糖がたくさん溜まる状態になります。この状態を糖尿病と言います。
血中にブドウ糖が多く溜まると血管自身がボロボロになり動脈硬化を起こしやすくしたり心臓疾患、脳梗塞の原因にもなるのです。さらに脂肪細胞に溜め込み過ぎると肥満になり肝臓に蓄積し過ぎると肝硬変になります。
そして上記の糖質を多く含む食物というのは日本人が毎日食している白米(ご飯)です。
白米を取り過ぎ、運動不足になると糖尿病になる可能性が高くなります。
さらに白米以上に悪影響を及ぼすのが食パンです。食パンの原料は小麦ですので白米よりGI値が高く血糖値がより急激に上昇しやすいのです。
朝食に食パンを摂取する日本人は意外に多くすでに日本人の半数は朝食に食パンを摂取しているとも言われています。
ブドウ糖(糖質)は運動エネルギーになるので運動によって血中ブドウ糖濃度を一定に保つことができれば問題ないのですが社会人は運動不足です。
特に高齢者は慢性的な運動不足です。「散歩がいい運動」というのは病後のリハビリ最中か棺桶に片脚を突っ込んでいる人が言う言葉と覚えておきましょう。
日本人は慢性的タンパク質不足
日本人は昔からタンパク質が不足しています。
宗教的な意味もあり古来より動物性タンパク質は魚か卵程度でした。
和食は一汁三菜なんて言葉があり世界的にも健康食品と認められていますが明かにタンパク質不足です。
先述の通り日本人は糖質過多でタンパク質不足なのでもはや日本人病となっている糖尿病にかかりやすいのです。
タンパク質は筋肉の材料になるだけでなく食欲を抑制する方向に働きますので低糖質の方向へ導いてくれます。
また筋肉は糖質(ブドウ糖)を運動エネルギーになるグリコーゲンとして蓄積しますので血中の糖質濃度を抑制することにもなります。
タンパク質摂取の注意点
ただし過剰にタンパク質を摂取すると腸内環境の悪化を招き便秘になったりオナラがたくさんでたり便やオナラがくさくなったっりします。
さらにタンパク質を分解する過程でアンモニアが生成され無害な尿素に分解するために肝臓、腎臓を過度に働かせることになり肝機能、腎機能の低下を招く恐れがあります。肝臓や腎臓に不安がある人は様子を見ながら少しずつタンパク質の摂取量を増やしていきましょう。
必要摂取量は一般的に体重1kg当たり1g程度を目安としていますが、アスリートや筋トレをするトレーニーは体重1kg当たり2g以上のタンパク質を摂取する必要があるといわれています。
ただしこれに異論があり2g以上も摂取しなくても普通に食事をすれば筋肉はついていくという人もいます。
結局このタンパク質の必要摂取量には個人差があり各自で実際に試してその効果を見るしか方法はありません。
確実に言えることは2つあります。
ひとつはタンパク質の1回の摂取量には限界があり多く摂取しても吸収されないで排泄される、ということです。その摂取限界量には諸説あり一回の食事では20gが限度というデータと40gが限度というデータがあります。
ふたつ目は、加齢に従ってタンパク質の吸収率が悪くなるので高齢になると若い世代より意識的にタンパク質を多めに摂取しなければならないということです。
筋肉のなかにも脂肪がつく脂肪筋
太る原因として糖質過多とともに脂質の摂取がよく挙げられます。トンカツ、唐揚げ、天ぷらなどの揚げ物、肉類の脂肪分など。
美味しく感じる食品はほとんど糖質と脂質の塊です。
これらをを取り過ぎると体内に中性脂肪(皮下脂肪+内臓脂肪)が蓄積し生活習慣病の原因になります。
脂肪は脂肪細胞に蓄積されますが、筋肉内にも脂肪が蓄積されます。特に中高年になると筋肉内に付きやすくなります。
脂肪筋とは
私は脚が生まれつき細く筋トレでもなかなか筋肉肥大しないのがコンプレックスになっていますが私より太ももが太い男性でも脚トレでは私より挙上できない人がたくさんいます。
その理由のひとつには「脚が太い=筋肉が大きい」と必ずしも言えないからです。女性はお尻から太ももにかけて脂肪がつきやすく男性はお腹周りに脂肪がつきやしすいのですが、男性の場合も太ももに脂肪(この場合皮下脂肪ではない)が付くんだなと知ったのは筋トレを始めてからです。
運動不足の男性はいつのまにか太ももの筋肉内に脂肪が蓄積しているのです。それで外見上は弛んでおらず筋肉がついているように見えても、MRスペクトロスコピーという特殊検査で筋肉の断面を見ると筋肉の中に脂肪がたくさんついていることはわかります。
これは骨格筋に異所性脂肪が溜まり脂肪筋となっている可能性が高いのです。
この状態では筋肉の質の低下とインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい)を引き起こしやすいのです。
しかし、局所性脂肪は内臓脂肪と同様、つきやすく落ちやすい性質をもっているので食事制限と運動で改善できます。
私は筋トレ後にトレッドミルで傾斜ウォーキングを30〜40分しています。
MRスペクトロスコピーで私の太ももを撮影したことはありませんが、おそらく太ももの筋肉内の脂肪はないかあっても極僅かでしょう。
脂肪の役目
そんな一見全く無駄なものに見える脂肪ですがしっかりした役目があるのです。
・内臓保護
特にお腹周辺には骨格がないので内臓保護のために存在しているといわれています。
・食欲の抑制
脂肪や糖は脂肪細胞に蓄積されますがその脂肪細胞からはレプチンというホルモンが放出され脳の視床下部に送られ食欲を抑制しようとします。つまり脂肪細胞では脂肪や糖がたくさん溜まると「もうおなかいっぱい「という信号を脳に送るのです。
逆に脂肪細胞のエネルギー貯蔵量が減少するとレプチンの放出量も減り筋肉などでのエネルギー消費を抑制します。
・脂溶性ビタミンの吸収を促進
脂溶性ビタミンであるビタミンA・D・E・Kの吸収を促進させます。
また脂質は細胞膜やホルモンの原料になるので重要な栄養素の一つなので脂質制限は糖質制限と同様「ほどほど」にしなかればなりません。
極端な糖質制限や脂質制限は健康を損なう原因になります。
3大栄養素のバランスが必須
動物性タンパク質である牛肉、豚肉を摂取して中性脂肪をつけたくないのであれば赤身のみの摂取が必要になります。
牛肉、豚肉、鶏肉、卵、魚などの動物性タンパク質の食品はアミノ酸スコアが100ですが植物性タンパク質の多くは100には至りません。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の両方を摂取しよう
また動物性タンパク質と植物性タンパク質では動物性タンパク質の方が体内での吸収率が速いことも覚えておきましょう。
しかしその吸収率の速度の違いを利用すると、血中アミノ酸濃度は一定に保たれる可能性が高くなります。
血中アミノ酸濃度が高く一定に保たれているほど筋肉合成率が高いとボディビルダーやフィジーカーたちは信じています。
一般の人はそこまでこだわる必要はありませんが、タンパク質の吸収率の速い動物性タンパク質とその速度の遅い、いいかえればゆっくりしている植物性タンパク質を組み合わせることで血中アミノ酸濃度は一定に保たれるでしょう。
すべてはバランスよく摂取することが肝心です。
健康的なPFCバランス
そこでタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の3大栄養素のバランスが必要になってきます。
より健康的なバランスは下記が一つのモデルになります。
1)タンパク質:脂質:炭水化物=30%:15〜20%:50〜55%
あるいは
2)タンパク質:脂質:炭水化物=25%:15%:60%
でもいいでしょう。
1)は筋トレなどの運動を習慣づけている人向け
2)は運動しない人向け
運動しない人がいくらタンパク質を摂取したところで筋肉にはなりませんが、運動しなくてもタンパク質は髪、爪、皮膚、酵素などの材料になりますので動物性・植物性タンパク質の両方をバランスよく摂取しましょう。
終わりに
筋トレをしていると筋肉をつけるには運動ばかりではなく食事(栄養素)と睡眠(休息)の必要性を痛感します。
私の場合、筋トレを始めた当初は全卵5個と納豆1パックを毎朝、鯖缶1缶を夕食に摂取していた程度でしたがそれでも体臭がきつくなりオナラも臭くなったことを覚えています。
現在は全卵3個、卵白2個(卵値上がりにより今後数量は不透明)、納豆1パック、ツナ缶1缶を朝食に、鶏胸肉200g前後を夕食に摂取するようになりました。そして日中にプロテインパウダーを30g。
鶏胸肉とプロテインパウダー摂取開始はどちらが早かったか忘れてしまいましたが、この食事内容でも便通が悪くなったりオナラが臭くなったりしました。体臭は夏の筋トレ中以外はあまり臭く感じなくなりました。
便通は味噌汁にホウレン草とワカメを入れるようになってから改善されました。ホウレン草にはミネラル特にマグネシウムが豊富に入っておりこれが便通を良くしているのでしょう。
マグネシウムは便秘薬の成分として使用されています。
また今は高額のため摂取をやめていますがサツマイモも便通改善には一役かっていました。
健康的に筋肉をつけるにはPFCだけでなくビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが大切であることを身をもって知るようになったのです。
くれぐれもタンパク質だけでは筋肉はつかないと理解しましょう。
すべてはバランスなのです。
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